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2020年1月 1日 (水)

NHK交響楽団の第九の外人ソリストの問題   私は暗譜絶対主義者ではないけれど

N響の2019年12月第九公演。

ソプラノとバリトンの外人ソリスト、なんで楽譜を見ながら歌うのか。ミサソレならともかく、第九ではあり得ない。プロでしょ。

しかも、わざわざ外国からの渡航費とギャラ払って招聘してるんでしょ。

テナーの外人ソリストは暗譜で歌ってるのに。

この程度なら全員日本人ソリストでいいです。

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日本の合唱団で暗譜で歌うのを自慢するのは私はナンセンスだと思っていて、欧州の合唱団は楽譜を見ながら素晴らしい合唱を聴かせてくれますし。

ただ、さすがに今の時代、第九のソリストに日本人の歌手が選ばれたら、間違いなく全員暗譜で歌うでしょうし、指揮者も当然指示するはずです。それにあのくらい歌えるソプラノもバリトンも日本にたくさんいます。

シモーネが見ながらなのは別にいいですが、それとは関係なく、やはりシモーネ自身が第九をあまり振っていないんでしょうね。だから、歌手にも「全員暗譜で」と言わなかった、と想像します。

 

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暗譜に関する補足~指揮者の場合

歌手については、後ほどもう一度だけ補足させていただきますが、その前に、指揮者に関するレスポもお二人からいただいたので、ご参考として紹介させていただきます。

プロ指揮者でしたら、どんな曲でも「楽譜を見る必要が無いほど勉強して本番に臨む」のは当然です。

ただ、オペラ活動が長い人によく見かけますが、コンサートでも「見る必要はないけど楽譜を置いていたり、一応めくったりということをルーティンにしている人」は割といます。

過去の巨匠ではショルティがそうでした。

また、クナッパーツブッシュに関する有名な笑い話で、「あなたはなぜ暗譜で指揮しないのか?」と問われ際、クナは「俺は楽譜が読めるからね」と答えたそうです(笑)。

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小澤征爾さんはほとんどの曲で「何かあったときのために」譜面台に「スコアを閉じたまま」置いてあります。もちろんめくったりしていませんが。

今回、シモーネ・ヤングがスコアを見ながら、ということを私は批判する気はまったくありません。「どういう演奏を披露したかが第一」ですし。

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ちなみに、スコアなしを徹底したのはアッバードですね。

オペラは別として、コンサートでスコアを置いたり見ている姿は見たことありません。マーラーの何番だろうとスコア無し。

小林研一郎さんもそのスタイルを基本としているかと思います。

なお、暗譜を流行りにしたとされるトスカニーニですが、彼は近眼だったため、置いてめくったりするのが、かえって わずらわしかった、という事情があったからと言われています。

以上、ご参考とさせていただきます。

 

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第九の譜面持ちに関する補足~ソリストの場合

N響第九公演をTVで見て驚いたことに関して、少し追記させて頂きます。

基本的には楽譜の有無は演奏の本質とは無関係であることは承知しています。

良い演奏を提示、披露できることが最終目的であって、ステージ上のいわば実務的な対策は聴衆のあずかり知らぬことでいいと思いますし、別記の指揮者のケースのとおり、同じステージの上でも役割によって事情が異なるので、それぞれの事情に即して対応し、全演奏家の共通目的目標である「良い演奏」の実現に向かえばよいだけのこと、というのは自明であり、大前提とすることは理解し、承知し、賛同します。

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しかしながら、第九のソリストパートに関して、その分量を考えたとき、そしてこれだけ有名な曲で、プロオケに限らず、アマオケを含めて頻繁に演奏される第九、という状況を考えたとき、プロオケの演奏会、N響という伝統あるオケの毎年恒例のコンサートに、わざわざ外国から招かれたソリストが、譜面を見ながら歌う姿には大きな違和感を覚えました。

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以前、第九のことではないですが、故・岩城宏之さんが「かたち(見た目)も大事」という主旨のことをおっしゃっていました。含蓄のある言葉だと思いますが、今回の件では、そういうことよりもむしろ、私の個人的経験を根拠としての、先日に批判だったと言えます。すなわちこうです。

「私は合唱パートはバスですが、第九はソロパートも暗譜で歌えます」

これに尽きます。

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私だけでなく、全国に在る全ての合唱団でも、各団少なく見積もっても 1割、すなわち100人の合唱団なら10人~各パート2人以上~は、ソロパートを暗譜で歌える人はいるでしょう。

これは少なく見積もっても、なので、実際はもっと多いはずですし、今歌えなくとも、1日か2日みっちり練習すれば、合唱経験者ならほとんど全ての人がソロパートも暗譜で歌えるようになるでしょう。

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プロ歌手と違う点は、言うまでもなく「プロ歌手のような良い声では歌えない」ということ。

逆に言えば、それ以外の点、すなわち、正確な音程はもちろん、中には厳正なドイツ語で歌える人も一定数はいるでしょう。

後者は全員とは言いませんが。日本の全国多数の合唱団のそれが現実です。

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係る状況と、歌う量の少なさ、しかし少ないけれども人類愛、兄弟愛をメッセージとした偉大な有名曲のソリストとして多数の歌手の中から選ばれ、しかも、外国に出かけて歌うという機会を得たソリストなのですから、「曲をちゃんと勉強してきたのか?などという疑問を持たれるような、譜面を見ながら歌うということを、ソリストにはして欲しくない、第九に関しては」と思う次第です。

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