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2024年2月14日 (水)

高野百合絵さん~歌ものがたり~第2章

高野百合絵さんが、昨年11月16日に第1回=第1章を渋谷のタカギクラヴィア松濤サロンで開始した「歌ものがたり」の2回目=第2章を、2月14日の夜、麹町の紀尾井町サロンホールで拝聴した。

ピアノは前回同様、山中麻鈴さん。

第1回は会場の関係で30席限定、1時間のコンサートだったが、今回は60名様限定、90分のコンサート。アットホームな雰囲気の中での演奏とトークによる進行という点は同じ。

後述でも触れるが、高野さんには女性ファンが多く、この日も会場の約半数は女性だったと思う。デリケートな問題なので、一言だけ書くと、「この事実は、若い女性歌手においては、必ずしも当たり前の事ではない」。第2章のプログラムは、

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1.アルディーティ:口づけ

2.アーン:クロリスに

3.サティ:ジュ・トゥ・ヴ

4.ピアソラ:私はマリア ~オペラ「ブエノスアイレスのマリア」より

(休憩)

5.ロウ:踊り明かそう ~ミュージカル「マイ・フェア・レディ」より

6.C・M・シェーンベルク:オン・マイ・オウン ~ミュージカル「レ・ミゼラブル」より

7.ソンドハイム:センド・イン・ザ・クラウンズ 〜ミュージカル「リトル・ナイト・ミュージック」より

8.ロジャース:私のお気に入り ~ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」より

9.アーレン:虹の彼方に 〜ミュージカル「オズの魔法使い」より

アンコール~レハール:熱き口づけ~オペレッタ「ジュディエッタ」より

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1曲目が終わってトーク開始。最初は、前回でも語られた「この企画を考えた思い」について。

前回、詳細に記載したので、ここでは短く書くと、「2019年に大学院を卒業後、翌年コロナ禍になり、お客様との距離感が生じ、またその後、落ち込んでいる時期でのコンサートでは、直前まで不安だったが、ステージに出た瞬間、お客様の温かい表情を見て自信を取り戻して歌えた。そうしたことから、トークは苦手だけれど、お客様と直に接していう歌う事をしてみたいと思いました」。

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前半の「口づけ」、「クロリスに」、「ジュ・トゥ・ヴ」では、特に中音域でのソフト感ある温かさが印象的。

ピアソラの「私はマリア」は、ピアノが、短いシンコペーションを繋いでいくような音型に乗っての歌で、アルゼンチン版シャンソンという様な趣があって印象的だった。

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後半も最初の「踊り明かそう」を魅力的に歌われた後、トーク開始。

「ミュージカル」に関心を持たれたいきさつは、第1回(第1章)でも語られたとは思うが、今回はより印象深く聞いた。

「高校~大学と、自分なりに(技術的)成長を感じてきたが、様々な悩みや思い等から思う様に歌えなくなり、大学3年次に1年間休学して、語学学習を兼ねてボストンに行った。半年ほどは音楽から遠ざかっていたが、そこで知り合った各国からの留学生~母国で戦争、紛争が絶えない~彼ら彼女らの難しい状況に比べたら、自分が思い悩んでいた事がなんて小さいことかと思った。また、私が歌った動画を彼ら彼女らが母国の家族らに配信すると、とても喜んでくれたことから、「もう一度歌ってみよう」と思った。現地で探した先生の得意分野がミュージカルで、クラシックとは違う多くの曲の楽しさや、同門の学生たちの~楽譜も読めない人もいた~自分を表現することにおけるパワーに驚き、歌において何が大切かを感じた。東京音楽大学に戻り、留学前とは全く違う気持ちで歌い、勉強する日々に入った」。

というような内容。

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「オン・マイ・オウン 」は、2021年12月に神奈川フィルとも歌われ、号泣したくなるような素晴らしい歌唱を聴かせてくれたが、この日も、切々とした感情移入が素晴らしかったし、「センド・イン・ザ・クラウンズ」では、大人な女性による、人生回顧的なしっとり感が魅力的だった。

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会場とのQ&Aコーナーでは、男性3名、女性2名(だったと思う)から質問があったし、時間の関係で当たらなかったが、未だ数人が挙手していたなど、ファンの積極的で「熱い」雰囲気の中、進行した。

冒頭で、「高野さんには、女性ファンが多い」と書いたが、質問に立った女性の一人は、「関西から来ました。『メリーウィドウ』からのファンです」。

質問者5名の中では、オペラ・アリアでの外国語歌詞に関して、習得法等に関して複数あったが、私には「オペラでの歌唱と、実際のその言語マスター度合いは別問題、ということを、あまり理解されていないのだな」と感じたが、それはやむを得ないというか、素朴な疑問なのだろうなと思った次第。

また、デビュー時に「メゾ・ソプラノ」としていた件に関しては、「(現在だけでなく)それ以前もソプラノとして歌っていました」と語られつつも、「ソプラノだからこの曲を、とか、メゾだからこの曲をではなく、私が歌いたい曲を(役を)歌っていきたい」、と、とても立派な正論を語られていて、印象的だった。

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「私のお気に入り」の軽快感、「虹の彼方に」での魅力的な抒情性の後、アンコールは、レハールの「熱き口づけ」を情熱的に歌い、大喝采の中、「第2章」が終演した。

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