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2018年12月 2日 (日)

アイーダ~充実の調布市民オペラ第21回公演~名唱と圧巻のアイーダトランペット

2日午後、調布市グリーンホールで調布市民オペラ
第21回公演「アイーダ」を聴いた。
1991年に調布市民オペラ振興会が結成され、
翌1992年の「カルメン」を皮切りに、これまでオペラと
ガラ・コンサートを交互に年1回開催されてきているので、
回数としては第21回の開催、
グランドオペラ公演としては今回が12回目とのこと。

このホールに行ったのは森麻季さんのリサイタル以来2回目。
大ホールの収容人数は1,307人なので、規模的なイメージ
としては中ホールという感じだが、係るこじんまりとした
ホールで、アイーダのような壮大なオペラを観、聴く、
というのは臨場感的にも心地良いものだった。

直接的には旧知のメゾソプラノ杣友惠子さんと
テノールの川出康平さんが出演されるということがあったが、
オケも含めて出演者の皆さんは力演、熱演で、
演出も後述のとおり好感の持てる、全体としてとても
満足できる公演だった。

出演者を列記した後、感想を書いてみたい。

指揮  ステファーノ・マストランジェロ

管弦楽 東京ニューシティ管弦楽団

バンダ 桐朋学園大学音楽学部

合唱  調布市民オペラ合唱団

バレエ 今村バレエスタジオ

演出  三浦安浩

ソリスト     12月1日        2日0

アイーダ   江水(石原)妙子  鈴木麻里子

アムネリス  大賀真理子     杣友惠子

ラダメス   小野弘晴      上本訓久

アモナズロ  小林大祐      大塚博章

エジプト王  狩野賢一      山田大智

ランフィス  後藤春馬      小幡淳平

巫女長    松本真代      大音絵莉

伝令     工藤翔陽      川出康平

・・・・・・・・・・・・・・・
今回、まずオケの優秀さ~技術はもちろん、繊細な
ニュアンス0大音響に至る迫力も含めて~に
驚いたのだが、それを引き出したのは言うまでもなく
指揮者のマストランジェロさんだ。
マストランジェロさんは初めて聴いたが、イタリア母国
だけでなく、日本を含む世界各地で指揮や教授等で
教えているだけに、もうこのオペラを知り尽くしていることが
分かるすこぶる立派で統率力抜群の余裕ある指揮で
素晴らしかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
歌手の皆さんは素晴らしく、何度も聴いているアムネリス役の
杣友惠子さんや、アモナズロ役の大塚博章さんも絶好調で、
杣友さんはアムネリスの複雑でせつないまでの女心の
感情表現が見事だったし、
初めて聴いたラダメス役の上本訓久さんも伸びやかで
明るいトーンと、感情表現がとても良かった。

そして、この日の最大の収穫は初めて聴いたアイーダ役の
鈴木麻里子さん。
どの幕も良かったが、第3幕の有名な「おお、わが故郷」は
絶品だった。
声の密度の濃さと清らかさの両面を持ち、声量も豊だし、
伸びやかさと感情表現のいずれも申し分なく立派だった。

・・・・・・・・・・・
第2幕の凱旋の場面ではバレエも素敵だったが、何と言っても、
国立音楽大学提供のアイーダトランペットの素晴らしさだ。
舞台の吹き出しの左右それぞれ3人ずつ計6人による
アイーダトランペットの演奏は技術的にも完ぺきで、
輝かしく壮大でとても感動した。

プログラムによると全員女性。今や金管における優秀な奏者は、
男女における差など完全に皆無となったと言えるだろう。
・・・・・・・・・・

調布市民オペラ合唱団の女声はなかなか良かったが、
男声だけの場面~第2幕の凱旋場面での有名な合唱や
第4幕での「神の聖霊よ」と歌う場面等~では「素人」感を
強く感じてしまう。

凱旋行進曲は私自身、歌ったことがあるが、
ここはプロとアマの違い(差)が出易い部分だと思う。
具体的にはイタリア語の発音と、声の密度、揃い度合い、
という点。
プロレベルの声でないと、声の薄さとカタカナ的発音が
目立ってしまい、迫力の点でマイナスを生じてしまうのだ。
・・・・・・・・・・・・・

演出は奇をてらうことなく、比較的小さなステージである空間を
効率的に使った、シンプルで美しい舞台設定と演出だった。

先日の日生劇場での「コジ」のような演出家による独り善がり的
なものとは全く違い、歌手をリスペクトし、歌手と歌を
全面的に引き立てるため、余計な事は一切せず、
シンプルさに徹していた。
もちろん、物語的に「読み替え」がしにくいオペラということは
あるだろうけれど、まず歌があり、演技があることを前提とした
誠実さを感じさせる演出で、これこそオペラの演出(の基本)だと
強く感じた。
・・・・・・・・・・・・

このオペラを全曲通して聴いたのは久ぶりだったが、
凱旋の場面で壮大華麗に盛り上げておいて、
最後はアイーダとラダメスによる、しっとりと、
せつなくも美しいデュオに、アムネリスの複雑な気持ちを
重ねながら終わるという粋な構成を持つこのオペラが、
人気作にならないはずもなく、いまだに世界中から
好まれている大オペラであることを、あらためて実感し、
納得した次第だった。これぞオペラの醍醐味ともいうべき作品を
あらためて堪能させていただいた公演だった。
https://www.chofucityopera.com/

https://www.youtube.com/watch?v=GX0sXhzZSRs&feature=youtu.be&fbclid=IwAR3oO-GewpBLlh1J9vqcNtDhf6yugKdksc4ld2xit8SxAndGkMroKLmveFQ

https://www.chofu-culture-community.org/forms/info/info.aspx?info_id=10350

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