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2019年12月13日 (金)

岡田昌子さん リサイタル~伸びやかに響わたる美声

イタリア ジェノヴァから帰国中の岡田昌子(しょうこ)さんの待望のリサイタルを12月13日夜、紀尾井ホールで聴いた。11月10日の日生劇場での「トスカ」は、私が出演した演奏会と重なってしまい、行けずに残念というより悔しい思いをしていたので、申し訳ない気持ちも倍加して、この日を楽しみにしていた。

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私が昌子さんを知ったいきさつや、彼女の意外な一面等については後述する。「意外な~」に関して、林康子先生も終演後のミニレセプションで、「彼女はこう見えて<吉本>よ」、と「面白い人」を強調されていたので、私が知っている「吉本逸話」も少し紹介したい。

それはともかく、プログラムは以下のとおりだが、久々に聴いたその歌声は非常に魅力的だった。

声の質感としては厚くはなく、可憐で、私には鈴の音さえ連想する声なのだが、では、弱いか?というと全然そんなことはない。「重たくない強さ」とでも言えるような、伸びやかで力強い美声がホールの隅々に届き、貫き、あるいは跳ね返って来て再びホールに響く、その声量の豊かさと響の美しさがとても素晴らしい。これこそが昌子さんの歌声だ、と深く感じ入った。

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個別では、どれも良かったので、詳細には記載しないが、「清らかな女神よ」の後半での豊かな声量、「静かな夜」の最後のロングトーンが素晴らしかったし、二期会デビュー作で、私自身も感慨深い「ナブッコ」からの「かつては私の心も喜びに満ちていた」が圧巻だった。圧巻と言うなら、アンコール2曲目の「トゥーランドット」の「この宮殿の中で」も然りだった。

そして、「感情移入の見事さ」という点では、後半2曲目の「こうして私は晴れの衣装を着せられ」が、この日、私の心を最も強く揺さぶり、深く感じ入った曲であったことは記しておきたい。

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岡田昌子さんを知ったいきさつと面白逸話について

私が岡田昌子さんを初めて知り、聴いたのは、2012年2月18日、東京文化会館でのヴェルディの「ナブッコ」。二期会デビューでもあったそのアビガイッレ役に魅了された。歌唱はもちろん、舞台映えする体躯と美貌に、「カッコイイなあ」と羨望を抱いた。帰宅後、フェイスブックで確認すると開設されているのが確認できたので、お会いしてもいないのに、メッセからキチンと自己紹介して申請したところ、FB友人になっていただけたのだった。

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ほどなく、彼女はイタリアに留学されたので、歌声を聴いたりはできなかったが、FBのメッセ等でのやりとりはしていた。

例えば、公演の1週間前にホイットニー・ヒューストンが亡くなったのだが、昌子さんがホイットニーのファンと知り、その話題のやりとりをしたし、彼女が高松の高校音楽科3年次、大学の志望校を東京藝術大学とせず、日本体育大学と書いて先生を驚かせた人だとか、「ルパン三世」の不二子のことや、過去のTVドラマのテーマ音楽のことや、フジTV「明石家サンタ」等、クラシック音楽以外のことで頻繁にやりとりさせていただいた。

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やっと直接お会いできたのは、それから1年と半年後の2013年9月29日、小林研一郎さん指揮の日本フィルハーモニー交響楽団による「フレッシュ名曲コンサート」=「マエストロ・小林研一郎によるアリア~ヴェルディ生誕200年に捧ぐ」と題された演奏会だった。もう1人招かれたソリストは、当時 東京藝大の修士課程2年だったテノールの宮里直樹さん。そのコンサートで昌子さんが歌ったのはヴェルディの「運命の力」より「神よ、平和を与えたまえ」と、「椿姫」の「そはかの人か~花から花へ~」、宮里さんとのデュオで「パリを離れて」。

終演後、楽屋に挨拶に行ったが、お互いに「初めまして、だけど、初めてじゃないみたいですね」、と笑いあったのだった。

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その次に拝聴したのは、2014年12月28日、神奈川県民ホールでのファンタスティック ガラコンサート2014。ここでは「トスカ」より「歌に生き、恋に生き」とヴェルディの「マクベス」からのアリアを昌子さんは歌われた。

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それ以来、5年ぶりに聴いた昌子さんの歌声は、以前にも増してパワフルで瑞々しく、響の美しさに一層の磨きがかかった素晴らしい歌声で、聴いていて、この上無い嬉しさを感じた次第だった。

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なお、会場には師匠の林康子さんが来場されていたほか、世代的には昌子さんより先輩でありながら、可愛がってもらっているという砂川涼子さんや、世代は近いと思うがテノールの山本康寛さんも来場されていて、終演後のホール2Fでの懇親会にも、林先生、砂川さん、山本さんが出席されていた。私ももちろん出席させていただいた。

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演奏曲

1.ヘンデル 「私を泣かせてください」

2.ヘンデル 「メサイア」より「シオンの娘よ、大いに喜べ」

3.ペルゴレージ 「もしあなたが私を愛してくれて」

4.ジョルダーニ 「いとしい女よ」

5.ベッリーニ 「優雅な月よ」

6.プッチーニ 「太陽と愛」

(休憩)

7.ベッリーニ オペラ「ノルマ」より「清らかな女神よ」

8.ベッリーニ オペラ「カプレーティ家とモンテッキ家」より

    「こうして私は晴れの衣装を着せられ」

9.プッチーニ オペラ「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」

  1. ピアノソロで

プッチーニ オペラ「マノン・レスコー」より間奏曲

  1. ヴェルディ オペラ「イル・トロヴァトーレ」より「静かな夜」
  2. ヴェルディ オペラ「ナブッコより「かつては私の心も喜びに満ちていた」

アンコール

1.プッチーニ 歌劇「トスカ」より「歌に生き、愛に生き」

2.プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」より「この宮殿の中で」

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