「銀座オペラ2022ガラ コンサート」
ヤマハホールで、ソプラノの小川里美さん、エレクトーンの清水のりこさんを中心に、毎年のように展開されてきた今年の「銀座オペラ」は、特定のオペラ(のハイライト)ではなく、「ガラ コンサート」によるもので、11月28日夜、同ホールで拝聴した。
今回の出演者は、小川里美さん、清水のりこさんのほか、テノールの樋口達哉さんとバス バリトンのジョンハオさん。
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プログラムは、最下段に記載のとおりだが、3人とも声量のある歌手という共通点がある。また、「女心の歌」と「誰も寝てはならぬ」は別として、比較的長大なアリアや重唱が多かった点も、とても楽しめた大きな要因だったと思う。
私は3人とも、これまで何度も聴かせていただいているが、ハオさんはオペラでの名唱の記憶はたくさんあるものの、こうしたコンサートではあまり聴いていないという点で、今回は特に、ジョンハオさんが楽しみだった。
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前半でのハオさんは、「バス バリトン」の「バス」寄りの重厚感が魅力的だったし、後半では、「バリトン」寄りの色気のあるトーンがステキだった。
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小川さんは、「蝶々夫人」の二重唱も素晴らしかったが、とりわけ、プログラム最後の「ファウスト」からの三重唱では、小川さんの声量は、男声2人(合せて)の声量を凌駕していたほど圧巻の声量だった。
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樋口さんも、いつもながら魅力的で、開演冒頭の「妙なる調和」から、聴衆の心を魅了した。
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現代エレクトーンの機能の凄さと、清水さんの演奏の素晴らしさについては、これまで何度も書いてきたので、詳細は控えるが、オーケストラに負けないダイナミズム、迫力だけでなく、例えば、「誰も寝てはならぬ」の後半に奏される女声合唱の部分でも、本当に女声合唱のようなトーンで彩るなど、楽器の機能の見事さと、演奏の充実、素晴らしさを今回も堪能させていただいたし、当然、それにより3人の歌手を支え、公演の成功に大きく貢献されたのだった。
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プログラム
1.プッチーニ:歌劇「トスカ」より
「妙なる調和」~樋口さん
2.ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」より
「そのように喜ぶのをやめてください~私がルチア様を」
~ハオさん
3.ヴェルディ:歌劇「イル・トロヴァトーレ」より
「穏やかな夜~この恋を語るすべもなく」~小川さん
4.ヴェルディ:歌劇「リゴレット」より「女心の歌」~樋口さん
5.ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」より
「ひとり寂しく眠ろう」~ハオさん
6.プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より「愛の二重唱」
~小川さん&樋口さん
(休憩)
7.プッチーニ:歌劇「トゥーランドットより
「誰も寝てはならぬ」~樋口さん
8.レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」より
二重唱「ネッダ!シルヴィオ!こんな時間に」
~小川さん&ハオさん
9.清水さんのソロで、
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
10.グノー:歌劇「ファウスト」より
「宝石の歌」~小川さん
11.グノー:歌劇「ファウスト」より
「眠ったふりをせずに」~ハオさん
12.グノー:歌劇「ファウスト」より
三重唱「逃げろ、逃げろ!」
アンコール
1.カールマーン:喜歌劇「チャールダーシュの女王」より
「ハイヤ、山こそ我が故郷」~小川さん
2.ビゼー:歌劇「カルメン」より
ホセとエスカミーリョの二重唱~樋口さん&ハオさん
3.ヴェルディ:歌劇「椿姫」より乾杯の歌~3人
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