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2018年11月17日 (土)

銀座オペラ ガラ・コンサート~絶好調な皆さんとカウンターテナーの素晴らしさ

16日夜、ヤマハホールで銀座オペラのガラ・コンサートを
聴いた。
ヤマハホール主催で、これまで清水のりこさんによる
現代機能を駆使したエレクトーン演奏により、
いろいろなオペラのミニ公演が行われてきたが、
その出演者らによるガラコン。

皆さん絶好調だったが、特に彌勒忠史さんの歌声により
カウンターテナーの素晴らしさをあらためて実感した次第。
出演者と演奏曲を記した後、感想を記す。

 出演者

小川里美(ソプラノ)、鳥木弥生(メソソプラノ)、

彌勒忠史(カウンターテナー)高田正人(テノール)、

与那城敬(バリトン)、清水のりこ(エレクトーン)

 曲目

1.ビゼー 歌劇「カルメン」より「闘牛士の歌」by 与那城敬

2.ドリーブ 「カディスの娘たち」by 小川里美

3.モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」より
   「恋とはどんなものかしら」by 彌勒忠史

4.ビゼー 歌劇「カルメン」よりハバネラ「恋は野の鳥」
                       by 鳥木弥生

5.ヴェルディ 歌劇「仮面舞踏会」より
   「あの草をみつけて~私があなたのそばにいます」
                by 小川里美&高田正人

 (休憩)

6.オッフェンバック 歌劇「ホフマン物語」より
  舟歌「美しい夜、おお、恋の夜よ」by 彌勒忠史&鳥木弥生

7.プッチーニ 歌劇「トスカ」より「星は光りぬ」by 高田正人

8.ヘンデル 歌劇「リナルド」より「私を泣かせてください」
                by 彌勒忠史

9.マスネ 歌劇「ウェルテル」より
      手紙のアリア「ウェルテルよ、誰がいえましょうか」
                by 鳥木弥生

10. ロイド・ウェッバー「レクイエム」より「ピエ・イエズ」
                by 小川里美&彌勒忠史

11. ヴェルディ 歌劇「ドン・カルロ」より
  「あなたは王妃を愛している!~恐れなさい、偽りの息子よ」
          by 高田正人&与那城敬&鳥木弥生

アンコール
1.ヴェルディ 歌劇「ドン・カルロ」より「友情の歌」
               by 高田正人&与那城敬

2.プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」より「花の二重唱」
               by 小川里美&鳥木弥生

3.ヴェルディ歌劇「椿姫」より「乾杯の歌」by 全員

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オープニングはプログラムで予定されていた「セビリアの理髪師」
からのアリアを変更して与那城さんが「闘牛士の歌」で勢いを
つけ、次いで、小川さんが「カディスの娘たち」で魅惑的な声を
披露した。

小川さんはメゾからキャリア(勉強)をスタートさせた後、
ソプラノに転じたと記憶しているが、この歌でも中音域では
メゾらしい質感を感じさせてくれた。

そして、この日、最も新鮮な印象を与えてくれた
カウンターテナーの彌勒さんの最初の曲として歌ったのが
「恋とはどんなものかしら」。
第一声から、「あ、モーツァルトはケルビーノの声を、
 正にこういう声でイメージしていたのではないか」
と想わせるほど、鮮烈で素晴らしい歌声だった。

次いで、鳥木さんが得意とするハバネラをこってりと聴かせて
くれた後、

ヴェルディでは、まず小川さんの表情豊かなソロに続き、
高田さんとの圧巻のデュオを聴かせてくれた。
高田さんは声量、気迫とも堂々たるもので、過去何度も
聴かせていただいた高田さんの歌声の中でも最も印象的な歌唱
の1つと思った。
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休憩後の後半。
2人ともどちらのパートも歌える舟歌を、途中から
彌勒さんが下のパートとして美しくハモった。

高田さんによる「星は光りぬ」は、カヴァラドッシの慟哭、
詠嘆を、暗くというよりは、劇的に格調高く歌われたが、
これは高田さんの声が基本的には明るいトーンが基盤にある
ことから、そう思えたのかもしれない。

そして、この日、彌勒さんのソロとしては2曲目の
「私を泣かせてください」は深い余韻を伴うしっとりとした
名唱で、胸がジーンとしたのだった。

鳥木さんによるウェルテルの手紙のアリアはフランス語による
語感がステキで、情感もたっぷりとしていて見事だった。

そして、清らかさがホールを満たした小川さんと彌勒さんによる
デュオ「ピエ・イエズ」は、この日の白眉とも言えるほどステキ
だった。

そしてダメ押し的な圧巻は、プログラム最後に置かれた
「ドン・カルロ」からの三重唱。聴衆から大きな歓声が飛んだ。

この雰囲気のまま、アンコール1曲目は、そのまま
「ドン・カルロ」から有名な「友情の歌」のデュオ。
もちろん高田さんと与那城さん。

次いで、「蝶々夫人」からの有名なデュオを小川さんと
鳥木さんが花びらを舞い散らしながら歌い、
最後は全員で「乾杯の歌」を~歌う順番を争うかの
ギャグ(コント)的芝居を交えながら~歌って
この日の企画としても見事なガラ・コンサートを終えた。
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最後になったが、清水さんによる演奏は毎回素晴らしく、
この日もオケの個々の楽器の特徴がとりわけよく出ていた
のがハバネラや仮面舞踏会、舟歌やトスカ、
ドン・カルロ等々、いや結局全部なのだが、
一人オーケストラとして歌手を見事に支えた。
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終演後のロビーはファンと出演者でごったがえしており、
タームオーバーの声が会場関係者から出たため、
出演者の皆さん全員とは写真撮影はできなかったが、
小川里美さん、鳥木弥生さん、彌勒忠史さんには撮影
させていただいた。
https://www.yamahaginza.com/hall/event/003517/

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