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2021年12月25日 (土)

オーケストラと歌で綴るヴィクトル・ユゴーの劇世界~神奈川フィル特別演奏会

「レ・ミゼラブル」を基としたユニークなコンサート

「オーケストラと歌で綴るヴィクトル・ユゴーの劇世界」

神奈川フィルハーモニー管弦楽団によるユニークな特別公演を12月25日夜、川崎の「カレッツかわさき」ホールで聴き、大いに楽しんだ。最高のクリスマス・プレゼントだった。

常任指揮者の川瀬賢太郎さん指揮、「オーケストラと歌で綴るヴィクトル・ユゴーの劇世界」と題されたコンサートは、演奏会形式によるミュージカルと言えるが、ユニークなのは、物語(台本)は「レ・ミゼラブル」の内容で展開するも、演奏された曲が「レミレ」以外の、オペラ等、様々な曲の混合、転用という点にある。

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演奏曲は下段に記載のとおりだが、オペラ歌手によるミュージカルであっても、アリアは別として、ミュージカル・ナンバーにおいては、決してオペラティックな歌唱には敢えて誰もせず、ミュージカルのスタイル、アプローチ、テイスト等を尊重し、立脚しての歌唱であり、もちろん、優れたオペラ歌手としての力量全開でもある見事な歌唱の連続による、休憩無しの充実した約85分間のコンサートだった。

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バリトン歌手で、語り手としても活躍著しい大山大輔さんによる素晴らしいジャン・バルジャンの独白による進行が、終始ドラマに求心力を与えて牽引し、見事だった。もちろん、歌唱も素晴らしかった。

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青木エマさんは、お人形かお姫様のような気品と清廉さのあるステージ姿と歌が素晴らしく、ただただ見とれてしまった。

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高野百合絵さんは、メゾとしてデビューされ、日本コロムビアが11月1日付けで、「ソプラノ」へ声種表記の変更をした旨を公表したが、それが示すように、同じソプラノでも、厚みのある情感深く、妖艶さのある美声。

有名な曲で、私も大好きな「On my own」は、正に「泣き」の曲と歌唱で素晴らしく、私だけでなく、多くの聴衆が涙腺を熱くしたと想像する。「Never Enough」の感情移入も素晴らしかった。

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なお、プログラム最後のロイド・ウェバー「Pie Jesus」は、最初に青木さんが主旋律を歌い、次いで、高野さんが歌い、そして2人のデュオ~主旋律を青木さん、いわゆる「ハモリ」であるオブリガートを高野さん~も、とてもステキだった。

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坂下忠弘さんは、この日、唯一、初めて聴かせていただいた歌手だが、バリトンというより、温かでソフトな美声で、「魅力的なテナー」として紹介したいくらい、魅了された。

本当に魅力的な歌手。プロフィールによると「古楽から現代楽曲、さらにジャンルを超えた活動」、「尾崎亜美プロデュースによりメジャーデビュー」とあるし、私が加えるなら、「バリトンとかテノールとかの分類も不要な魅力ある歌手」とする。今後、益々の活躍が楽しみだ。

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洗足学園音楽大学ミュージカルコースのコーラスは、曲によっては、最前列の4人~男声3名、女声1名~が ソリススティックに歌い、特にテノールが準ソリスト的に活躍されていたのも印象的で、ナイスな設定と演出だった。

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アンコールとして、主に「One day more」と「I dreamed a dream」と組み合わせ、後者も、主旋律を高野さんが歌われたり、先述のコーラスのテナーソロが歌われたりと、持ち場を変化させ、大橋晃一さんによる編曲も、オブリガートの要素を重層に織り交ぜた見事なもので、各人がソリスティックなテイストを持ったままの大合唱による「I dreamed a dreamを主体とした歌」で終わった。

素晴らしいアレンジと合唱によるエンディング、フィナーレだった。

今後も、同様の企画公演を何度も開催して欲しい、と希望する。

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出演者

ジャン・バルジャン:大山大輔(バリトン)

コゼット:青木エマ(ソプラノ)

マリウス:坂下忠弘(バリトン)

エポニーヌ:高野百合絵(ソプラノ)

コーラス:洗足学園音楽大学ミュージカルコース

構成:田尾下 哲

編曲:大橋晃一

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演奏曲

フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」

ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」より "国を裏切る者" ~大山さん

グノー:歌劇「ファウスト」より"宝石の歌" ~青木さん

「レ・ミゼラブル」より "A heart full of love" ~青木さん&坂下さん

「レ・ミゼラブル」より "On my own" ~高野さん

「レ・ミゼラブルより "One day more" ~大山さん

ジキル&ハイドより "This is the moment" ~坂下さん

グレイテスト・ショーマンより "Never Enough" ~高野さん

ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」より "月に寄せる歌" ~青木さん

ライオンキングより "Can you feel the love tonight?" ~坂下さん

「ラ・マンチャの男」より "見果てぬ夢" ~大山さん

プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より "ハミングコーラス"

ロイド・ウェバー:レクイエムより "Pie Jesus" ~青木さん&高野さん

アンコール「レ・ミゼラブル」より "I dreamed a dream" ~全員

 

https://www.kanaphil.or.jp/concert/2036/?twclid=11462777692235845635

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