福士加代子さんの見事なタイムでも当確としない日本陸連は曖昧な規準を改めるべき
福士さんに名古屋を走らせるなんでおかしい
日本陸連は曖昧基準を改めよ
大阪国際女子マラソンで日本歴代7位のタイムでブッチギリの
独走優勝した福士加代子さんだが、日本陸連が「当確」を
出さないため、3月の名古屋ウィメンズマラソンも走ろうかと
焦っている、という。
現在1人が決まっていて、「あと2枠」なのだが、
名古屋で万一、2時間22分30分より速く2人以上がゴール
した場合、福士さんが選ばれるとは限らなくなるためだ。
理屈以前に前提(基準)がおかしなものなので、以下整理し、
批判だけでなく自分の案も書く。
「22分30秒切り」は、07年東京の野口みずき選手の
2時間21分37秒以来9年ぶりで、誰も20分台前半で走れない
「女子マラソン冬の時代」が続いて来た中での「快挙」が
先日の福士さんのタイムだ。
リオ五輪マラソン代表選手選考要項では、選考基準は
(1)「内定条件」と(2)「選考条件」に分かれ、
(1)は昨年の世界陸上(北京大会)8位以内入賞者で、
日本選手最上位者1人~ということで~これにより
7位の伊藤舞選手が唯一既に「内定」を得ている。
(1)の基準は解り易くはある。しかし、問題は有る。
伊藤選手にケチをつけるわけではないが、いくらランクが上の
レースである世界選手権とはいえ7位、
それもタイムはなんと、2時間29分48秒、という「平凡な記録」
にすぎない。
にもかかわらず伊藤選手に「内定」を出し、
2時間22分17秒という近年日本で誰も出していない抜群の
記録を出した福士選手に「名古屋を待たずに当確は出せない」
というのは、~理屈ではごもっともでしょうが~
心情的には全く納得できない。
(2)の「選考条件」は、
①昨年11月のさいたま国際、②今年1月=先日の大阪国際、
③そして3月の名古屋ウィメンズの、
「3レースにおいて日本人3位以内から、陸連設定記録を
満たした者(最大1人)、選考3レースの記録、順位、
レース展開、タイム差、気象条件等を総合的に勘案し、
五輪で活躍が期待されると評価された者の優先順位で
決める」
という、なんとも曖昧で抽象的で不透明な内容で、
それでもその決まりゆえ陸連は名古屋の選考レースが
残っている以上、福士に「代表当確」は出せないのだという。
敢えて言う。ここ何年も20分台前半を誰も出せなかったのに、
急に名古屋で福士さんを上回るタイム、それも2人以上出す
なんてマズ無い。やれるものならどうぞ、という感じだ。
もっとも、詳しい人によると、
「名古屋を走る木崎良子選手(30)、前田彩里選手(24)、
田中智美選手(28)の頭には、福士のタイムがある。
それに近いか、もしくは上回るタイムを出さないと
五輪キップは無理、と判っている。
ペースメーカーが5キロを16分30~40秒台のペースで
30キロまで走り、それについていけば、
ペースメーカーがいなくなってからもスピードは
ガクッと落ちないのではないか。
可能性は低いとはいえ、福士と同等かそれ以上のタイムが
出る可能性は完全には否定はできない」と。
これまでも何度も五輪代表選びで物議を醸し、そのたびに
「代表選考は一発勝負にするべきだ」と言われてきたが、
今も実現されていない。
私の案としては、選考レースを、
①前年の世界選手権と②五輪開催年の大阪(または名古屋
のどちらか)の「2つのレースに絞る」。
この場合、世界選手権を特別視ぜす、日本人1位だけでなく、
タイムも他のレース同様、2時間22分30分以内、とすべき。
こうでもしない限り、どう考えても不公平な選考基準だと思う。
とにかく、福士さんにまたも名古屋で挑戦させるなど、
狂気の沙汰だ。
仮に1位で好タイムだったとしても、
~既に多くの関係者が言及し、私のような素人でさえ
危惧するように~体へのダメージが増し、
肝心のリオ五輪では力を出し切れない事態になりかねない。
福士さんに名古屋を走らす案に断固反対する。
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