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2021年9月26日 (日)

「クール プリエール」の定演~大村博美さんが共演

合唱団の「Choeur Prière(クールプリエール)」の第37回定期演奏会を9月26日午後、上野学園 石橋メモリアルホールで拝聴した。指揮は1982年より常任指揮者を務めている黒岩英臣さん。私が所属する合唱団「鯨」の常任指揮者でもあるので、ここでも、黒岩先生と呼ばせていただきます。

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「クール プリエール」の昨年の定演は、当然の如く中止だったが、ようやくの演奏会であり、ソリストには、海外のオペラハウスで活躍されているソプラノの大村博美さんを迎えての公演、ということもあって、(一席空けではあるが)ほぼ満員の聴衆からは、開演前から期待感が伝わって来ていた。

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「クールプリエール」を私が拝聴するのは初めてで、プログラムによると、「1973年、東大柏葉会OBを中心に発足。1983年に黒岩英臣先生を常任指揮者に迎え、翌年、アンサンブル・ミニョン(女声)と合併、新生クールプリエールとして再スタートし、今日に至る」とあり、この40年間には、いろいろなコンクール等で上位入賞を果たすなど、評価の高い合唱団。

後述のとおり、透明なハーモニーが美しく、とても優秀な合唱団。

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団員数が少ないことも、練習会場の確保も含めて、演奏会に向けての準備で有利に働いたと想像できる。

この日、曲により若干の変動はあり、「ルネサンス宗教曲」では、女声(ソプラノとアルトの合計)11名、男声(テノールとバスの合計)10名。ブラームスでは、女声が10名と1名減だったと思うが、最後のプーランクでは、賛助も加わり、(それでも)女声12名、男声11名の、いわゆる「少数精鋭」と言える合唱団。

なお、面白かったのは、マスクをして歌われた人と、着けずに歌われた人が、男女それぞれ混在していたこと。ちなみに、黒岩先生とプーランクでのオケはマスク着用。

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素晴らしい合唱団

演奏曲は下段に記載のとおりだが、合唱団は、ルネサンス宗教曲集にしても、ブラームスの「マリアの歌」や、アンコール2曲目のブラームス「静かな夜に」にしても、「ソフトで、温かく、透明感ある見事なハーモニー」だった。統一感、均一感が素晴らしい。特に男声が見事だった。

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圧巻の大村博美さん

第三部での、大村博美さんのソロ1曲目は、フォーレの「蝶と花」。シャンソン風の、洒脱な、エスプリを感じさせる曲で、それを感じさせてくれる素敵な歌唱。

2曲目のフォーレの「レクイエム」からの「ピエ・イエズ」は、ヴィブラートの乗った、スケールの大きな、いわば、オペラのアリア調な歌唱だったので、この曲が持つ、一般的なピュアなイメージからは異色な歌唱と言えるが、それだけに、この曲の違った要素を提示されていた、とも言える。

ソロステージ最後は、プーランク「愛の小径」。「小径」と言うより、パリの凱旋門への大通りを連想させるような、スケール感ある歌唱で圧巻だった。

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演奏会最後のプーランクの「スターバト・マーテル」でも、大村さんのソロが入る、第6曲「愛しい御子が息絶えるのを見られ」、第10曲「キリストの死を私に負わせ」、第12曲「肉体が死ぬとき、魂に天国の栄光を」における大村さんのソロが圧巻で、声量の豊かさを含めて。ドラマティックで素晴らしかった。

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演奏曲

Ⅰ.ルネサンス宗教曲集

1.グレゴリオ聖歌:めでたし、元后あわれみの母

2.パレストリーナ:めでたし、元后あわれみの母

3.ヴィクトリア:アヴェ・マリア (4声)

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Ⅱ.ブラームス:マリアの歌 作品22 よりの抜粋

1.第1曲「天使の挨拶」

2.第4曲「狩人」

3.第5曲「マリアへの祈り」

4.第6曲「マグダラのマリア」

5.第7曲「マリアへの賛歌」

(休憩)

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Ⅲ.フランス歌曲集

ソプラノ:大村博美さん ピアノ:内藤 晃さん

1.フォーレ「蝶と花」

2.フォーレ「ピエ・イエズ」(レクイエムより)

3.プーランク「愛の小径」

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Ⅳ.プーランク:スターバト・マーテル(抜粋)

内藤晃さんによる編曲での室内楽伴奏版による演奏で、ヴァイオリン:加藤綾子、チェロ:山田健史、フルート:岡本元輝、クラリネット:竹内彬、ピアノ:内藤晃の各氏によるアンサンブル。

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アンコール

1.大村さんと合唱で、モーツァルト「主を褒め称えよ」

2.合唱団で、ブラームス「静かな夜に」

 

http://www.choeurpriere.com/

http://www.choeurpriere.com/concert/2021priere_program_pre.pdf

2021年9月25日 (土)

吉江忠男さん&岡田 愛さん~ジョイントリサイタル

長野県ご出身者同士で、師弟関係のバリトン 吉江忠男さんと、ソプラノの岡田 愛さんによる「ジョイントリサイタル」を、9月25日午後、長野市のホクト文化ホール(小)で拝聴した。

今年で81歳を迎える大ベテラン歌手の吉江さんと岡田さんとの出会いは~プログラム寄稿文によると~岡田さんが4歳のときで、吉江さんが指導する合唱団「カンタータコア」の練習に、岡田さんのご両親が愛さんを連れて出向いたときだった。

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愛さんが小学6年のときは、同合唱団の「マタイ受難曲」公演で、児童合唱の一員として、「カンタータコア」デビューをし、その後、長野高校生のとき、東京藝大を目指すべく、吉江さんに正式に師事された。

そういう、お二人だから、初のジョイントリサイタルは待望の、特別なもので、吉江さんは、「20年以上、成長を見続けてきた、孫の様な 愛さんとの共演は、夢のようだ!!!」、と書かれている。

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今回のピアノは、長野県在住の山中和子さんで、愛さんが藝大2年のときに出会い、以来、何度か共演を重ねている。

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愛さんは、今回の、お二人との共演について、こう書かれている。

「吉江先生との出会いは、私の音楽人生の始まりです。そして、和子先生との出会いによって、私の音楽の世界は大きく広がりました。本日、このようにジョイントリサイタルを行わせていただけることは、特別 嬉しく、感慨深いです。私の育った大好きな故郷・長野で歌えることも、大きな喜びです」。

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曲目は下段に記載のとおり、盛りだくさんの、バラエティーに富んだ内容だが、いずれの曲も、こうした特別の師弟関係ならではの、温かな雰囲気に包まれたものであったことは言うまでもない。

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第一部では、岡田さんの日本歌曲における、日本語歌唱がとても美しく、私は、「クラシックを学ばれた日本人歌手にとって、が一番難しいのは日本歌曲」と思っているが、そんなことを全く感じさせない、自然体にして、無垢で美しい歌唱で、深く感じ入った。

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吉江さんによるドイツリートは、若くしてフランクフルト市立歌劇場の専属歌手になられただけある、流石の歌唱で、「菩提樹」も「春の夢」もロマンティックで素敵だったが、驚きは「魔王」で、81歳で「魔王」を歌えること自体凄いが、内容も実に見事で、客席を大きく沸かせたのだった。

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第二部前半は、吉江さんのライフワークであるバッハ。私も最近、「マタイ受難曲」を集中して、9種のCDを聴いてきただけに、とても嬉しい選曲だった。

最後の、モーツァルトのオペラからのデュオは、年齢差を越えて、微笑ましい「愛のデュオ」で素晴らしく、ステキだった。

演奏者当人だけでなく、来場した全ての人が、「なんか幸せ」と感じて帰宅する、そうしたコンサートに心から感謝したい。

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演奏曲

第一部

~日本歌曲~

1.かやの木山の(北原白秋・山田耕筰)~岡田さん

2.鐘が鳴ります(北原白秋・山田耕筰)~岡田さん

3.砂山(北原白秋・山田耕筰)~吉江さん

4.初恋(石川啄木・越谷達之助)~吉江さん

5.赤とんぼ(三木露風・山田耕筰)~デュオ

~ドイツリート~

6.シューベルト「冬の旅」より「菩提樹」~吉江さん

7. 同 「春の夢」~吉江さん

8.シューベルト「魔王」~吉江さん

9.シューマン「ミルテの花」より「くるみの木」~岡田さん

10. 同 「はすの花」~岡田さん

(休憩)

第二部

~宗教曲~

12.バッハ「マニフィカト」より

 「私の霊は、救い主である神を喜びたたえる」~岡田さん

13.同「主は身分の低いはしために目を留めてくださった」~岡田さん

14.バッハ~カンタータ第140番より

  「いつ来ていただけるのですか、私の救いよ」~デュオ

15.同「私の友は、私のもの」~デュオ

16.バッハ「マタイ受難曲」より「我が心よ、清くあれ」~吉江さん

~オペラ~

17.モーツァルト「フィガロの結婚」より

  「ひどいぞ、どうして今まで」~デュオ

18.同「とうとう嬉しい時が来た~恋人よ ここへ」~岡田さん

19.モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」より「お手をどうぞ」~デュオ

アンコール

1.アヴェ・ヴェルム・コルプス~デュオ

2.故郷~デュオ

2021年9月19日 (日)

高野百合絵さん&黒田祐貴さん~デュオ・リサイタル

若手期待のメゾソプラノの高野百合絵さんと、バリトンの黒田祐貴さんによる、デュオ・リサイタルを、9月19日午後、王子ホールで聴いた。(黒田さんの名前の漢字については、後段の注記のとおり)

(ツーショット写真は、2019年10月、横浜にてのものです)

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2人は、今年7月に兵庫県立芸術文化センターで開催された、佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2021『メリー・ウィドウ』で、高野さん=ハンナ・グラヴァリ、黒田さん=ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵、と、主役を務めた。黒田さんはオペラ自体、初出演だったとのことだし、高野さんも、あれほどの大舞台での主役は初めて(に近く)だっただろう。

私は初日の公演を鑑賞し、フェイスブックとブログに、副題として、「楽しくなければオペラではない、を地で行く関西パワーの凄さ」として記載した。

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そのお二人が、日本コロンビアから若手紹介をコンセプトとし、その演奏家の「作品1」という意味の「オーパス・ワン」というレーベルでリリースされたCD発売記念も含めて、また、私のように、「メリー・ウィドウ」を楽しませていただいた者からすると、あのときの感動を、あらためて思い起こさせてくれる、ステキなデュオ・リサイタルを開いていただいた、と強く感じる。

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なお、高野さんのCDは昨年1月にリリースされ、スペインの作曲家の曲を中心とした、ユニークな選曲の魅力的なアルバム。

黒田さんのCDは今年2月のリリースで、ドイツの作曲家の作品を主としている。

この日も、2人とも、そのアルバムの中から数曲選んで歌われた。

ピアノは石野真穂さんだが、第2部は連弾のかたちのため、中西 亮さんが加わった。

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(注)黒田さんの下のお名前の漢字は、正式には「祐貴」さんで、プログラムには当然そう記載されているが、日本コロムビアほか、一般的には「祐貴」さんという記載がほとんどのようだ。

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前半の演奏曲を、歌唱の印象、あるいは曲自体の印象を少しずつ記載する。

1曲目は、高野さんによる、チャピ作曲の「囚われ人の歌」。アレグロのパッションを感じさせる曲と歌唱。

続いて、黒田さんが2曲。R.シュトラウスの「ひそやかな誘い」は明るい歌声が印象的。「君を愛す」では力強さがあった。

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次に、高野さんが続けて5曲を、下記記載の曲のキャラを見事に表現していた。すなわち、

オブラドス作曲の「スペイン歌曲」より「エル・ビト」は、ピアノの伴奏が、シューベルトの「魔王」を連想させて情熱的。同じく「スペイン歌曲」から「二つの民謡」(お前の一番細い髪の毛で)は、ピアノ伴奏がアルペジオによるエレガントさを象徴する曲。

モンサルバーチェ作曲の「5つの黒い歌」より「黒人の坊やの子守唄」は、「子守歌」にしては妖艶な曲で、それは、高野さんの個性の表出でもあったと言える。同じ曲集からの「黒い歌」は勢いのある曲。

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次は、黒田さんが3曲。

ブラームスの「ことづて」の品の良さ。「私の歌」は叙情的で、しっとり感のある魅力的な曲と歌唱。

ヴォルフ「決別」は、性格テナーならぬ、性格バリトンと、威厳あるバリトンの2人のトーンを使い分けての歌唱が見事だった。

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前半、最後の2曲は、まず、高野さんが、ヴァイル作曲のミュージカル「ヴィーナスの接吻」より「私、どうしていいかわからないの」。正に、ミュージカル女優然とした歌唱とキャラの表現が素晴らしかった。

黒田さんは、コルンゴルトの歌劇「死の都」より「私の憧れ、私の空」を歌われたのだが、2日前に、偶然、それも、ここ同じホールで、与那城 敬さんによる歌唱を聴いたばかり。そういえば、2人に共通するのは、イケメンでスタイル抜群で、格調高い歌声ということだと、気が付いた次第。

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休憩後の後半は、バーンスタインの「アリアと舟歌」。

先述のとおり、ピアノ連弾によるミュージカル仕立で、舞台にイスを2つ置き、2人が交互に立って歌ったり、座ったままだったり、というかたちで進行した。

ピアノは、ジャズ的とも違い、また、無調とは言わないが、メロディアスというよりも、打楽器的な演奏により、断片的音句を多く織り交ぜた、リズム主体の曲想で、バーンスタインらしい、現代作品。

よって、2人の歌手にとっても、決して易しくない歌ということは解った。

ピアノの2人も、終わり近くには、弾きながら、声(小唄)も含めての参加もあり、という、ユニークな作品だった。

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マイクを手に2人が再登場し、アンコールの前に挨拶。

アンコールの最初の2曲は、それぞれのCDに収録された曲で、

黒田さんが、ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」より「私は町の何でも屋」

高野さんが、ビゼーの「カルメン」よる「ハバネラ」

再度、登場され、7月の「メリー・ウィドウ」に触れた後、2人で、レハール「メリー・ウィドウ」より「唇は語らずとも」を歌われた。

そして最後は、2人で、バーンスタイン「ウェストサイド物語」より「Somewhere」。

4曲とも素晴らしかったが、特に終わり2つの「唇は語らずとも」と「Somewhere」は、ジーンと胸が熱くなった。

この2曲自体、聴くたびに、いつもそうした感慨が沸くが、この2人には、この2曲が特にお似合いで、とても素敵だった。

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第1部

高野百合絵

1.R. チャピ:サルスエラ「セベデオの娘たち」より

「囚われ人の歌」~高野さん

2.R.シュトラウス「4つの歌曲より」「ひそやかな誘い」~黒田さん

3.R.シュトラウス「6つの歌曲」より「君を愛す」~黒田さん

4.F. オブラドス「スペイン歌曲」より

(1)「エル・ビト」~高野さん

(2)「二つの民謡」(お前の一番細い髪の毛で)~高野さん

5.X. モンサルバーチェ「5つの黒い歌」より

(1)「黒人の坊やの子守唄」~高野さん

(2)「黒い歌」~高野さん

6.ブラームス「5つの歌曲」より

  (1)ことづて~黒田さん

(2)私の歌~黒田さん

7.H. ヴォルフ「メーリケ歌曲集」より「決別」~黒田さん

8.K. ヴァイル ミュージカル「ヴィーナスの接吻」より

「私、どうしていいかわからないの」~高野さん

9.E.W. コルンゴルト 歌劇「死の都」より

「私の憧れ、私の空」~黒田さん

(休憩)

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第2部

高野さんと&黒田さんによる舞台仕様で

  1. バーンスタイン「アリアと舟歌」
  2. Prelude

II.Love Duet

III. Littele Smary

IV.The Love of My Life

  1. Greeting
  2. Oif Mayn Khas’ neh

VII. Mr. and Mrs. Webb Say Goodnight

VIII. Nachspiele

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アンコール

1.黒田さん:ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」より「私は町の何でも屋」

2.高野さん:ビゼー「カルメン」よる「ハバネラ」

3.2人で、レハール「メリー・ウィドウ」より「唇は語らずとも」

4.2人で、バーンスタイン「ウェストサイド物語」より「Somewhere」

 

https://columbia.jp/artist-info/kurodayuki/live/74946.html

 

CD

高野さん

https://columbia.jp/artist-info/takanoyurie/discography/COCQ-85480.html

https://columbia.jp/artist-info/takanoyurie/

黒田さん

https://columbia.jp/artist-info/kurodayuki/discography/COCQ-85519.html

https://columbia.jp/artist-info/kurodayuki/

 

2021年9月16日 (木)

いま、歌いたい歌~王子ホール~伊藤達人さんの歌声が凄い

9月16日(木)19時より、銀座の王子ホールで拝聴。

出演者は、ソプラノの小川里美さん、

バリトンの与那城 敬さん、

テノールの伊藤達人(たつんど)さん。

ピアノは巨瀬励起さん。

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小川里美さん、与那城 敬さんは何度も聴かせていただいているし、ピアノの巨瀬励起さんも含めて、個人的にも親しくさせていただいているが、この日、初めて聴いた伊藤達人さんが素晴らしかった。

ホールの奥まで伸びやかに広がる明瞭な声。既に活躍され始めているが、今後、益々活躍されること間違いない。

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プログラム

1.リスト「おお、愛せよ」(愛の夢)~小川さん

2.サン=サーンス「恍惚」~与那城さん

3.サン=サーンス「死の舞踏」~与那城さん

4.R・シュトラウス「ひそやかな誘い」~伊藤さん

5.巨瀬さんのピアノソロで「花の章」~マーラー交響曲第1番の初稿より

6.マーラー「私はこの世に忘れられ」~小川さん

7.古関裕而「長崎の鐘」~伊藤さん

8.團伊玖磨「わがうた」より「紫陽花」~小川さん

9.木下牧子「黒田三郎の詩による三つの歌」より

「ある日のある時」~与那城さん

10.伊藤康英「貝殻のうた」 詩~和合亮一 ~伊藤さん

(休憩)

1.グノー 歌劇「ファウスト」より

「この清らかな住まい」~伊藤さん

2.コルンゴルト 歌劇「死の都」より「わが憧れ」~与那城さん

3.ヴェルディ 歌劇「オテロ」より「もう夜も更けた」

~伊藤さん、小川さん

4.ヴェルディ 歌劇「ドン・カルロ」より

友情の二重唱~与那城さん、伊藤さん

5.プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」より第3幕

   「マルチェッロ、助けて」~「それじゃあ、分かれるんだね」

     ~与那城さん、小川さん、伊藤さん

アンコール3人で 武満 徹 「小さな空」

2021年9月11日 (土)

藤原歌劇団~ベッリーニ「清教徒」       光岡暁恵さん&山本康寛さん組

藤原歌劇団公演の、ヴィンチェンツォ・ベッリーニ作曲の歌劇「清教徒」を9月11日午後、新国立劇場で鑑賞した。主催者としては、日本オペラ振興会で、共催は新国立劇場と東京二期会。

10日から12日までのダブルキャスト公演で、前後の組の主役は佐藤美枝子さんだが、私のお目当てはズバリこの日の主役、光岡暁恵さんと山本康寛さんを聴くことにあった。

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テノールの山本康寛さんとは、2019年12月に紀尾井ホールで行われた、ソプラノの岡田昌子さんのリサイタル終了後の、打上げ会で偶然面識を得、翌2020年1月の新作オペラ「紅天女」を拝見拝聴し、「なんと素晴らしいテナーだろう」と驚嘆したのだった。

そして同年(昨年)11月には、山本さんのリサイタルをHakuju Hallで聴いたのだが、そのとき、賛助として出演されたのが、ソプラノの光岡暁恵さんだった。本当に素晴らしく、これまでお名前は存じていたが、この日以来、光岡さんの大ファンになった次第。なお、光岡さんは、今年6月、埼玉県の和光市民合唱団によるモーツァルト曲集の公演でも聴いている。

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このオペラには詳しくないが、ストーリーは割と単純だし、とにかく主役の2人の超絶技巧を含めた、たくさんのアリア等で楽しめるオペラ。

指揮は、柴田真郁(マイク)さんで、オケは東京フィルハーモニー交響楽団。

合唱は、藤原歌劇団合唱部、新国立劇場合唱団、二期会合唱団。第1幕から合唱が活躍するオペラでもある。

演出は、松本重孝さん。

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第1幕の序曲直後から、しばらくは合唱が活躍する。演出的に舞台裏(横奥)で開始し、ステージ登場後も、まず男声合唱が統一感ある声で素晴らしかったし、続く、女声も良かった。

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エルヴィーラ役の光岡暁恵さんは、可憐な声で、声量も十分。それに加えてのコロラトゥーラ技巧。ついでに言うと美人、ときている。

第1幕でのジョルジュとのデュオの場面や、その後の四重唱の場目等、歌われた場面の全てにおいて、高音のロングトーンも、コロラトゥーラ技巧の部分も全て完璧だった。

第2幕の美しく叙情的なシェーナと、それに続くカバレッタ「来て、愛しい人、空に月が浮かび」(狂乱の場)を歌い終わった直後は、20秒くらいの、この日一番の長い拍手が続いた。

第3幕も含めて、歌われた場面、全てが見事で、まるで、この作品は光岡さんのために存在するではないか?と思ったほど、見事で素晴らしかった。

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アルトゥーロ役の山本康寛さんは、澄んだハイトーンが魅力で、場面によっては、常に一定の高い音域で歌い続け、時折出てくる更に上の音域では、ファルセット(に似た声)を巧みに交えるなどして、高音域に挑むアプローチが素敵。

アルトゥーロの聴かせ所である第3幕で特に感じたことは、想像するに、山本さんは、極めて高い音域においても、保身的に巧くカヴァーしようとするのでななく、常にリスクをとって、ギリギリの部分まで挑み、勝負しているような気がした。そうしたスタンス自体をステージで感じることができ、常にチャレンジャーであるような人間的な魅力を感じた。

もちろん、そうした技巧的な面だけでなく、明るい美声自体がステキで、例えば、第3幕の第一声の「助かった」という短い一節だけでも、「なんて美しい声だろう」と感心したのだった。

個性的で、魅力的な若きテナーだと思う。

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アルトゥーロの恋敵、リッカルド役の井出壮志朗さんは、格調高い声で印象的だった。

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出番は少なかったが、久しぶりに聴かせていただいた、ヴァルトン卿役の安東玄人さんが素晴らしかった。

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ヴァルトン卿の弟=エルヴィーラの叔父、ジョルジョ役の小野寺光さんは安定していて、良かった。

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キャスト    10日、12日     11日

エルヴィーラ : 佐藤美枝子     光岡暁恵

アルトゥーロ : 澤﨑一了      山本康寛

ジョルジョ  : 伊藤貴之      小野寺光

リッカルド  : 岡 昭宏      井出壮志朗

ヴァルトン卿 : 東原貞彦      安東玄人

ブルーノ   : 曽我雄一      工藤翔陽

エンリケッタ : 古澤真紀子     丸尾有香

https://www.jof.or.jp/performance/nrml/2109_puritans.html

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