北岡伸一教授のコラムを読む楽しみ
ここ何ヶ月か、日本経済新聞夕刊の紙面第1面下段にある週1回
のコラム「あすへの話題」に、東大教授の北岡伸一氏が書いて
いて毎回楽しく拝読している。
私が大学生になったころ、氏は30歳の若さで立教大学の助教授
になって間もないころで、私が入学した大学にも客員講師として
来校されていたので、私も、「日本政治外交史」だったと思うが
受講した。当然ゼミではなく、大教室での授業だったので勿論
面識は無いが、その後も、優秀、逸材を地で行くが如く、
当然のように氏の母校の東大の助教授、教授と進み、先般は、
日本政府国連代表部次席大使=特命全権大使として、
ニューヨークでも活動された。
氏の専門は20世紀初頭の日本軍部の動向を中心とした政治史と
認識しているが、10年くらい前からは、現実的な観点から、
現代政治外交にも積極的な提言をされて来ている。
「現実的」と言っても、「現実主義者」にありがちな、
「カッコイイが実の無い空理空論を言う人」とは、氏は一線を画して
いると思う。
ヒューマンな側面を決して見逃さない、忘れない視座に基づいて、
現実の政治状況に対する論点を追及していく言動には、先述の
個人的な思い出とは別に注目している。
連載中の日経夕刊のコラムも、硬派ではあるがヒューマンな
部分が滲み出る、印象的な内容のものが多い。
なお、氏の学部時代のゼミの同級生には舛添要一さんがいる。
舛添氏はパリやジュネーブでの研究員経験後、東大助教授に
迎えられたが、なんでも、当時の「上司」とウマが合わなかった
ようで、いろいろな「イジメ」に合い、
「当分、教授にはなれそうもないな」、と判断して大学を去った
ことは結構有名な話だ。
北岡氏と舛添氏は今でも仲は良いようだが、キャラクターの違い
による、学究生活の岐路の違いが想像できて興味深い。
もちろん、それぞれにふさわしいかたちで活躍されていることは
言うまでもないが。
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