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2018年6月 3日 (日)

オープンシアター~ヘンゼルとグレーテル

神奈川県民ホールがリニューアル記念としての主催「みんなでたのしむオペラ~ヘンゼルとグレーテル」を3日午後、同ホールで観た。
謳い文句を「すべての子どもたち 大人たちに贈る」「芸術に出会い 劇場を体験する」としているように、親子連れ歓迎を主体とした上演で、もちろん大人単独もOK。
演目はフンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」。
指揮は急な代演とのことで沖澤のどかさん(当初の予定は現田茂夫氏)。
オケは神奈川フィルハーモニ管弦楽団。
担当コンミスが伊藤文乃さん。
歌手陣がヘンゼルに青木エマさん、グレーテルに鵜木絵里さん、パパ役に宮本益光さん、ママ役兼お菓子の魔女役に岡本知高(ともたか)さんという素敵なラインナップ。
そして地元の赤い靴ジュニアコーラスと赤い靴スタジオの皆さん。

約70分に要約しての上演(休憩なし)だが、午前11時開演と午後2時開演の2公演なので出演者は大変だっただろうと思う。私が観賞、拝聴したのは前述のとおり午後の公演。

4歳児以上入場可なので、セリフや歌詞はもちろん日本語で、バリトンの宮本益光さんによるその歌詞をステージ上部に日本語と英語のスクリーンで掲示した。

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青木エマさんと面識があるだけでなく、武蔵野合唱団で歌わせていただいた時期にご指導いただいた沖澤のどかさんの急な出演とあって、たぶん神奈川フィルを振るのは初めてだろうし、昨年ベルリンドイツオペラで新作オペラを振ったが日本での巨大なホールでのオペラ指揮は初めてだろうと想像し、これは行かねばと楽しみに神奈川県民ホール大ホールに向かった。
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午後2時になっても親子連れがまだ入場してくるというノンビリとした状況もたまには悪くない。10歳以下と想われるお子さんを連れた親子が8割か9割を占める大ホールは7割近くは埋まったかもしれない。約2433人のホールの1階は1509席の7割だし、午前公演もあってのそれだから、大盛況と言ってよいだろう。雰囲気的にも賑やかなお祭り的雰囲気だった。
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歌手では岡本さんの風格と声量もさすがだが、贔屓目抜きに青木エマさんの声の通りが素晴らしく、想像以上の声量を確認できた。宮本さんは最近あまり感心しない公演もあった気がするがこの日は絶好調で充実していた。鵜木さんは相変わらずの可憐さでチャーミング。
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今回驚いたのは田尾下哲さんによる演出で、広いステージを生かした美しくユーモラスな、手抜きの一切ないセットや場面転換。何より稲葉直人氏による照明が美しく、ここまで照明は効果を上げた公演は私は数えるくらいしか知らない。あまり思い当たらないほどの多彩で美しい照明で見事だった。
当初から親子(連れ)向けの上演ということが判っていたので、開演するまで係る演出を含めた全体のクォリティを少し心配していたが、どうしてどうして、これは仮に大人オンリー対象の公演であったとしても十分鑑賞にたる立派な公演だった。
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そしてこれまた何よりも、このオペラが入門的にも、親子連れで楽しむオペラとしても、これ以上ないほど最適な作品であることをあらためて強く実感した。しかも、単に長和音進行がメインで聴きやすい(俗に言う解り易い)作品であるだけではなく、オーケストレーションにおける臨時音や転調、強弱、楽器の使用における巧みさ等々、作曲技法においても極めてクォリティの高い見事な作品、第一級のオペラの1つであると強く実感した。素晴らしい作品だ。
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最後に、沖澤さんの指揮も、これまた贔屓目抜きの堂々としたもので、彼女を初めて知った5年ほど前に比べて大きく成長していることが確認できて嬉しかった。ルーマニア国際指揮者コンクール3位。ベルリンのハンス・アイスラー音楽院で現在も研鑽中だけのことはある。これからが益々楽しみだ。
終演後、青木エマさんは見つけられなかったが、沖澤さんとは楽屋に出向いてご挨拶後、帰途についた。

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