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2018年4月29日 (日)

俊友会管弦楽団 第59回定期演奏会

個人的には昨年11月の札幌第九特別公演に参加させて
いただいたオケの、それ以来の演奏会となる公演を、
29日午後、すみだトリフォニーホールで聴いた。
指揮は2016年第57回定演に登場して以来の
中田延亮(のぶあき)さんで、曲目は

1.R・シュトラウス
 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」

2.ラヴェル 管弦楽組曲「マ・メール・ロワ」

3.ストラビンスキー「ペトルーシュカ」(1947年版)

意欲的なプログラムだ。
「ティル」はホルン次第の曲と言ってよいほどホルンのソロに
比重の掛かる曲だが、冒頭はややミスがあり、
残念というところだが、後半に再び出るところではほぼ完璧で
なかなか良かった。

全体的に真面目さと熱さが伝わる力演で、
この真面目さと熱心さはこのオケの特色なのと、
たぶん指揮者の中田さんの特色でもあるのかもしれない。
この指揮者とオケのコンビネーションは良好と見てとれる。

演奏に戻ると、したがって「いたずら」というユーモラスさまでに
至っていない感じがしたのは、なんせ難しい曲ゆえ、
他の多くのアマオケも含めて(共通の事として)完成度を
高めることのみに終始してしまうのはやむを得ないところだろう。

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2曲目は私の大好きなラヴェル。
とりわけ「マ・メール・ロワ」は子供心のような純で素朴で
幼い心を残した曲想を、精緻で美しいオーケストレーションで
描いた愛すべき作品。
ドビュッシーが客観的でクールで、パステル絵画調のような
霧や靄(もや)の描写を想わす繊細な作風に対して、
ラヴェルはもっと純朴で直截的な感情移入のある
カラフルな作風と言えるだろう。

ドビュッシーが「諦念」を感じさせる曲が多いのに対して、
ラヴェルには「優しさ」を強く感じる、そういう作品が多いと
私は感じている。

この作品ではとりわけ子供心を想起させるような
懐かしさと愛らしさを強く感じる。
終曲「妖精の園」の静謐でいて奥に強い感動を秘めた曲想は
比類ないほど美しいものだ。

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休憩後の「ペトルーシュカ」では井上バレエ団との共演
という珍しいステージ公演も今回の特色の1つだ。
演出は石井竜一さん。彼も含めて男性2名、
女性7名による舞い。

よってステージは公演開始の1曲目から既にステージ寄りの
客席からイスが隠され、5メートルほど客席側に食い込む
かたちでステージが拡張されていたのだが、
そのスペースを使っての舞いで、とても楽しめた。

俊友会は2007年以来、毎年1月に日本バレエ協会関東支部
神奈川ブロックの自主公演での出演オケとして、
アマオケでは珍しくバレエに関わってきているオケだが、
今回はそれに相応しい演目だし、
演奏も優秀なトランペット群をはじめ完成度の高い、
とても立派な内容だった。

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以前の俊友会、すなわちコントラバスの名手から指揮者に
転じた堤俊作さんが指導していたころは、
弦の優秀さに特色があったように想えるが、ここ数年は
金管や木管に優れた奏者が増えたように想える。
この日も、3曲とも木管が素晴らしく、
金管もとりわけ「ペトルーシュカ」では素晴らしかった。

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