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2018年5月12日 (土)

アンサンブルセバスチャン室内楽コンサート 2018 塩尻レザンホールで聴いた岡田愛さん

東京芸大大学院の独唱科に在籍中のソプラノ岡田愛さんを
初めて聴いたのは昨年7月、杉並公会堂でフランコ酒井さんが
主催する「OPERA MANIAⅡ」の新人紹介コーナーだった。
あまたのベテラン先輩諸氏の中にあって、丁寧さに注力され、
ふり幅の大きな表現は控えめな印象を受けたが、
それでも純な初々しさと真面目さのよく出た誠実な歌唱が
印象的だった。
 (最下段にブログに書いたそのときの感想を再度アップ
  しています)。

そして、先日5月4日と5日の「ラ・フォル・ジュルネ」では、
そのときにも増して一段と伸び伸びと歌われていたのが
印象的で、自信を付けながら着実に成長されていると実感して
嬉しかった。

その岡田さんやバリトンの松島誠治さんらを招いての
室内楽コンサートが、12日午後、私の両親の故郷、
長野県塩尻市にあるレザンホール(塩尻市文化会館)で
行われたので出かけた。

1996年10月にオープンしたこのホールは未だ行ったことが
なかったので、以前から行きたいと思っていたこともあり、
その点からも良い機会だったし、後述のとおり
バラエティに富んだ素敵なコンサートだった。

なお、「レザン」はフランス語でぶどうの意味があり、
たくさんの文化活動が大きな房になり実ってほしい、という
願いを込めて名づけられたとのこと。
大ホールと中ホールがあり、本公演は中ホール。

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アンサンブルセバスチャン室内楽コンサートは
1995年に結成された「アンサンブルセバスチャン」が
2008年からレザンホールで開催している
室内楽コンサートで、よって今回が11回目とのこと。

アンサンブルセバスチャンは
「信州の自然をこよなく愛する県内外で活躍する
 プロの音楽家と、県内のオーケストラ楽団員等で
 構成されている」
とあるから、プロアマ混成のアンサンブルということだろう。

プログラムによると(今回は)ヴァイオリン8人、
ヴィオラ4人、チェロ3人、コントラバス1人、
チェンバロ(ピアノ)1人、
フルートとオーボエ、ファゴット、ホルンが各2名。
指揮は宮崎県延岡市出身で、長野県に移住後は
指揮とクラリネット奏者として活躍してきた山田哲男さん。

 演奏曲は以下のとおり

1.ヴィヴァルディ
 4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調Op.3-10

2.モーツァルト
 フルートと管弦楽のためのアンダンテとロンド
   (KV.315&KV.373) フルート独奏=丸山貴菜

3.ハイドン チェロ協奏曲 第2番 ニ長調
       チェロ独奏=武井英哉

 (休憩)

4.モーツァルト 魅惑のオペラアリア集
     ソプラノ=岡田愛、バリトン=松島誠治

(1)「フィガロの結婚」より
   ①さあ、ひざまづいて ②訴訟に勝っただと!
   ③ひどいぞ、どうして今まで私を焦らせたんだ

(2)「ドン・ジョヴァンニ」より
   お手をどうぞ

5.モーツァルト ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 KV.450
        ピアノ独奏=木内 栄

アンコール
1.「魔笛」より「パ・パ・パ」のデュオ
2.アヴェ・ヴェルム・コルプス

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 感想
1曲目のヴィヴァルディはコンミスの平波智映さんとその妹の
華映さん姉妹というプロ奏者主導ゆえ、
とても格調高く立派な演奏だった。

2のフルート独奏の丸山貴菜さんは東京音大出身で、
松本市内でのリサイタルの他、県内外でのおソロや
室内楽等で活躍とのこと。
温かな音色で終始安定していて、とても良かった。
外見もとても可愛らしい人。

3曲目のハイドンのチェロ協奏曲第2番は久々に聴いたが、
あらためてソロパートの超絶技巧と言ってもよいほどの
 難易度の高さに驚いた。
チェロ独奏の武井英哉さんは下諏訪出身、
桐朋学園で青木十良さんに師事された人。
部分的に音程が決まり切れていないところは散見
されたが、終始果敢にして自分の演奏を客観的に俯瞰
しながら楽しんでいる雰囲気が良かった。
なお、カデンツァはフォイアマンのもの。
これは終演後、ロビーで武井さんに直に確認した。

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休憩後はモーツァルトのオペラアリア集。
「さあ、ひざまづいて」では、岡田愛さんの妹さんの望さんが
黙役としてのケルビーノとして共演されたのが
微笑ましかった。
「訴訟に勝っただと!」を歌った松島誠治さんは
初めて聴いたが、ダルムシュテット市立音大で学んだ人。
オーソドックスな声と快活でユーモラスな雰囲気が
体から感じられる人。
声の質感は「お手をどうぞ」でよく出ていた。

岡田さんは歌曲に注力されていることもあってか、
オペラアリアでことさら大仰な表現やアクのある歌い回しを
する人でなく、演技の中でも端正なアプローチをされている感が
あるが、それでも1年前に感じた以上に声に潤いが
増している感が強くした。今後の変化が更に楽しみ。

なお、このオペラアリア集では、オケの、特に管楽器が
全体的に音量が強すぎた感はあり、
部分的に声を消すところの一歩手前まで行く場面も
散見されたのは惜しいと思った。

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プログラム最後のモーツァルト ピアノ協奏曲第15番も
ハイドンの協奏曲同様久しぶりに聴いたが、
曲想やリズム等においても20番以降のコンチェルトに負けない
くらいの個性のある曲だし、技術的センスを求められる曲で
あることが解った。
ピアノソロはこのアンサンブルの音楽監督でもある
木内栄さん(女性)で、繊細というよりアグレッシブに
弾いていく人なので、モーツァルトより
ベートーヴェンのほうが似合うかもしれないが、
それでも情熱的なモーツァルトでとても楽しく拝聴した。

アンコールでは岡田さんと松島さんが再び登場して、
「魔笛」より「パ・パ・パ」のデュオと
「アヴェ・ヴェルム・コルプス」が演奏された。
前者では松島さんの真骨頂かもしれないユーモラス感が
よく出ていた。
後者は私は合唱の各パートやオケのアンサンブルパート
としての旋律や和音進行をよく知っているが、
オケ伴奏の中で岡田さんと松島さんという、
ソプラノとバリトンによる歌が進んでいく演奏ゆえ、
聴衆は自然とその和音進行を知ることになったので、
その点からも2人の歌唱とオケによる
「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の演奏は
意義があったと思う。

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 プログラムより
塩尻市長の小口利幸氏が挨拶文を寄せているだけでなく、
今回は不都合だったが、例年は舞台挨拶もされていた
というから、広く市民に認識され、
支持されっているコンサートということがうかがえる。

私の祖父が起業し、今は叔父とその長男である
私の従弟が継いでいる信州伊藤石材(株)も
プログラムに広告を掲載していたので、
よけいに嬉しかった。

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参考;2017年7月31日「OPERA MANIAⅡ」のときの
ブログに書いた感想を再度引用

「1曲目の「私のお父さん」からすぐ感じたが、
 とても軽やかでピュアな声なのだ。
 この曲は丁寧に歌うことに専念されたようで、感情移入は
 少なかったように想えたが、オペラ公演での中だったら、
 もちろんもっと役のキャラクターに入り込んで歌われた
 ことだろう。
 2曲目のR・シュトラウスの「朝の歌」は、清らかさに徹して、
 シュトラウスの抒情性がよく出ていたし、
 3曲目の「初恋」は特に私には魅了された。
 控え目な表現の中に、瑞々しさと懐かしさを感じさせる
 清らかさは、今後十分彼女の「個性」「特徴、特性」として
 伸びて行く要素ではないかと強く感じた。
 今後に期待したい」

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