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2018年9月 1日 (土)

オーケストラ ハモン~マーラー交響曲第6番

1日午後、東京芸術劇場で、オーケストラ ハモンの
第39回定期演奏会を聴いた。指揮は冨平恭平さんで、
曲は、ウェーベルン「夏風の中で」とマーラーの交響曲第6番。

同オケを聴くのは、「3.11」直前2011年2月のミューザ川崎での
マーラー3番以来。そのときの指揮者も冨平恭平さんで、
あのときは今や大活躍のメゾ清水華澄を私が「発見」した日
でもあった。
また、冨平さん指揮によるマーラーを聴くのは、2016年11月の
ルスコアール管弦楽団による今回と同じ6番以来。
冨平さん自身、2年前の経験が今回役だった旨、フェイスブックで
述べられている。

オーケストラ ハモンは1997年に結成され、翌98年に
第1回演奏会をマーラーの5番によりスタートしているオケ。
後述のとおり、マーラーだけ見てもその演奏の歴史を重ねている
とおり、優秀なアマオケだ。
特に管が全体的に巧いオケだと思う。今回の配置は対抗配置。

1曲目のウェーベルンの作品は好きな曲でスコアも持っている。
マーラー6番が書かれた同じ1904年、ウェーベルンが
ウィーン大学在学中の21歳のときの作品。
タイトルどおり爽やかでロマンティックな小品。
特に出だしとエンディングが美しい。中間部は、影響を受けた
であろうマーラーの幾つかのシーンと比べると、若書きの
稚拙さもあるが、それも含めて率直な心が見て取れる佳作
だと思う。演奏も良かった。

休憩後のマーラー。
マーラー自身が悩んだというスケルツォとアンダンテの順番、
すなわち第2楽章と第3楽章にそれぞれどちらを先に置くか
という順番については、
私は第2楽章にスケルツォ、第3楽章にアンダンテのほうが良い
と思っている。
理由は、第1楽章のパワーをそのまま第2楽章のスケルツォで
受け継ぎ(その分オケは大変だが)、アンダンテで落ち着いた後、
あの地獄のような終楽章に入っていったほうが効果的に想える
から。

冨平さんが選択したのは第2楽章にアンダンテ、第3楽章に
スケルツォという順番。もちろんそれはそれで、
曲自体が偉大ゆえ不満は無い。

第1楽章からドッシリしたテンポで私の嗜好と一致。
複数録音等を知っている人には、テンシュテット&ロンドン・フィル
と同じくらいの遅めのテンポ、と言えば想像が付くだろう。
トランペットの随所の高音のソロはとても立派。
ティンパニの強音での叩きはもっとあってもよいのでは、
と思った場面が幾つかあった。
終楽章での強打が立派だっただけに、部分的に、
あれと同じ様な叩きが欲しいと思った。

第2楽章で丁寧にしなやかに歌われたのち、スケルツォでは
スケルツォというよりメヌエット的なゆったりとしたテンポ設定は
ユニークで、レントラー風のアプローチ。
それにより威圧よりも丁寧さが出てくるので、
オーケストレーションの「あや」の面白さが見て取れて
面白かった。この楽章の演奏はとても印象的だった。

終楽章も、威圧感よりあくまでも造形のバランスを保って
進んでいくアプローチなので、まとまりが良く、複雑な音の
重なりも心地よい響きとして会場に広がっていた。
ハンマーの音は、演奏によってはあまり特殊な効果が出ない
こともあるが、この演奏では他の「楽器との違い」は
よく出て叩かれた。

優秀なアマチュアのオケと、整然とした確固たるアプローチ
による演奏を聴いていると、複雑にして演奏技術においても
最も難しいと思われる管弦楽曲の1つの極致のようなこの曲も、
もはや「古典」という域に入ったように想える。
もっとハチャチャ的な破滅的な6番もあってよいが、
係る丁寧で誠実さに満ちた6番があってももちろん良いと思う。
お疲れ様でした。

・・・・・・・・・・・
(参考)同オケの過去の定演におけるマーラー演奏歴(カッコ内は指揮者)
1998年第1回定演=5番(佐藤俊太郎)
1999年第2回=6番(佐藤俊太郎)
2000年第3回=9番(田部井剛)
2002年第7回=7番(田中良和)
2003年第10回=1番(冨平恭平)
2005年第14回=4番(長田雅人)
2008年第18回(創立10周年記念)=2番(長田雅人)
2001年第24回=3番(冨平恭平)
2014年第30回=5番(冨平恭平)
2015年第33回=7番(冨平恭平)

http://www.hamon.tv/

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