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2022年11月23日 (水)

「リゴレット」~主役3人の充実~飛行船シアター

パイプオルガン付きの気品ある「石橋メモリアルホール」から、平凡なミニシアターという残念な変貌を遂げた「飛行船シアター」だが、11月23日午後の公演「リゴレット」は、主役の3人が素晴らしく、充実の内容だった。

もちろん、オケではなくピアノ、男優による日本語の語りによる進行付き、合唱なしの短縮版ではあるが、全3幕の主だった場面がしっかり歌われ、演じられた。

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マントヴァ公爵役の宮里直樹さんは、先日の「ルチア」でも書いたが、声量豊かな美声と健康的な色気があり、この役では~ご本人は真面目な性格なのだろうけれど~「チャラ男」の役柄も十分に出していて、魅力的だった。ドン・ジョバンニ的な凄みのある不実さというより、パパゲーノが女たらしになったような「軽さと不実さ」を巧みに表出していた。

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リゴレット役の小林啓倫さんは、久しぶりに聴かせていただいたと思う。日本音楽コンクール第1位も含めて、進化と活躍が著しいことは知っていたが、この日のリゴレット役は、正に重厚な歌声に加え、ジルダの父としての哀しみ、寂しさ、悔しさ等々が滲み出た素晴らしい存在感を示された。圧巻と言えるほどの素晴らしいリゴレットだった。

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ジルダ役の宮地江奈さんも、進化と成熟度を感じさせる素晴らしい歌声と名唱の連続で感服した。「箱入り娘」的な無垢さと可憐さ、場面に応じたトーンの変化と演技の巧みさ。初々しさのある素晴らしいジルダだったし、今後、益々の活躍が強く感じられる、秀逸にして自信に満ちた堂々たる歌唱と演技だった。

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小林啓倫さんのリゴレット、宮里直樹さんのマントヴァ公爵、宮地江奈さんのジルダ、と、主役(級)の3人全てが素晴らしい公演だった。

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スパラフチーレ役の松中哲平さん、マッダレーナおよびジョヴァンナ役の藤井麻美さんも、充実の歌唱と演技だった。

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ピアノの篠宮久徳さんは、ソフトで美しい音に加え、どの場面でも曲想に応じたニュアンス豊かな演奏が素晴らしく、本公演の成功に大きく貢献された。

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狭い舞台(に変わってしまった)において、映像的な工夫がなされ、「270度プロジェクションマッピング」という装置による効果は、確かに面白さもあり、特に、ジルダの有名なアリア「愛おしいお名前(Caro nome)」では、ピンクを主体とした花びらが舞うような印象的な映像効果(演出)だった。

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キャスト

マントヴァ公爵:宮里直樹

リゴレット:小林啓倫

ジルダ:宮地江奈

スパラフチーレ:松中哲平

マッダレーナおよびジョヴァンナ:藤井麻美

モンテローネおよびマルッロ:倍田大生

語り:牧田哲也

助演:吉田静香、白石 渉、松本明香

ピアノ:篠宮久徳

演出:奥田啓吾

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