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2022年8月 7日 (日)

斎藤雅広さんメモリアル・コンサート 真嶋雄大プロデュース~美女と野獣のトーク&コンサート

斎藤雅広さんの一周忌前日に所縁のピアニストが結集

小川典子さん、三舩優子さん、松本和将さん、須藤千晴さん、若林顕さん、鈴木理恵子さん(Vn.)。

8月7日午後、銀座ヤマハ6Fのコンサートサロンで開催された、ベーゼンドルファー・ジャパン主催で、評論家の真嶋雄大さんがプロデュースし、MCを務める「美女と野獣のトーク&コンサート」に出演された演奏者の皆さんだ。

コロナ禍以降、中止を余儀なくされ、やっとの復活第1回のこの日は、

「斎藤雅広メモリアル・コンサート」と題され、昨年の8月8日に62歳で亡くなられた斎藤雅広さんの一周忌を前に、生前、斎藤さんに所縁(ゆかり)の演奏者が結集して行われた。

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本来は毎回、一人の奏者、あるいはデュオ等に限定され、トークと演奏を楽しむコンサートで、2年前、斎藤さんも出演する予定だった回が、コロナ禍が始まったことから延期(中止)。それが続く中での、昨年の突然の、斎藤さんの逝去となった。

この日は、演奏者が、真嶋さんから質問を受ける形で、斎藤さんとの思い出を語ってから、それぞれ演奏に入られた。その逸話も少し後述するが、まず、演奏曲を記載すると、

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1.須藤千晴

1.シューマン=リスト:「献呈」

2.ガーシュウィン:「ベス、お前は俺のもの」(編曲:須藤千晴)

3.ドビュッシー:「喜びの島」

2.松本和将

1.ラヴェル:「夜のガスパール」より「オンディーヌ」

2.ブラームス:間奏曲 Op.118-2

3.鈴木理恵子(Violin)、若林顕

1.パラディス:「シチリナーナ」

2.モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調K.377より第2楽章

3.シューベルト:「アヴェ・マリア」

 (休憩)

4.三船優子

1.スティーヴィー・ワンダー(編曲:斎藤雅広):

 「You are the Sunshine of my life」

~ドラムズ=堀越彰、連弾=平田奈夏子

2.リスト:「ペトラルカのソネット第104番」

5.小川典子

ドビュッシー:「映像」第1集

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面白いことに、「楽屋の(広さ、数)の関係もあり、演奏者も後ろで控えていただきます」、としたことだ。

先日、ミューザ川崎で「春の祭典」を弾いた小川典子さんや、5月に長谷川陽子さんとデュオを演奏した松本和将さん、大好きな三船優子さんらが、直ぐ近くに座って、(他の奏者の)演奏を一緒に聴く、ということ自体、滅多にない、スリリングで、興奮ものだった。

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最初の須藤千晴さんは、今回のゲストの中では一番の若手。

斎藤さんとは、真嶋さんからの紹介で、三大ピアノコンサートに出させていただくことになり、その最初の打ち合わせが、ジャンキーなアメリカンハンバーガー店だったことを披露。後から、真嶋さんは、「思い出したけど、実は斎藤さんから、須藤さんを紹介して欲しい」と依頼されたんです、と「思い出し披露」をされた。

演奏は、特に2曲目、ガーシュウィンの「ベス、お前は俺のもの」は、須藤さんが斎藤さんと何度も一緒に弾いた思い出の曲、とのことだったし、「ガーシュウィンと言えば三船さん」が客席で聴く中での、須藤さんによる編曲と演奏は素晴らしかった。

CDやユーチューブでは、ポップスのアレンジをたくさん弾いているが、クラシック畑で来た人であることは言うまでもなく、ドビュッシーの「喜びの島」も、伽藍のようは波動を感じさせるダイナミクスが素晴らしかった。

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次の松本和将さんも、4人で一緒にコンサートした折の、斎藤さんの音量の凄さや、一緒に食事をした際、そこの店の料理の味が気にいらないと、不機嫌だったことを披露し、「グルメな斎藤さん」の逸話を披露。真嶋さんもそれを受けて、「いつだったか、気に入らない店で、店員に味について文句を言っていた」逸話も披露された。

松本さんがこの日、1曲目にラヴェルを選んだのは、自分がラヴェルを演奏しているユーチューブ映像を斎藤さんが見、聴いて、褒めてくれたことがあったから、と披露された。

そのラヴェルの「オンディーヌ」は流麗で素敵だった。

面白かったのは、次のブラームスの間奏曲で、最初の1小節を聴いた瞬間、「あ、田部さんの音色と全く違う」と判ったことだ。当然と言えばそうだし、どちらがどう、と言うのでなく、お2人ともステキなのだが、この日の松本さんの「間奏曲」は、全体的に温かく、まろやかさがあったことが印象的だった。

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ヴァイオリンの鈴木理恵子さんと、ピアノの若林顕さんご夫妻によるデュオ。

鈴木さんが主に逸話を披露。パリで、たまたま3人一緒に、いろいろな場所を巡ったことや、海外の幾つかの音楽祭でご一緒された話をされ、「今も、ここにいらっしゃるような気がして(亡くなったことが)信じられない」と語られた。

パラディスの「シチリナーナ」は、初めて聴いたが、素敵な曲。モーツァルトも愛らしく、エレガントで魅力的な演奏だったし、シューベルトの「アヴェ・マリア」は、追悼演奏と言えるような入魂の美しい演奏だった。

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休憩後の後半はまず、三船優子さんが、よく共演するドラムの堀越彰さん、香川県やフランスでのレッスンで、斎藤さんの教えを受けたという平田奈夏子さんと登壇。

三船さんは、「斎藤さんとは2005年に初めてご一緒し、それ以降、相談相手にもなってくださり、精神的にもサポートしていただいた」と感謝を述べた。平田さんは、「フランスでは、ワインやエルメスなどを爆買いしていた」と披露され、会場を笑わせた。

三船さんが特に思い出深いという「You are the Sunshine of my life」。

ソロでは、得意のリストを見事に弾かれた。

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ラストは、小川典子さん。

「交流は私が一番古く、斎藤さんがセレブになる前から知っています」とし、チャイコフスキー国際コンクールを日本人4人で受けた際の2人が小川さんと斎藤さんで、4人で行ったモスクワのレストランの食事のヒドさと、それでも、斎藤さんが3人に「しっかり食べておかないとダメだぞ」と励ましてくれたことなど、色々な逸話を語られた。

そして、小川さんの得意とするドビュッシーの入魂の演奏により、この「斎藤さんへの愛と感謝」に満ち溢れた、素敵なコンサートが終了した。小川さんのドビュッシーは久々に拝聴したが、実に素晴らしい。

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なお、休憩時間の終わりころ、偶然、私は小川さんと少しお話する時間を得たので、先日の「春の祭典」のことを話題にさせていただいた。小川さんとは過去、3回くらいお話ししたことがあるし、サインも何度もいただいているので、私が、「小川さん」とお声がけした瞬間、「あっ」という感じで、直ぐに判っていただけたのも嬉しかった。

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