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2018年2月12日 (月)

片山杜秀氏「クラシック界の未来」(日経朝刊)を基に考える

評論家の片山杜秀氏が11日の日本経済新聞朝刊の
「文化」欄(最終紙面)に「クラシック界の未来」と題して
寄稿されている。
 要約するとこうだ。
「2020年東京五輪までは文化芸術に対する公的助成の
 規模は保たれ、企業のサポートも続くだろう。
 だが、それ以降は、公共の予算は介護、子育てや
 教育で手いっぱいになり、企業の社会貢献事業における
 クラシック音楽の優先順位も下がるだろう」。

「クラシック好きの割合において、40代~50代はその上の
 世代に比べ激減している。それはクラシック音楽の
 演奏会に足を運べば一目瞭然だ。
 これからの政治家や財界人、官僚等の指導層でも
 クラシック音楽を大事に考える人は減るだろう」。

「厳しい時代になるが、それでも一定のファンがいる
  (そういう市民権がある)のは事実だから、適正な規模
 での生き残りを主張していけば、なお未来はあると
 信じている」。

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としている。
最後の希望部分は抽象的で曖昧な文言なのは残念だが、
主旨は、私もこれまでブログ等で何度も書いてきていることと
同じだ。

器楽声楽を問わず、リサイタル、室内楽、オーケストラ演奏会、
オペラ等のジャンルを問わず、ここ5年内にライブに
一度でも行ったことがある人なら、誰でも直ぐに否応なく
気づくことは、
「来場者の7割から8割は、70歳前後(あるいはそれ以上)」
という現状だ。
本当にジャンルを問わず、クラシック演奏会のほぼ全て
そういう状況だ。

ということは、今来場されている人の大多数は、
20年後はむろん10年後は来場しないことを意味している。
ご健在であっても、今ほどは来れないだろうことは
容易に想像がつく。
ファンとして危機意識を持つが、誰よりもアーティストの皆さん
こそ最も深刻に危機意識を抱いているに違いない。

「若い人をファンとして取り込んでいく」ことへの努力は、
個々のアーティストご自身はむろん、ファンとしても、
少しでも手助けしたい、と感じるところだ。

現在も、CD鑑賞だけでなく、コンサートやオペラに出かけ、
あるいは贔屓の演奏家を応援している人は少なからずいる
ことはもちろん知っているし、私もその1人だが、
個人としての応援は限界があるのも自明の理だ。

個々のチケット購入だけでなく、SNS等を通しての情報発信、
感想公表を含めたアーティストや音楽団体の紹介等々、
ファンから発信して、若い層の仲間を増やす努力は
今後益々重要度を増すだろうし、何より、
アーティストご自身も努力されるべきだろう。

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アーティストの皆さんに敢えて言いたいのは、
私を含めたオジサン、オバサンは放っておいてよい、
ということ。
放っておいても、ファンなら来るときは来る、
行くときは行くから大丈夫です。

いわんや万一「タニマチ」的な老人が存在しているなら、
そんな老人こそ放っておき、若い人達に情報を発信
されたほうが、これからは何倍も得、ということです。

媚を売る必要はむろんないが、若い層にご自身から
PRを一層強化されることは重要なことだと思う。
その場合、「直前の演奏会案内」はファンを驚かすだけでなく、
対応は難しいものとなりがちだから、
演奏会情報はマメに早めに発信して欲しい。

そして、フェイスブックでも、なるべくなら、
演奏会情報だけでなく、そのアーティストに関心を
持ってもらう材料はなるべく発信されたほうがよいと思う。

もっとも、私自身の考えは、アーティストが、例えば
お子さんの写真等のプライベートな部分を「頻繁に」公表
することはあまり良いこととは思っていない。

とはいえ、「ご自身がご出演される演奏会情報だけを
時折発信されるだけ」というのも、
ファンとしてはやはり寂しい。
これはたぶん私に限らない「わがままなファン心理」
だとは思うが、バランスの良い情報発信等で、
若い世代におけるクラシック音楽ファンを増加させて
いく努力は、アーティストとファンの共同作業として
今後益々重要なことになるに違いないと思うし、
私も当然、微力ながら応援していきたいと思う。

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