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2021年12月10日 (金)

TRAGIC TRILOGY「椿姫」

Hakuju HallにおけるにTRAGIC TRILOGY(トラジック・トリロジー)と題された第1回目の公演を、12月10日夜、同ホールで楽しんだ。
今回の演目は、ヴェルディの「椿姫」。少人数によるオペラの上演だが、オペラの台本になる以前の原作にあるセリフを、日本語で挿入したり、展開の再構成などを含めて、田尾下 哲さんが演出。
出演者は、ヴィオレッタ役の青木エマさん、アルフレード役の城 宏憲さん、ジェルモン役の大西宇宙さん、音楽面の再構成とピアノ演奏を務めた園田隆一郎さんの4人のみ。
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ジェルモン役の大西宇宙(たかおき)さんの声量が凄い。
世界のどのオペラハウスでも通用するレベルだろうな、と勝手に想像した。このホールでは、多くの歌手の皆さんを聴かせていただいているが、「彼(彼女)にとっては、このホールは狭すぎる」、と感じたのは、大西さんが初めてかもしれない。
「プロヴァンスの海と陸」が終わった直後、この日最大にして最長の拍手が起きたことは言うまでもない。全幕、圧巻の迫力だった。
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ヴィオレッタ役の青木エマさんを、ここまでじっくり聴かせていただき、堪能させていただいたのは初めて。
歌声自体に、美人薄命を感じさせる哀感があり、同時に少女のような質感もあり、声量も十分。
美人で長身のエマさんを見て、聴いていると、娼婦(役)というより、男性と話したこともあまりないような、清楚な両家のお嬢さんが、「プラトニック・ラブ」に落ちてしまい、初めての激しい恋心を抱くピュアな女性、と思えてしまうので、役柄とのギャップが面白かった。
いや、ギャップと言ってしまったが、ヴィオレッタは、アルフレードに対しては、正に「プラトニック・ラブ」なのだから、青木エマさんだからこそ表現し得たヴィオレッタの、初々しくも内なる熱き激しい思いのこもった歌唱であった、と言えるかもしれない。
3幕を通じて圧巻の歌唱で素晴らしかった。
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アルフレード役の城 宏憲さんも、声量豊かにして「若々しい、イケメンの声」を披露されて素晴らしかった。特にデュオ曲の「パリを離れて」は見事。声量を含めて、なかなか聴けないテナーの歌声だった。
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田尾下さんの演出は、狭い空間を効果的に使い、3人の演技も、結構激しい動作、仕草を盛り込んでの「熱い」内容だった。
来年12月は、全く同じメンバーでの、プッチーニの「トスカ」とのことなので、今から楽しみだ。
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キャスト
演出、脚本:田尾下哲
音楽監督、ピアノ:園田隆一郎
青木エマ(ヴィオレッタ・ヴァレリー : ソプラノ)
城宏憲(アルフレード・ジェルモン : テノール)
大西宇宙(ジョルジュ・ジェルモン : バリトン)

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