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2020年10月11日 (日)

都響+田部京子さん~ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番他

10月11日午後、東京芸術劇場で「都響スペシャル2020」と題されたコンサートを聴いた。きっかけは、ソリストとして田部京子さんが出演されたことに他ならない。
指揮は梅田俊明さんで、演奏曲は、ベートーヴェンの序曲「コリオラン」、同しくベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調とドヴォルザークの交響曲第7番ニ短調。
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まず、演奏以外のことを記すと、オケ、指揮者、ソリストともマスクなし。もはや当然のこと。
客席は1階前3列を空席、ステージ左右2階のバルコニー席も空席。他は左右1席空けでの限定席。
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東京都交響楽団の弦の人数をファースト・ヴァイオリンからチェロまでをプルト(1プルトは2人)で言うと、7-6-5-4で、コントラバスが6人だから、やっと普通の、普段の編成での演奏になったと言えるし、金管、木管の奏者の間隔(左右前後)も特別広く空けるということはなく、以前と同じ位の間隔での位置取り。
あとはもう、マーラーとか「春の祭典」などの大規模な作品をいつ演奏するか?という事が残された課題と言えるだろう。「やっとその段階まで来た」ということだ。
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さて、1曲目の「コリオラン」序曲は、冒頭に3回奏される全音符とその後の4分音符での和音の、それぞれにおいて、全音符と4分音符との(移行する)間に、一瞬「間」(溜)を置いたのは良かった。指揮者はそこまで細かく振っていないが、オケがちゃんとそう演奏した。もちろん、リハで約束済のことだろう。
後半でのホルン強奏が表れる部分ではいつも感動する。迫力満点で、さすがベートーヴェンと言うべき、ドラマティックなオーケストレーション。本当に素晴らしい曲で、大好き。「エグモント」よりも好きだ。
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田部京子さんは、今年に入り、ベートーヴェンのピアノ協奏曲を、6月に東京交響楽団および8月に山形交響楽団と3番、7月に新日本フィルハーモニー交響楽団と1番、9月に東京交響楽団と5番「皇帝」を弾いているので、この日の都響との4番で、2番を除く4曲を弾いたことになる。
この時期、係る状況下、予定されていた外人ピアニストの代演も含まれるにしても、他のピアニストが羨むほどの大活躍と言える。堅実な実力はもちろん、おそらく人柄やステージマナーを含めて、如何に多くのオーケストラや指揮者からの信頼が厚いかが、図らずも証明されたと言えるだろう。
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さてその4番の演奏は期待に違わぬ名演だった。第1楽章では艶やかな美しい音に加え、叙情的な曲想の場面と快活なパッセージとの弾き分けが素晴らしい。
そして、このホールは協奏曲に向いていると感じだ。すなわち、大ホールではあるが、ステージは大き過ぎず、音響の良さはミューザ川崎といい勝負と言えるくらいで、ピアノ協奏曲にはうってつけのホール、ソリストを抜群にフォローするホールと言えるかもしれない。そう強く感じだ。
第2楽章での田部さんは、遅すぎないテンポの中で、徹底して、しっとりとした湿りのあるタッチにほぼ終始して、瑞々しい抒情性を表出していた。弦のアンサンブルもとても良かった。
第3楽章の冒頭の主題を、拍に機械的に収めるにではなく、即興的に弾いたのが印象的だし、大賛成だ。リズミックな演奏に徹した、アクティブでアグレッシブな、生き生きとした素晴らしい第3楽章だった。
なお、この楽章では、チェロがソロで低音の持続やオブリガート的に奏する場面が2回あるのだが、録音だと、その「意味」がイマイチ解らないと思えても、ライブだと、ステージにおけるピアノとの音量的バランスが明白に判ることから、なぜ、ベートーヴェンがトゥッティではなく、ソロに指定したのかが理解できる。このことも、この日、あらためて明確に確認できて良かった。
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休憩後のドヴォルザークの7番。牧歌的な第2楽章とリズムの素晴らしい第3楽章が名曲だと思うし、第4楽章もよくできていると思う。
梅田さんは、暗譜で手慣れた感じで指揮をしていたので、「7番が好きなんだなあ」ということがよく解る指揮、演奏だった。オケもとても良かった。
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3449

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