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2018年8月12日 (日)

イル・トロヴァトーレ~荒川区民オペラ第19回公演

12日午後は、サンパール荒川で、荒川区民オペラ第19回公演
 「イル・トロヴァトーレ」を鑑賞した。

荒川区というと下町のイメージがあるが、知る人ぞ知るオペラの
盛んな土地で、数年前までシリーズ化していた
 「あらかわバイロイト」は質の非常に高いもので、
歌手もオケも聴き応えある公演が続いたし、この今回19回目
となる荒川区民オペラは、アマチュアである荒川区民交響楽団が
中心となって毎年いろいろなオペラを積極果敢に上演してきて
いる注目に値する毎年の公演なのだ。

よってプログラムには当然、荒川区長が毎回挨拶文を寄稿して
いるし、区長は荒川区民交響楽団の名誉会長兼名誉後援会長
でもある。

12日は、マンリーコ役の、昨年初めて知ったテノールの
小笠原一規さんを楽しみにしていたし、実際、絶好調で、
特に第3幕最後のアリア[カバレッタ<見よ、恐ろしい炎を>]の
高音は輝かしく、聴衆の盛大で長く続く拍手と歓声を浴びた。
しかも、なんとこの場面は続けてアンコールされたから、
聴衆の興奮は最高潮に達したのだった。

藤原歌劇団員となり、活躍が一層増してきた中で、
コンクールとかは別にして、オペラ公演としては、たぶん今回が
これまでで最大にして最高の成功した晴れ舞台、
観客の度肝を抜くほどの圧巻のステージとなったに違いない。
苦労人でもある小笠原さんのこの日の成功を心から祝いたい。

レオノーラ役の森 美津子さんは初めて聴いたが、
長らくイタリアで活躍されてきただけのことはある実力者。
第1幕では中音域での明瞭さと声量がやや足りない気もしたが、
高音が素晴らしく、特に第4幕第1場での「恋はバラ色の翼に乗って」
は絶品と言えるほどの名唱だった。

私にとって嬉しかったのは小笠原さんの成功に加えて、
アズチェーナ役を歌い演じた河野めぐみさんの「発見」。
これまでも、この区民オペラで聴いているが、
今回は最も印象的で感動的な歌唱を聴かせてくれた。
失礼ながら「こんなに歌える、こんなに魅力的なメゾだったか」
と驚いた。
特に第2幕第1場での「炎がはじける」が圧巻だったし、
第4幕第2場でのマンリーコとのデュオ「私たちの山へ戻ろう」
での叙情性豊かな歌声で素敵だった。

区民が中心の合唱団による第2幕冒頭の有名な
「アンヴィル・コーラス」は良かったが、他の場面での
男声だけの部分ではややアンサンブルに精度を欠いたが、
年配者が多いと想われる少人数にしてはよく歌っていた。

オケはアマチュアながら、オペラ慣れしているだけでなく、
金管を中心に総体としての響きはとても立派。
弦の繊細な部分等での弱さはやむを得ないが、
総じて鑑賞に全く支障はないだけでなく、立派な演奏
と言える。

私は荒川区民オペラの拝聴は今回で確か3回目かと思うが、
毎年アンサンブルがどんどん良くなっている気がする。

澤田さんの演出は、狭いステージをシンプルにして効率よく、
色美しく施したもので好感が持てた。とても良かったと思う。

指揮の小﨑さんは何度もこのオペラ公演で振っている人だけに
要領を得て全体をまとめていたし、アリア後に起きる拍手や
ブラヴォー等を待って次に入るタイミングも要領よく進行
させていた。

なお、会場では11日にアズチェーナを歌われた杣友惠子さんと
ルイツ役で出演された川出康平さんとお会いしたが、
11日は都合悪く来場できなかったので、お2人の歌声を
今回の公演で聴けなかったのはとても残念だった。

・・・・・・・・・

指揮:小﨑雅弘

演出:澤田康子

管弦楽:荒川区民交響楽団

合唱 :荒川オペラ合唱団 指導=新井義輝

 12日のキャストは

レオノーラ:森 美津子(ソプラノ

マンリーコ:小笠原一規(テノール)

ルーナ伯爵:佐野正一(バリトン)

アズチェーナ:河野めぐみ(メゾ・ソプラノ)

フェランド:比嘉 誉(バス)

イネス:藤田英璃奈(ソプラノ)

ルイツ:板垣哲也(テノール)

老ジプシー(両日):秋本健(バリトン)

伝令(両日):吉川響一(テノール)

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物語自体は、「トスカ」っぽかったり、男性2人よりヒロインが
性格的にしっかり者という、ありがちな設定だが、
アリアと合唱の設定と流れで人気作となっている、
と言えるだろう。
http://www6.big.or.jp/~ada/trovatore.html

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