佐渡裕+さだまさし+新日本フィル
佐渡裕さん+さだまさしさん+新日本フィル
すみだトリフォニーホール開館25周年記念演奏会
「佐渡裕×さだまさし×新日本フィル×すみだの第九」と題された、すみだトリフォニーホールの開館25周年を祝うコンサートを10月30日午後、同ホールで拝聴した。これは、新日本フィルハーモニー交響楽団の創立50周年と併せての公演とも言える。また、タイトルの中の「すみだの第九」は、1985年から墨田区で開催されてきた「五千人の第九」も掛けていることが判る。
なお、佐渡さんは、来年4月、新日本フィルの第5代音楽監督就任が決まっている。
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第1部は「さだまさしmeets新日本フィル スペシャルステージ」と題しての、さださんと佐渡さんによるトークと演奏。
昔から、さだまさしさんの歌は大好きだったし、CDも複数持っているが、ライヴを聴くのは、この日が初めてだったので、嬉しかった。
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さださんの愉快トーク例を2つ紹介すると、
「オーボエが偉そうにチューニングを開始するので、(昔は)オーボエ(の奏者)が一番偉いのかと思っていたら、オーボエは音程的に一番不安定で、合わせ難いから、その楽器に合わせようとするようになったのだと(新日本フィル創設者の一人)山本直純さんから教えてもらいました。皆さん、よ~く、オーボエといてください」(会場、爆笑)。
「東日本大震災のとき、佐渡さんから直ぐ電話が来て、音楽家は無力だ、と、泣くんですよ、この巨体が(笑)。なんで僕の所に直ぐ電話してきたのか、よほど友達がいないんだな、と」(笑)。
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1.「北の国から」
まず、オケだけでの演奏。途中からさださんが登場して歌。
2.「いのちの理由」。名曲ですね。素晴らしい歌。
3.「案山子(かかし)」。これも良い歌。
佐渡さんがフルートソロで少し吹いたと思ったら、なんと、ソロで歌い出した。続いて、さださんが引き取り、その後、ハモッたりしながら、楽しい「合わせ」の演奏が終わった。
4.最後は名曲「風に立つライオン」。素晴らしい名曲。2013年の演奏映像を添付します。
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5.ラヴェル:「ボレロ」
さださんのコーナーが終わり、前半最後は「ボレロ」で終わった。
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休憩後の第2部はベートーヴェンの第九より第4楽章
ソプラノは、私が強く応援している歌手の一人である高野百合絵さん。
メゾも、昔からよく存じ上げている清水華澄さん。
テノールは、美しく声量ある大好きな西村 悟さん。
バリトンは、高野さん同様、新進気鋭、売り出し中の黒田祐貴さん。
合唱は、この公演のために、墨田区在住・在勤・在学者からオーディションで選ばれたソプラノ13名、アルト19名、テノール14名、バス11名(計57名)の「すみだトリフォニーホール開館25周年記念合唱団」と、ご存じ栗友会合唱団、そしてすみだ少年少女合唱団も加わった。
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昨今なぜか流行りのベーレンライター版ではなく、ブライトコプフ版での演奏で良かった。判る人は、2か所、聴いた(確認する)だけで、2つの版の違いは判りますね。
それと、昔から論争のある、テノールソロの直前、330小節の、ティンパニのディミヌエンドは、ディミヌエンドさせず、「ff」のままにした。賛成です。支持します。
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バリトンの黒田祐貴さん。
黒田さんの第九は初めて聴くので、どんな感じだろうと興味津々。
良かった。少しインテリっぽさがあったが、格調高いレスタティーヴォ。声も、だんだん、お父様の博さんに似て来た感じがする。
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テノールの西村 悟さん。
美しい声と声量豊かなテナー。「alla Marcia」のソロは、彼の美声を存分に生かすなら、もうほんの少しだけ、ゆったりしたテンポにしたようが良かったと思う。「テンポに遅れまい」の気持ちが感じられてしまい、それは感じさせない歌唱のほうが良いからだ。
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ソプラノの高野百合絵さん。
高野さんの第九も初めて聴くので、楽しみだった。
前半も良かったが、特に、後半の2分の2拍子、「Allegro ma non tanto」からの歌唱がステキだった。
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メゾの清水華澄さん。
いつもながら、余裕の見事さ。
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合唱も良かった。いつも私がチェックポイントの一つとしている、631~632小節の「Ihr stürzt nieder」の「stürzt」の子音も明瞭だった。
児童コーラスを入れるのの大賛成。特別、際立つわけではないが、ソプラノの合唱のトーンをソフトにする効果が有るように思える。
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アンコール
まず、3回目くらいのカーテンコールの流れのまま、ソリスト4人による「椿姫」より「乾杯の歌」。
続いて、佐渡さんの挨拶の後、さださんが再び登場して、「主人公」という歌。
最後に、全員で瀧 廉太郎「花」。まず、さださんが最初のフレーズを歌った後、4人のソリストがマイクを手に、乾杯の歌」同様、男声2名と女声2名が交互に歌い、さださんも再度入り、合唱も入って、全員による歌唱で終わった。
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プログラムと出演者一覧
第1部:さだまさしmeets新日本フィル スペシャルステージ
佐渡裕[指揮]新日本フィルハーモニー交響楽団
さだまさし[スペシャルゲスト:歌]
1.北の国から
2.いのちの理由
3.案山子(かかし)
4.風に立つライオン
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5.ラヴェル:「ボレロ」
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第2部:ベートーヴェン:交響曲第9番より第4楽章
高野百合絵(ソプラノ)、清水華澄(メゾ・ソプラノ)
西村 悟(テノール)、黒田祐貴(バリトン)
すみだトリフォニーホール開館25周年記念合唱団
栗友会合唱団、すみだ少年少女合唱団
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アンコール
1.ソリスト4人による「椿姫」より「乾杯の歌」
2.さだまさし「主人公」
3.全員で瀧 廉太郎「花」
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