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2022年3月14日 (月)

クァルテット・エクセルシオ~ショスタコーヴィチ

クァルテット・エクセルシオ(以下「エク」)による「ショスタコーヴィチ プロジェクト」のVol.2として、弦楽四重奏曲第4番から第6番までの3曲を、3月14日夜、鶴見区民文化センター サルビアホールで聴いた。

これまで、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は、ほとんど聴いてこなかったが、ちょうど、昨今の状況下、交響曲第13番「バビ・ヤール」を集中して聴いている時期でもあり、ショスタコーヴィチに対する関心はこれまで以上に高く、また、私は、「エクフレンズ」という「エク」のサポート会員でもあり、「エク」が演奏するなら良いキッカケだ、ということで、楽しみにでかけた。

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1.弦楽四重奏曲 第4番 ニ長調 Op.83

1949年の作品。4楽章制の曲で、冒頭から、ロマン派の音楽かと思うくらい、明るく爽やかに開始され、この基調は全楽章を貫いていた。

もちろん、ショスタコーヴィチ独特の「色」やリズム等は多々出てくるが、近現代的な要素よりも、いわゆる国民楽派的な土俗性を感じさせる音楽で、特にそれは第4楽章に顕著だった。

いずれにしても、ショスタコーヴィチにしては、とても聴き易い曲。

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2.弦楽四重奏曲 第5番 変ロ長調 Op.92

この日、一番の聴き物だった。1959年の作品。3楽章制だが、この曲が一番長かった気がするし、内容的にも充実していた。

第1楽章は、ユーモラスというより独特のアイロニカルなテーマがあり、そこから発展して行く展開が見事だったし、第2楽章と第3楽章において、様々な要素や、近現代的響を織り交ぜながら、技術の粋をかけて練り上げていく作曲技法が素晴らしく、あらためて「天才だ」と思った次第。

「エク」の高度な演奏技術も見事に示された。「凄い曲の充実した演奏」だった。

第1ヴァイオリンの西野ゆかさん の、G線での充実したトーンも素晴らしかった。

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休憩後

3.弦楽四重奏曲 第6番 ト長調 Op.101

1956年の作品で、4番にも増して明朗で、4つの楽章の全てが、まるでロマン派の音楽であるかのようだった。演奏時間も、3曲中、一番短かったと思う。

再婚直後に書かれた作品だそうだが、「再婚ボケかも」と皮肉を言いたくなる位、「幸せ」な感じで、それはそれで結構だし、「最もショスタコーヴィチっぽくない作品」、という意味では面白かったけれども。

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「エク」の古典派やロマン派作品の演奏もステキだが、「エク」が如何に優れた弦楽四重奏団であるかを示すには、もしかしたら、こうした近現代の作品こそが相応しいのかもしれない。

いずれにしても、今後の「エク」による第7番以降、15番までのコンサートがますます楽しみになった。

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