« 2020年7月 | トップページ | 2020年9月 »

2020年8月31日 (月)

東日本大震災 復興支援 チャリティコンサート ~クラシック・エイドVol.10~

8月31日午後、東京オペラシティで標記のコンサートを聴いた。本来は今年3月7日開催予定だったチャリティコンサートの延期公演。その変更(延期)により、舘野 泉さんと小林沙羅さんが出られなくなるなど、出演者の演奏曲も含めて幾つかの変更が生じた。
このコンサートは、毎年のように現在の上皇陛下、上皇后陛下~当時は天皇陛下、皇后陛下~がご臨席されているし、福島県の高校生などとの交流コーナーがあったりするのだが、今回はさすがにいずれもなしで、客席も当然、1席空けなどの減数対応がとられた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出演者と演奏曲は以下のとおりだが、喜寿を迎えたというソプラノの松本美和子さんは高音はまだまだ健在で素晴らしかった。コントロールは昔ほどでないのはやむを得ないというか、当たり前のこと。
森 麻季さんは昔何度もライブを聴いていて、一時期「ちょっと声が出てないな」と思うこともあったが(当時は「売れっ子過ぎ」ゆえだろう)、この日は絶好調で、久々に麻季さんの素敵な声を楽しめた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
千住真理子さんは「絶対ガラケー(継続)を通すんだ、スマホなんか使わない、と思っていましたが、このいわゆる自粛期間に自分を裏切りまして、スマホに替え、今はインスタに挑戦しています」として会場を笑わせた。その千住さんの「シャコンヌ」は、途中、一瞬、テンポの乱れもあったし、音程も全て完璧というわけではなかったが、とにかく曲が偉大な曲だし、「ヴァイオリン1つで聴衆の心をつかんだな」、と十分感じられる熱演だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
テナーの西村 悟さんは大好きなテナーで、武蔵野合唱団在籍時に共演させていただいたこともある。「ステージは約半年ぶりです」として、その明るく声量豊かな美声を聴かせてくれた。
<第一部>
1.チェロの伊藤悠貴さんとピアノの尾崎未空さんで
ラフマニノフの歌曲(伊藤悠貴さんのチェロ用編)の
(1)「夜のしじま」Op. 4-3
(2)「ここは素晴らしいOp. 21-7
(3)春の水 Op. 14-11
2.ソプラノ 森 麻季さんとViolin大谷康子さん、ピアノ椎野伸一さん
R.シュトラウス:4つの歌 Op. 27より「Morgen(明日の朝)」
3.大谷康子さん(ピアノ椎野伸一さん)
グリーグ:抒情小曲集 Op. 62より第2曲「感謝」
4.テノール 西村 悟さん(ピアノ椎野伸一さん)
ジョルダーノ歌劇「アンドレア・シェニエ」より
“ある日、青空を眺めて”
5.森 麻季さん(ピアノ椎野伸一さん)
プッチーニ:オペラ「つばめ」より “ドレッタの夢”
6.大谷康子さんと伊藤悠貴さんで
ベートーヴェン(ヘルマン編)3つの二重奏曲 第1番 WoO. 27-1
7.ソプラノ 松本美和子さん(ピアノ椎野伸一さん)
(1)ドヴォルザーク歌劇「ルサルカ」より “月に寄せる歌”
(2)小林秀雄(詩=野上彰)「落葉松」
  (休憩)
<第二部>
8.尾崎未空さん
シューマン:「子どもの情景」Op. 15より
「見知らぬ国の人々」「鬼ごっこ」「トロイメライ」「詩人は語る」
9.森 麻季さんと西村 悟さん(ピアノ椎野伸一さん)
レハール:オペレッタ「メリー・ウィドウ」より
“唇は語らずとも”
10. 千住真理子さんのソロで
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より
第5曲 “シャコンヌ”
11. 仲道郁代さんのソロで
(1)ドビュッシー:ベルガマスク組曲より “月の光”
(2)ブラームス:間奏曲 Op. 118-2
12. 松本美和子さん、森 麻季さん、西村 悟さん(ピアノ尾崎未空さん)
菅野よう子(詩=岩井俊二)
「花は咲く」構成:新井鷗子
13. アンコール
出演者全員で「故郷」(ピアノ尾崎未空さん)
https://www.japanarts.co.jp/concert/p853/

2020年8月11日 (火)

小林沙羅さんソプラノ・リサイタル「日本の詩」

1曲目の「小さな空」の歌声が、浜離宮朝日ホールの天井を開放して雲一つない青く高い空に溶け入り、室内であるはずのステージと客席が、あたかも青空と同化したかの様に感じられたのだった。
本来3月12日開催予定だった「日本の詩(うた)」と題された小林沙羅さんのリサイタルが8月10日午後、振替公演として開催された。既に昨年発売された同じタイトルをもつサードアルバムの、本来はリリース記念公演でもあった。
出演者は、沙羅さんの他、ピアノは河野紘子さん、後半出演される尺八の見澤太基さん、箏の澤村祐司さん。
1曲目が終わると、沙羅さんはマイクを持ち、次のような挨拶をされた(要旨)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「約半年ぶりのステージです~今、もう泣きそうですが~歌うことが好きだから、自粛期間も一人で楽しんではいましたが、そうじゃないんだ、ステージで、お客さんの前で聴いていただくことが大事なんだ、と思いました。今日、ご来場いただいている皆さんをはじめ、ライブ配信もされているので、会場にいらっしゃれない方とも繋がっていますし、ご高齢でパソコンをお持ちでないからご覧いただけていないかたの思いとも繋がっていると思っています。また、この間に、親しいかたで残念ながら亡くなられ、お見送りにも行けなかったかたもいます。そうした全てのかたとの思いが繋がっての、この日のコンサートだと思っています」。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、涙を吹き払ってから、下記記載の演奏曲順に、「この道」から清らかな歌声が続いたが、特に、「死んだ男の残したものは」は作品としての力があるし、偶然にも8月ということからも、とりわけ入魂の歌が印象的だった。轟さんの編曲も「小さな空」ともども、ピアノによる音は極力控え目にして、歌声そのものを最大限生かすというシンプルさに徹しており、好感が持てた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして前半最後が、中村裕美さん作曲の「智恵子抄」から3曲。第1曲の『或る夜のこころ』はCDにも収められており、また、後述する昨年11月のコンサートでも聴いていて、とても感動したのだが、この日はそれに続く2曲も加えられての演奏、ということで、とても良かった。
この作品には、リート的要素と、オペラのドラマティックなアリアの両面性を持ち、歌手に技術力と表現力を強く求める作品であるが、日本的とか西洋的とかではなく、中村裕美さん独自のトーンを有している。中村裕美さんは「りんごへの固執」などの前衛的な作品も書かれているが、この「智恵子抄」からの3曲では、難解さと平易さ(単調さ)のいずれも巧みに避けながら、用いる音と構成と展開において、叙情的にして叙事的な独自の音の世界を創造することに成功している。詩の持つ力を信じて生かしながら、独特の作品を完成させた見事な作品だと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後半はア・カペラの「うぐいす」で開始。「荒城の月」では、昨年11月22日に開催された「ピアノ、箏、尺八と紡ぐ歌の調べ」と題された沙羅さんのリサイタルで拝聴した箏の澤村祐司さん、「せきれい」と「浜木綿」でも同コンサートに出演された尺八の見澤太基さんも加わっての、ユニークなアンサンブルを披露された。
有名な「うみ」と、続く、橋本国彦「お六娘」は、沙羅さんの曾祖父でもある林 柳波の詩。作品としては「お六娘」は作曲技法としても見事な作品で、沙羅さんの巧みな表現力が際立っていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、プログラムの終わりか2番目に置かれた橋本国彦の「舞」では、衣装も本格的に着替え、日本舞踊を続けてこられた沙羅さんならではの世界を披露して素晴らしかった。
もっとも、私は「舞」を拝見、拝聴するのは実は2回目で、前回は2015年8月25日、日本声楽家協会主催による日暮里サニーホールでの独演コンサートシリーズだった。そのときの印象をブログにこう書いた。
「圧巻は終わりにおかれた「舞」(深尾須磨子作詞)。羽織と扇子を用いた面目躍如の舞と、「VOICE SPACE」で鍛えられた「語り」を交えて10分を超える大曲を演じ歌いきった。こういうステージは正に沙羅さんの独壇場と言える」。
この日も全くそのとおりで、客席を魅了したのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まだ少し息を整えきれない中で、マイクを手に、最後の曲、沙羅さん自身の作曲による「ひとりから」に関して、サードアルバムを作るに際して、谷川俊太郎さんに詩を委嘱したが、その昔のきっかけである、東京芸大に谷川俊太郎さんが来場された際のエピソードを語り、そしてこう語ってから歌に入った。
「この曲は合唱をイメージして作曲しました。今、合唱を(これまで普段)されている人は特にキツイ状況だと思います。合唱は「密」だし、飛沫とかのこともあるし。でも、いつか、合唱といっしょにこの歌を歌えたらな、と思っています」。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ピアノの河野紘子さんの素晴らしさについて
河野さんを直に聴くのは初めてだったが、「智恵子抄」、「お六娘」、「舞」といった難曲でも、技術的にも表現的にも実に見事で素晴らしい演奏をされたことは強調しておきたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アンコールとして、見澤さん、澤村さんも含めて出演者全員で「故郷」と、沙羅さん作詩作曲の「えがおの花」が演奏された。「故郷」に先立ち、「本当は皆さんといっしょに歌いたいところですが、客席からのお声がけが禁じられていますし、終演後もサイン会等、皆さんとお話したいのですが、それができない状況がとても残念です」という言葉が添えられた。
なお、「えがおの花」のピアノパート編曲は中村裕美さん、箏と尺八編曲は澤村さん。
「えがおの花」の一節を紹介してこの文を終えたい。
「いつか世界が えがおの花で あふれますように」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
演奏曲
1.武満 徹「小さな空」  (詩=武満徹、編曲=轟 千尋)
2.山田耕筰「この道」   (詩=北原白秋)
3. 同 「赤とんぼ」   (詩=三木露風)
4. 同 「ペチカ」    (詩=北原白秋)
5.中田 章「早春賦」   (詩=吉丸一昌)
6.越谷達之助「初恋」   (詩=石川啄木)
7.武満 徹「死んだ男の残したものは」
(詩=谷川俊太郎、編曲=轟 千尋)
8.中村裕美「智恵子抄」(詩=高村光太郎)より
(1)『或る夜のこころ』
(2)『あなたはだんだんきれいになる』
(3)『亡き人に』
(休憩)
9.早坂文雄「うぐひす」 (詩=佐藤春夫)
10. 瀧廉太郎「荒城の月」~箏と歌 (詩=土井晩翠)
11. 宮城道雄「せきれい」~尺八、箏と歌(詩=北原白秋)
12. 宮城道雄「浜木綿」 ~尺八、箏と歌(詩=宮城道雄)
13. 井上武士「うみ」   (詩=林 柳波)
14. 橋本国彦「お六娘」  (詩=林 柳波)
15. 橋本国彦「舞」    (詩=深尾須磨子)
16. 小林沙羅「ひとりから」(詩=谷川俊太郎)
アンコール
1.岡野貞一「故郷」    (詩=高野辰之)
2.小林沙羅「えがおの花」 (詩=小林沙羅)
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2020/08/event1686.html

https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%A9%A9-%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%B2%99%E7%BE%85/dp/B07XW7DHJW

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
参考
小林沙羅 「えがおの花」
https://www.youtube.com/watch?v=2vENiAgqFOo

2008年 千住明 松本隆 源氏物語「夕顔」小林沙羅
https://www.youtube.com/watch?v=rZYDEsryzOA

2020年8月 9日 (日)

山本耕平さんテノール・リサイタル

8日19時開演の「五島記念文化賞オペラ新人賞研修成果発表」としてのリサイタルを東京文化会館小ホールで聴いた。もちろん、座席1つずつを空けた限定席公演だが、その範囲での8割は確実で、9割近くは来場していたのではないか?と想える客入り。さすが、人気テナーだ。演奏曲は下記のとおり、前半はトスティとレスピーギの歌曲をならべ、後半はオペラのアリアを中心としたもの。ピアノは前田拓郎さん。
これまで山本さんは何度も聴かせていただいており、最近では今年2月16日、山梨県甲府市のYCC県民文化ホールで観、聴いた「ラ・ボエーム」。そのときの山本さんの印象を、私はブログにこう書いた。「ロドルフォ役の山本耕平さんが絶好調で、これまでガラコンサートでのアリア等、5回以上は聴いている中で、この日の内容が最高に良かった。美声にして、音響の良いとは言えない大ホールのステージにあっても、よく響く豊かな声量を披露されていて素敵だった」。
あのときは、私をはじめ既に多くの客がマスクを着け始めてはいたが(まだ全員ではなかった)、まさかその後、プロアマ問わず、また、クラシックやポップス等のジャンルを問わず、ほとんどの音楽イベントが長らく無くなるなんて誰も想像しなかったことだ。後述するが、山本さんも感謝のコメントをアンコールの前にスピーチで語られた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山本さんの高音は十分に迫力あるが、曲によっては、「あれ? 今のバリトンの声だよね。少なくとも、ハイ・バリトンだよね?」と思う瞬間が少なからずある。そう、山本さんは、東京芸大に入ったときは、バリトンとして入学され、その後、テノールに転向されたのだ。そうした要素はむしろ個性となっていると思う。根っからのテナーのような軽やかでクリヤで一直線の高音は無いが、テナーにしては重厚とさえ言えるまでの芯の太い貫禄ある、気品ある声で歌われる。
それだけではなく、この日の曲の中では、「人知れぬ涙」の第一声のように、敢えて薄い発声で出た声は色気さえ感じる魅力があったし、トスティの「かわいい口元」での歌声は、とてもピュアな美しさがあったように、色々なトーンを聴かせてくれる魅力がある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この日、最も良かった、と言うか、第一声を聴いた瞬間から、「あ、山本さんはこの曲が好きなんだな。得意とされている曲だろうな」、と直ぐ思ったのは、『リゴレット』の「ほおの涙が」。とても充実しており、とりわけ自信を持って歌われている印象を受けた。
演奏者が「得意とする曲」を演奏すると、独特のオーラとも言えるような確信と入魂を感じることは、歌手に限らず、器楽奏者にも指揮者にも言えると思う。その自信と見識と研鑽から溢れる、にじみ出る演奏は、聴く側にも確実に伝わるのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガスタルドンの有名な曲「禁じられた音楽」を迫力ある歌声で終えると、この日も相変わらず「掛け声はお控えください」という実質的な「ブラヴォー禁止アナウンス」に従って「ブラヴォー」こそ無いものの、多くが頭上高くで拍手するなど、盛大な拍手が起きた。
そして、この日、最初で最後、山本さんはマイクを手にし、「このような厳しい社会情勢の中、ご来場いただき、ありがとうございます。今の時期にリサイタルができるのは幸せなことです。皆さんに救っていただく思いがします」、という主旨の挨拶をされた後、アンコールとして「カタリ」を歌われ、客席の半数以上がスタンディングオベーションして拍手を送り、終演となった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なお、山本さんは既に何年も前から活躍されているけれど、冒頭に書いた、「五島記念文化賞オペラ新人賞研修成果発表」というのは、2014年に第25回五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞して、イタリア・マントヴァに留学され、それ以降の、その賞における成果披露コンサートという位置付けであることを付記しておく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
演奏曲
<第1部>
トスティの歌曲から
1.「魅惑」
2.「セレナータ」
3.「悲しみ」
レスピーギの歌曲から
4.「霧」
5.「雨」
6.「朝」
7.ピアノソロでレスピーギ「6つの小品」よりⅣ.メヌエット
8.トスティ「アマランタの4つの歌」
(1)「私を放っておいて」
(2)「夜明けは光から闇を分かち」
(3)「無駄に祈り」
(4)「賢者の言葉よ、何を語るか?」
<第2部>
9.モーツァルト歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より「恋人を慰めて」
10. モーツァルト歌劇『魔笛』より「なんと美しい絵姿」
11. ドニゼッティ 歌劇『愛の妙薬』よりピアノによる前奏曲に続き
「人知れぬ涙」
12. ヴェルディ歌劇『リゴレット』より「ほおの涙が」
13. グノー歌劇『ファウスト』より「清らかな住まい」
14. トスティ  「かわいい口元」
15. ガスタルドン 「禁じられた音楽」
アンコール「カタリ」

http://www.nikikai21.net/concert/20200808.html

http://yamamotokohei.jp/schedule/

2020年8月 3日 (月)

西村秀一さん(国立病院機構 仙台医療センター ウイルスセンター長)

「新型コロナ 専門家は確率を語れ」~2020.7.11朝日新聞朝刊
「息をしないご遺体からウイルスは排出されません」~以下は一部抜粋。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「実態と合わない対応が続いていることを危惧しています。亡くなった方を遺族にも会わせずに火葬したり、学校で毎日、机を消毒したり、おかしなことだらけです。私は「もうやめよう」と提案しています」
「病院と一般社会は分けて考えるべき。厳しい感染管理が必要な病院と一般社会とはウイルスに遭遇する確率は全然違う。6月の抗体検査では、東京の抗体保有者は 0.10%。そこから推測すると、街中そこかしこでウイルスに遭遇することはありません。市中感染があっても、東京の人口1千数百万人に比べたら数は少ない」
・・・・・・・・・・・・・・・
「専門家の責任が大きい。接触感染のリスクが強調され、手で触れることへの恐怖が広がっていますが、ウイルスと細菌の違いが軽視されています。(中略)ウイルスは細菌より接触感染リスクがずっと低いのです。なんでもアルコール消毒する必要はありません」
・・・・・・・・・・・・・・・
「人々が不安を抱くのは、専門家がきちんとリスクを評価して、社会にそれを伝えていないから。(中略)(感染の)可能性がある、と言って人々に対策を求める専門家がメディアで散見されますが、キャスターや記者は(その都度)、それなら感染する確率は?と問わないといけない。専門家はリスクの有無という定性的な話をするのではなく、リスクがどのくらい有るかを定量的に評価しなければなりません」
・・・・・・・・・・・・・・・
「ゼロリスクを求めれば「念のために」と対策もどんどん大きくなる。しかし、その下で多くの弊害が出ています。人と人の関わりが無くなったり、差別してしまったり、職を失い、ウイルスではなく、その対策で命を落とす社会的弱者もいる。スーパーで買ったポテトチップスの袋までアルコールで拭くのは、私には笑っちゃうような話だけど笑えない。そんな恐怖心を広げた専門家に怒りが沸きます」
・・・・・・・・・・・・・・・
「葬儀の問題も同じです。息をしないご遺体からウイルスは排出されません。皮膚に残っていたとしても、お清めをするか、ご遺体の触れないようにすればよい。お別れをしたい、という気持ちを大切にする葬儀はできるはずです」
(以下省略)

木村盛世さんの言説に賛同します~「テレビタックル」2020.7.12

「新型コロナは実体以上に恐怖を煽って作られた虚像。コロナだけが病気ではない。コロナにより倒産や自殺、経済のダメージが大きいのに、コロナだけ珍重がられてコロナを全て無くしましょうという風潮になっているのがおかしい。PCR検査をして隔離することが感染症の基本だという、わけの解らない理論が成り立ってしまった。この虚像が差別を生んでしまった。罹ったら死んでしまうとか、罹ったら人と会えないとか、こんなバカげた感染症に仕立て上げたのは大きな問題」

https://www.facebook.com/268759603556377/videos/261260531842153
http://jpnews-video.com/onebyone/2020/200712/5/

今年既に9,000人超えの自殺者数

新型コロナ感染での死者が国内で1,000人を超えたが、不謹慎を承知で数だけで言うなら、国内の自殺者は、今年に入ってからの半年間で、既に9,000人を超えている(警察庁公表の添付資料のとおり)。ちなみに、インフルエンザによる死亡数は 2018年は3.325人。関連死を入れると、年間 1万人近いとも言われている。マスコミも医者も、インフルエンザについては、ここ数か月間、何も言及していないが。
形而上学的(注)な観点で言えば、自殺の問題は、コロナ以上に深刻な問題である。
国内では毎年、年間2万人を超える人が自ら死を選んでいる。3万人以上の年が続く期間もあった。
イジメや経済的理由、健康的理由、あるいは、失恋や心中等の恋愛に関する原因など、ある程度は推測できる直接的な原因(理由)を除けば、最終的には、人の心の中は、他者には解らない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
芥川龍之介の「何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」という言葉から想像する限り、当人ですら理解できていなのかもしれない。
一高生だった藤村 操は、「萬有の眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、不可解。我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る」と木に書き残して華厳滝に身を投じた(1903年(明治36年)5月22日)。世の中を「不可解」と見たと同時に、それに対処できない自分の心、人間の心自体を「不可解」と考えたのかもしれないが、その「大なる悲觀は、大なる樂觀に一致するを」という結論は、果たして正解だったのか。藤村の死は、一高で彼のクラスの英語を担当していた夏目漱石や、学生たちにも大きなショックを与えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
三浦春馬さんも、もしや、日常の幸福感を超えた不安や「不可解さ」が体積し、自分で整理できなくなっていたのかもしれない。それでも、いっしょに仕事をしてきた人たちや友人たちを悲しませてしまった、その結論、選択は、残念でならないものだった。
(注)形而上学的
世界の根本的な成り立ちの理由(世界の根因)や、物や人間の存在の理由や意味など、感覚を超絶したものについての考え。普遍的な原理について理性的な思惟によって認識しようとする学問。最も中心的な主題に「存在」の概念が有る。
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R02/202006sokuhouti.pdf

令和2年の月別の自殺者数
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R02/202006sokuhouti.pdf
自殺者数の年次推移
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R02/R01_jisatuno_joukyou.pdf

インフルエンザ死亡数~2018年は3.325人
https://www.lab.toho-u.ac.jp/nurs/socio_epidemiology/blog/dqmvu90000000d2i.html

2020年8月 2日 (日)

沖澤のどかさん指揮のNHK交響楽団~音楽はステージで生まれる

8月2日16時開演のNHKホールでは、「N響・夏のフレッシュコンサート」と題されたコンサートが開催され、沖澤のどかさんがN響初登場。N響がNHKホールで客を入れてのコンサートは6か月ぶり、という。
短い曲が4曲だけの、休憩なしでの70分のコンサートで、コントラバスが2人だけ、に象徴されるように、ステージを広くとっての小編成の出演者。弦はマスクをしている人もいたが、していない人も多く、それでよい。沖澤さんも当然マスクはナシ。指揮台から各第一プルトまで、どんだけ空けるのか、という位、余裕ある空間確保なので、全く問題なし。
管楽器郡も隣の奏者まで、2人分を空けての演奏。弦はなんと、1つの譜面台に2人ではなく、一人。これは同日夜、Eテレで7月17日に無観客で行われた演奏の様子が放送されたが、それと同じだった。そこまでする必要があるかは疑問。まあ、NHKだから、ということかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
客に関しても、social distancingで順次入場し、入口でのサーモグラフィ検査体制は東京文化会館と同じ。客席はなんと、一席空けではなく、「左右横3席空け」だった。縦ももちろん座る位置をズラしている。「横3席空け」だから、さすがのNHKホールも、かつて一度も見たことのない、ガランとした状況。ステージ同様、ここまでする必要があるかは疑問だが、NHKという公共放送機関の施設でのコンサートとしての、いわば世間体的「示し」も必要、ということもあるのだろう。なお、3階には客を入れず、2階まで、としていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
演奏曲は以下の4曲だが、どれも良かった。沖澤さんも、ナビゲーターを務めた石丸幹二から「N響初振り」の感想を求められた際、「少人数(編成)とは思えない音量と音の美しさが素晴らしい」、と讃えていたが、全くそのとおりだった。まるでフル編成の状態とほとんど変わりないほどの音量でN響は演奏して見事だった。今までのN響は、正直あまり好きなオケではなかったが、世代交代による、総入れ替えに近い状況に変わったN響は、色々な意味で生まれ変わったのかもしれないし、NHKホールも、昔に比べたら、音響はずっと良くなった感じがする。「今後はもっと、このホールでN響を聴いてみよう」と思った。
・・・・・・・・・・・・・・・・
以下の4曲で、それぞれ木管等で目立つソロを吹いた奏者を、沖澤さんは都度スタンディングさせていたのはとても良かった。「動物の謝肉祭」でもそれは同じだった。ナレーション付きゆえ、1曲ごとでのソロ奏者スタンディングをし易かった、ということはあるだろうけれど。こうした対応(配慮)は何も、N響初共演に対する配慮、などという次元の低いものではなく、沖澤さんの人柄がにじみ出ていると感じさせるに十分な、素敵な配慮、対応だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
それにしても、この時期に、オネゲル 交響詩「夏の牧歌」はとても良い選曲。実に清々しかった。「アルルの女」の「メヌエット」におけるフルートソロも然り。
演奏として特に見事で、沖澤さんの長所が出ていたと思ったのは、「アルルの女」の「ファランドール」。実に生き生きとして鮮やかで素晴らしかった。掛け声が禁じられていなければ、確実に盛大な「ブラヴォー」が出たことだろう。
4曲目は、ピアノの牛田智大さんと中野翔太さんが加わり、石丸幹二さんのナレーションを加えての、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」。少年時代、テレビや雑誌で見ていた、かつても牛田少年のライブで聴いたのは初めてだったし、青年牛田さんもカッコ良かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
前述のとおり、同日Eテレ21時から「クラシック音楽館」では、7月17日に、無観客でNHKホールで行われた熊倉優さん指揮の演奏が放送されていた。
特に、ワーグナー「ジークフリート牧歌」は、ゆったりとしたテンポでの丁寧で情感深い演奏で素晴らしかった。久しぶりに「ジークフリート牧歌」の名演を聴けた思いがした。
何よりも、演奏者の、「やっと皆で演奏できる」という気持ちが伝わる演奏だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは、この日、同ホールで聴いたコンサートと共通する。小編成とはいえ、「やっと本拠地で、聴衆の前で演奏できるのだ」という演奏者の喜びと、聴く側も、それを感受する喜びを感じる瞬間であり、コンサートだった。
「音楽は機械の中から生まれるのではない。ステージで音楽家が演奏することで生まれるのだ」、ということを改めて実感させてくれる、爽やかでハイレベルな、素晴らしいコンサートだった。
のどかさん、N響初指揮、おめでとうございます。素敵なコンサートに感謝します。
・・・・・・・・・・・・・・・
なお、聴衆の退館に際しては、サントリーホールでの東京交響楽団のコンサート同様、時間差退席、とされ、2階、1階、の順番で退館した。
・・・・・・・・・・・・・・
演奏曲
1.ヘンデル(ハーディ編)組曲「王宮の花火の音楽」序曲
2.オネゲル 交響詩「夏の牧歌」
3.ビゼー 「アルルの女」組曲第2番より「メヌエット」、「ファランドール」
4.サン=サーンス 組曲「動物の謝肉祭」
指揮:沖澤のどか
ピアノ:牛田智大、中野翔太
MCとナレーション:石丸幹二

https://www.nhkso.or.jp/concert/20200802_2.html

« 2020年7月 | トップページ | 2020年9月 »

ブログ HomePage

Amazon DVD

Amazon 本

最近のコメント

最近のトラックバック