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2018年1月 7日 (日)

オルケストル・デ・ベル第1回演奏会~初回の演奏会で第九をやる めでたさと大変さ

Orchestre des bellesというフランス語表記のオーケストラ
の第1回演奏会を6日夜、ミューザ川崎で聴いた。
指揮は今年30歳になる水戸博之氏。

客席からステージを見た印象では若い人が多い。
平均年齢はきっと低いだろう。多くが20代かもしれない。
まずは第1回演奏会おめでとうございます。曲は

1.ベートーヴェン「レオノーレ」序曲第3番
2.ベートーヴェン 交響曲第9番

鷲尾麻衣(sop)、鳥木弥生(mezzo)、城宏憲(ten)、加藤大聖(br)

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創立後の初回の演奏会は親しみやすい曲から開始し、
何年も経ってから第九に挑むというアマオケが多いと
想像するが、みなとみらい21交響楽団のように「曲ありき」で
普段は他の楽団で活動する奏者が集うかたちで結成され、
第1回演奏会にマーラーの交響曲第9番をやったオケもある。
ケースとしては少ないほうだろうが、
この「美女と野獣」のヒロイン名を冠したベルオケも
どちらかと言えば後者だろう。

「公募ではなく、団員の声掛け(口こみ)で集まった」というから
ほとんどの人は(他に所属しているかどうかは別として)
オケ経験者だろうし、第九も経験している人も少なからず
いたかもしれない。

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それでも初回演奏会を大曲で挑むことには一長一短ある
かもしれない、そういうことを感じた演奏会だった。

オケの配置は通常配置。
2曲とも速めの、というかオーソドックスとも言えるテンポ。

序曲は丁寧な演奏だが、ディティールにもう少し余裕と工夫が
欲しい。

15分の休憩後の第九。合唱団は第1楽章から着席。
ブライトコプフ版での演奏で、第1楽章は普通のテンポで
進むが、とても平凡で退屈。
唯一個性というか工夫が見れたのは、コーダの入口の
513小節に入る直前に大きな間を置いたこと。
山田和樹さんほど大きくはないが、それでも2秒近く空けた
かもしれない。この部分は気に入った。

第2楽章も速めで特に特徴が無い。
トリオも速くて私が嫌いなテンポ。
エンディングに向かうコーダで、プレストに入る直前の
ティンパニのクレッシェンドが弱過ぎてほとんど全て「P」に
聴こえた。

第3楽章こそゆったりと演奏して欲しいが、
昨今は速いテンポが主流。今回もそう。気に入らない。
冒頭の第2ファゴットの音程は良かったが、
第1奏者の音程が悪いのは良くない。

第4楽章。低弦で歓喜のテーマが歌われ出すところは
急いで入らず、間を置いたのは良かった。
弦の難所である練習記号「K」=431小節から進み、
ほどなくの443小節から448小節までだったと思うが、
いったん弱音に落とした後、449のウラ拍から「F」に戻す
という工夫をしていた。

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この日のために結成されたオルケストル・デ・ベル合唱団は
ソプラノとテノールが良い響きをしていたが、それは人数的
にも多かった点もあるだろう。
ソプラノが54名、アルトが38名。
多くの混声合唱団ではテナーが少なくバスが多いというところ
が多いが、今回集った男声は、テノールが32名、バスが28名。

テナーが少ない合唱団からしたら羨ましい人数比だろう。
その分テナーは伸びやかな声だったが、しかし例えば、
合唱開始間もなくの257小節から264小節間での、
テナーが旋律の途中でオクターブで上下して進む部分など、
あそこまで際立って目立つのはどうだろう?と少し疑問を抱く。

もっとも、
「だって、ベートーヴェンはそう書いているじゃないですか」
と言われれば、そのとおりなのだが。

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ソリストの入場は第1楽章からでも第3楽章からでもなく、
なんと第4楽章の歓喜のテーマが全奏で演奏される
練習記号「B」=164小節に入ってからだった。

バリトンの加藤大聖さんだけ4人の中では初めて聴いたが、
緊張されていたのか、声に不要なヴィブラートがかかり、
あまり堂々としていたとは言い難かったのが残念だった。
「nict diese Töne」の「Töne」は最近流行りの「G→F」では
なく、「F→F」なので良かった。他の3人のソリストは好調。

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冒頭に書いたが、第1回演奏会を第九でスタートするのは
素晴らしいと同時に、その分、今後の演奏会において
「ハードルを上げたかたちでスタートした」とも言える。
その意味では、おめでたいと同時に「善し悪し」かもしれない。
今後は今回の質を落とさない演奏活動を余儀なくされる。

今回は、オケも合唱団も個々においてはそれなりに
「弾ける人、吹ける人、歌える人」が集まった演奏会だった
と言えるから、一定のレベルは保たれた演奏会だったが、
特にオケは今後、より団としての本当の意味での練熟度、
にわかの寄せ集まりというのとは違う1つのチームとしての
アンサンブルに磨きをかけていく時期に入っていくだろうし、
その中から個性なり特色なりが出てくるだろうから、
今後の活動こそ重要なのだ、ということは当事者たちが
一番解っている(はず)だろう。
とにかく、第1回演奏会、無事終了、お疲れ様した。

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