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2018年10月21日 (日)

東京合唱団の「エリア」を聴いて

昨年はメンデルスゾーンの没後170年だったが、
今年は特に何らかの区切りがあるわけでもないのに、
9月から10月にかけて、都内の4つの合唱団が
メンデルスゾーンの「エリヤ」を演奏する、という
非常に珍しい状況が生じた。

第九のように頻繁に演奏され(過ぎ)る曲と違い、
滅多に演奏されない2時間30分前後を要する大曲を
2か月間に4団体が演奏、というのは偶然とはいえ、
驚きだ。

私は武蔵野合唱団は都合で第一部のみの拝聴、
東京アカデミー合唱団は全曲拝聴、
合唱団鯨は私自身が団員としてステージに立ち、
そして20日午後、紀尾井ホールで1954年創設の
歴史ある東京合唱団による演奏を聴いた。
同団が「エリヤ」を演奏するのは、何と1957年以来、
実に61年ぶりとのこと。

この4団体の特徴、全体の印象は当然ながらマチマチで、
それが演奏の面白い点であるわけだが、
東京合唱団はオケの人数に象徴されるように、
室内楽的志向という色合いを感じた。

合唱団員の総数も、4つの中では一番少ないが、
各パートのバランスは一番良いと言える。
ソプラノ=21人、アルト=26人、テノール=14人、
バス=18人の合計=79人。

これに、今回、ソロの少ない部分をソリストとして歌った
横山和美さんがソプラノパートに加わり、
同様に松浦恵さんがアルトに、濱田翔さんがテノールに、
堤智洋さんと井上大聞さんがバスパートにそれぞれ
加わって合唱パートも歌われた。

指揮は、創設者の前田幸市郎先生のご子息で、
1997年よりこの合唱団を指揮している前田幸康先生。
2007年以降は音楽監督。

オケの東京KMG管弦楽団は、1982年に前田幸市郎氏
によって創設されたプロオケ。
東京近郊の音大の先生やフリーランスの奏者からなる
室内管弦楽団。ソリストは以下のとおり。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
萩原 潤…エリヤ(バス)
中江早希…第1ソプラノ、天使、やもめ
寺谷千枝子…第1アルト、天使、王妃
藤井雄介…第1テノール、オバディア、天使
横山和美…第2ソプラノ、天使、少年
松浦 惠…第2アルト、
濱田 翔…第2テノール、天使、アハブ王
堤 智洋…第1バス、天使
井上大聞…第2バス、天使
・・・・・・・・・・・・・・・

第1部の、特にその前半は合唱のテノールとバスという
男声がとてもよく声が出ていたのだが、
曲が進むにつれて迷いのようなものが感じられ、
第16曲の「Das Feuer fiel herab! Feuer!」の出だしや、
第1部終曲の第20曲の冒頭「Dank sei dir,~」がその典型で、
遅れただけでなく声量も乏しかった。

女声2パートは終始キチンと歌っていたが、
歌いきる事に終始して、個々のナンバーで重要な単語の強調
などはあまりなされていなかったように思えた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さすが、前田幸康先生だな、と思ったのは、
トロンボーンとチューバを、客席から見て右手の
コントラバスの更に後ろに置いたこと。
これにより、東京アカデミー合唱団や鯨で、
ともすればありがちだった男声が消されてしまうことが
極力抑えられ、テナーやバスが比較的よく聴こえてきた
大きな要因と言えると思う。さすがの配慮だ。

前田先生のとったテンポは総じてゆったりめの
余裕あるテンポ。
速めにとったのは、第22曲の34小節目からの
ピユ・アニマートの部分と、第36曲、
そして最後の第42曲のアレグロからの部分くらいだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ソリストではオバディアを歌った藤井雄介さんの声が
美しく伸びやかで、とても素晴らしかった。

エリヤ役の萩原潤さんの声は、
重厚な青山貴さん(武蔵野合唱団)とも、
威厳あるキュウ・ウォン・ハンさん(東京アカデミー合唱団)とも、
スタイリッシュで格調高い与那城敬さん(合唱団鯨)とも
違い、
声量が弱い分物足りないながら、
温かい声質による穏やかなエリヤというイメージを提示
するものだった。
これはこれで興味深く聴かせていただいた。

中江早希さんは伸びやかでピュアな声が美しく、
大ベテランの寺谷千枝子さんの端正で彫琢ある
格調高い歌声を聴けたのは嬉しかった。

最後の曲では、ソリストも合唱といっしょに歌ったが、
鯨のときのように第42曲の最初からではなく、
アレグロに入って終わり近く、90小節目から
4人のメインソリストも立ち上り、
合唱といっしょに歌い終えた。
http://tokyochor.jp/concert.html

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