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2018年11月18日 (日)

江戸川フィルのブルックナー8番

18日午後、江戸川文化総合センターで
江戸川フィルハーモニーオーケストラの
第36回定期演奏会を聴いた。
同オケを聴くのは初めて。指揮は田部井剛さん。

直接のきっかけは、長谷川陽子さんのファンクラブ会員
でもある同オケのチェロ奏者Sさんからの情報によるが、
曲がシューベルトの「未完成」とブルックナーの8番という
凄いプログラムに驚いて関心を持ったことによる。

こうしたチャレンジ精神のあるアマオケには
心から敬意を表する。

ブルックナーの第3楽章でのチェロパートソロの、
よく統制のとれた立派な演奏を含め、弦は特に優秀で、
ヴァイオリンパートもよく揃っていた。
もっとも、ヴァイオリンとヴィオラが正団員急募とプロブラムに
あったように、弦にはエキストラが多かったのは事実だが。

プログラムによると、このオケは1986年に
「江戸川区の音楽文化の向上・発展に寄与する」という
目的で創設されたという。それもあってか、
指揮者が登場する前に、コンミスに合図で江戸川区歌が演奏
されたが、こういうことが必要かは疑問。
来場する人は私がそうであるように
、同区民ばかりとは限らないので。
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シューベルトの交響曲第7番「未完成」はガッシリとした
堅固な質感による演奏で、指揮も振り過ぎと思うほど
鋭角的な振り。この曲特有の哀愁感や静けさや繊細より、
ひたすら拍の中で正確に収めようとするアプローチ
なので、特に第2楽章は物足りない。

弦のさざ波に乗って、木管が歌う場面や、
ホルンのこだまによって冒頭と同じ場面が戻ってくる
ところなど、まったくソッケない。
ロマンティックな表情が皆無。
こんなに 「感動しない未完成」 は初めてだったので、
ブルックナーはどうなることか?と心配になったが、
杞憂に終わった。
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休憩後のブルックナーの交響曲第8番は
ノヴァーク版1890年第2稿による。
「未完成」での叙情よりは速めのテンポによる骨太の、
剛毅で推進的なアプローチがこの曲の~少なくとも
一面を~よくとらえていて、結果、成功したと思う。

過去の録音で言うなら、シューリヒトがやった
アプローチに似ていると言えると思う。

1例というか、象徴的な例として挙げれば、
女性ティンパニ奏者は「未完成」では明らかに叩き過ぎ、
硬い大きな音で不要な叩きが散見されたが、
ブルックナーでは逆にそれが生き、第4楽章だけでなく、
全体的に迫力ある演奏により、全体をよく牽引していた。

先述のとおり、弦全体が特に優秀だったし、木管、
トロンボーン、ワーグナーチューバは好演だった。
ホルンやトランペットは時折吹き損ないも無いわけでは
なかったが、鑑賞に支障をきたすほどではなく、
健闘していたと思う。

ゲストコンサートミストレスの岩田慶子さん
(桐朋学園大学卒)は大きな動作、合図で
申し分ない。とても良いリードだった。
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ホールは1~2階のロビーはキレイだが、肝心の音響は
良いとはいえない。
ステージの中だけで響いており、客席に大きく広がる感じは
しない。
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最後に一言。
田部井さんの指揮で、他のアマオケを3つほど聴いているが、
いつもプログラムを見て思うのはプロフィールが長過ぎる
ということ。
そのオケの常任ならともかく、客演で、
プログラムの大きなスペースを自分のことで割くのは
いかがなものかと思う。あまり良い感じはしない。
http://www.edophil.jp/index.html#concert

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