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2017年10月14日 (土)

神奈川フィル~武満徹「系図」とR・シュトラウス「英雄の生涯」

久しぶりに神奈川フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を
14日午後、横浜みなとみらいホールで聴いた。第333回定演。
指揮は常任指揮者の川瀬賢太郎さん。
曲が良いので、売出し早々に購入してあった。

前半が武満徹の系図“Family Tree”
 -若い人たちのための音楽詩-。

休憩後の後半は、
リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。
ヴァイオリン・ソロは同オケ第1コンサートマスターの
﨑谷直人さん。

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武満さんの「系図」は、これまで都内で演奏された演奏のうち、
過去3回ライブで聴いてきている。
晩年の明るく親しみやすい曲想とトーン。
少女による谷川俊太郎さんの詩「はだか」からの6つの詩の
ナレーション。
聴くたびになぜか熱い思いが毎回込み上げて来る。
なぜかという理由は自分でも解らない。

ニューヨーク・フィル創立125周年の委嘱作
「ノヴェンバー・ステップス」から25年、
創立150周年の委嘱作品。テーマは「家族」だった。

きっかけはズービン・メータから、
「子供のための(向けの)音楽を書く気はないか?」と打診
されたことだったという。1992年に作曲され、
12歳から15歳くらいの少女を想定したナレーションにより、
楽曲の中で語られていく、というスタイルをとっている。

世界初演は1995年4月に、スラットキン指揮のもちろん
ニューヨーク・フィル&サラ・ヒックスのナレーション。

日本での放送初演は同年5月、岩城宏之さん指揮のN響、
当時高校生だった遠野凪子さん。
ステージ初演は同年9月、小澤征爾さん指揮の
サイトウキネン&遠野凪子さんにより演奏され、
そのときのものが、レイブ・レコーディングされて発売された。
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美しく明るい調性で透明感と温かさ穏やかさに
満ちているが、オーケストレーションは実は大きい。
弦のハーモニクスの多用はいつもながらだし、
グロッケンシュピールやビブラフォン等の打楽器の多用も
いつものとおりなのだが、決定的に違うのは
トーンの明るさと温かさだ。

基本的には10代の女性を起用する演奏が多いが、
岩城宏之さんは後年、吉行和子さんを起用したりもした。

この日は1997年9月生まれなので20歳になったばかりの
タレントでモデルの唐田えりかさん。

初演した遠野さんの抑揚ある感情を込めたナレーションが
印象的だったが、昨今起用されるナレーターは、控え目で
抑制された単一のトーンで語る傾向がある。
この日の唐田さんもそうだった。

けれど、「おとうさん」における「ずっと生きていて」の部分や、
「おかあさん」における
 「私とも話しをして欲しい。帰って来て欲しい、今すぐ。
  泣いててもいいから。怒っててもいいから」
の部分では感情が出ていて、
彼女自身の両親に対する思いが出ていたのかもしれない
とさえ感じた。

オケは十分美しく、女性の首席ホルン奏者によるソロも
素敵だった。
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なお、 武満徹 系図 フロイデブログ
でグーグル検索していただくと、私がライブで聴いた以下の
3つの演奏会の感想が上位3つ続けて出てくるので、
興味があればご覧ください。

2008年1月18日の沼尻竜典指揮、都響&水谷妃里(ゆり)
2016年1月30日の山田和樹指揮、日本フィル&上白石萌歌
2016年8月27日の浅野亮介指揮、アンサンブル・フリーEAST
                       &浜辺美波
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さて、休憩後の後半は、「英雄の生涯」。
言うまでもなく難易度の高いハデな曲だが、
R・シュトラウスは室内楽的な細やかなオーケストレーションを
たくさん散りばめてもいる。

川瀬さんは冒頭や中間部(434小節から)の4分の3拍子
による行進曲調の部分ではキビキビと速めのテンポで
進めたかとおもうと、
その前後やエンディングの向かう部分でのゆったりとした
曲想の部分では遅めのテンポと言ってようほど穏やかな
表現に徹するなど、「メリハリの良い演奏」だった。
好演である。

コンマス﨑谷さんによるソロは、物語での妻=女性という
設定を踏まえての繊細でエレガントな演奏を基本としていた。
むろん低弦でのスフォルッツァンド等での迫力も十分で
見事な演奏だった。

私事になるが、私が活動しているオケの指導に昨年数回、
﨑谷先生に来ていただいた。
全く偶然だが、明日15日午前の練習にも久しぶりに来場して
指導していただけるとのことで、楽しみだ。

ご参考
デュトワ指揮N響1997年6月
https://www.youtube.com/watch?v=Tz2KIhHXrQ4

スラットキン指揮N響2016年4月
https://www.youtube.com/watch?v=sZ7N9QKNnuw

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