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2017年11月25日 (土)

菊地美奈さんリサイタル~女性詩人による日本歌曲ほか

婦人国際平和連盟(WILPF)日本支部の主催による
第39回目のコンサートとして開催された菊地美奈さんの
リサイタルを25日午後、浜離宮朝日ホールで聴いた。
バスの河野鉄平さんがゲスト出演。ピアノは瀧田亮子さん。

婦人国際平和連盟(WILPF)は軍縮や女性の権利・公正の
実現や暴力の廃絶を目指す組織としてジュネーブに本部を
置き、日本支部は1921年に設立されたという。
美奈さんの祖母である辻キヨさんはその第9代会長を
務めた、というご縁もあるコンサート。

第1部では日本歌曲、第2部は河野さんを交えての
オペラアリアをメインとした構成で、第1部での日本歌曲は、
女性詩人による詩に作曲された作品をならべたのだが、
これは大正解というか、個性的で美しい歌曲がならび、
選曲においても平凡さが無く、とても素敵なプログラミング
によるコンサートとなった。曲目は以下のとおり。


第1部 女性詩人による日本歌曲たち

1.花の街  詞=江間章子  作曲=團伊玖磨

2.平城山  詞=北見志保子 作曲=平井庸三郎

3.ねむの花 詞=壺田花子  作曲=中田喜直

4.サルビア 詞=堀内幸枝  作曲=中田喜直

5.子守唄  詞=深尾須磨子 作曲=中田喜直

6.花野   詞=菊池瑩子  作曲=大橋美智子

7.竹とんぼに 詞=岸田矜子 作曲=木下牧子

8.トルコ桔梗 詞=内山登美子 作曲=大中 恩

(休憩)

第2部 オペラとアラカルト
1.プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」
       ~美奈さん

2.モーツァルト「フィガロの結婚」より
   「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」~河野さん

3.ボイド「メフィストーフェレ」より「これが世界か」
      ~河野さん

4.あどけない話  詞=高村光太郎  作曲=蒔田尚昊
      ~美奈さん

5.ヘンデル「リナルド」より「私を泣かせてください」
    ~英語で河野さん、イタリア語で美奈さん

6.コープランド 「猫を買ってきた」 ~河野さん

7.ボルコム 「ジョージ」 ~美奈さん

8.プッチーニ「トスカ」より
   「もし私が職務に背かねばならないとしたら」~
   「歌に生き、愛に生き」~美奈さん

アンコール
「歌をください」 詞=渡辺達生 作曲=中田喜直
~美奈さん

・・・・・・・・・・・・・・・
1は私は中学1年の音楽の授業を思い出す懐かしい曲。
「そうさん」は別として團さんの作品を初めて知った作品。
2の有名な曲では、ピアノ伴奏での和音が印象的で、
作曲された時代を想えば、相当斬新だったかと思う。

3は抒情的でとても美しい曲。
4は情熱的で鋭角的な曲想なので、美奈さんのパッション
によく似合う曲だったし、大きな拍手と歓声を獲得していた。

5も抒情的で和音も印象的。

6の「花野」にとても惹かれた。近代的な和音により曲想も
静けさとドラマティックの両面を内在した優れた作品。
あらゆる日本歌曲の中でも屈指の作品ではないか、と想った。
7と8は一転して親しみやすい楽しい曲により前半を
締めくくった。

・・・・・・・・・・・・・
後半は美奈さんにより、河野さんへのインタビューも
交えながらの進行。
休憩後の1曲目は言うまでもなく有名な曲だが、
美奈さんが歌うと決してありふれたアリアにならず、
特に終り近くのロングトーンの鮮やかさは見事。
ゆえに1曲目から大きな拍手。

河野さん登場の1曲目。バリトンではなくバスなので
ほっそりした身体と違って太い声によるこの歌を、
オペラさながらの演技を交えて歌い、
大きな拍手と歓声を得た。ボイドの曲も印象的。

「あどけない話」は有名な
「東京には空が無いと智恵子は言う」の詩に基づくもの。

「私を泣かせてください」は美奈さんが通われた
日本女子大学付属幼稚園から高校でのゆかりの曲でも
あるそうで、河野さんが英語で歌い、次いで
美奈さんがイタリア語で歌った際も、
河野さんが英語による詩を朗読してはさむ、という設定。
ただ、朗読の声はさすがにホールの後ろまでは
聞きとり難い感じはしたが。

「猫を買ってきた」はとても面白い曲で、猫だけでなく、
いろいろな動物が登場し、それぞれの声色(声真似)を入れ込み
ながら、河野さんはユーモラスに歌われ愉快だった。

「ジョージ」も、おかまのジョージアという面白い内容。

最後は「トスカ」で締めくくり、大きな拍手と歓声を受けた。
長く大きな手拍子による聴衆に応えてのアンコールは
「歌をください」という素晴らしい作品。とても良い曲。

美奈さんには特に「花野」とこの「歌をください」は
今後もたびたび歌い続けて欲しいと思った次第。

最後に手拍子が起きるほど、熱烈で長く美奈さんファン
である聴衆が多いことにあらためて感じ入った次第。

優秀な歌手はたくさんいる時代だが、
美奈さんほど多くのファン持つ歌手は少ないかもしれない。
ピアノの瀧田さんの演奏は申し分なく素晴らしかった。
http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/20171125.pdf

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