« 30代オペラ歌手の飛躍~音楽への真摯な思い~12日の日本経済新聞より | トップページ | 三善晃のレクイエム~8月15日に寄せて »

2017年8月13日 (日)

蝶々夫人~荒川区民オペラ第18回公演

荒川区民オペラ第18回公演「蝶々夫人」
 ~引き締まった好演

「オペラの素晴らしさ・楽しさを、より多くの人達に
 お伝えしたい!」というコンセプトの下、
アマオケである荒川区民交響楽団が中心になり
毎年公演を行っている「荒川区民オペラ」の第18回目の
公演である「蝶々夫人」を13日、サンパール荒川で聴いた。

今回も12日と13日は別メンバーというダブルキャストだが、
スズキ役の杣友惠子(そまとも けいこ)さんと面識があり、
12日は所用で観れなかったので、当然以下は
13日組に関しての感想となる。

ひと言で言えば、演奏も演出もシンプルに徹した引き締まった
良い上演だったと思う。

歌手の前にまず、オケを褒めよう。
何度もオペラを演奏してきた歴史があるオケだけに、
私が過去に聴いたこのオケの演奏の中でもとりわけ立派な演奏
だったように想う。

弦の精度は総じてとても良かったし、トランペットやホルン
という、とかく割れがちな金管群も大きな破綻はほぼ皆無
と言ってよく、集中力有る演奏だった。
むろん色彩の乏しさは、ホールの決して良いとはいえない音響
も含めて一定限度に留まるが、それはやむを得ない。
とにかく、アマオケがこれだけの内容で、
プロ歌手陣を支えたオペラ公演は称賛に値いする。

昨今、アマオケでもオペラに積極的に取り組むオケは
江東区民オペラほか、愛知県等を含めて徐々に増加して
きていると思うが、関東ではまず先駆的な活動をしているオケ
だし、荒川区そのものも、何年も続いた「荒川バイロイト」
という土壌ができている土地柄での成果とも言えるだろう。

今回は特にオケの練習の成果が見てとれたし、
もちろんそれを指導(指揮)した小﨑雅弘(おざき まさひろ)氏
の成果でもある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
蝶々夫人を歌った西本真子(まこ)さんは、
2012年にフィリピン国立歌劇場でこの役でデビューし、
翌年もシンガポールのリリック・オペラで歌うなど、
完全にこの役を得意とした自信を持った、しかし自然体と
新鮮さを失わない感情移入による歌唱で立派だった。

スズキ役の杣友さんは、メゾと言っても陰りの少ない、
ヴィブラートも過多でなく控え目な凛とした声なので、
体格の良さも含めて安定感と存在感のある立派な歌唱と
演技だった。

男声陣の中では私は特にシャープレス(領事)演じた
福山出(いずる)さんが良かったと思うし、
ヤマドリ役の星田裕治さんも良かった。
ピンカートンの田代誠さんは高音の伸びにやや弱さは
感じたが、なかなか良かった。
ケート役の杉山由紀さんはとても可愛らしかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
澤田康子氏により演出は冒頭書いたように非常にシンプルで、
良い意味で余計な遊びを排したもの。
むろん役によってはユーモラスな演技もあったが、
セットも含めて落ち着いた安心感を感じさせる自然体な演出で
好感が持てた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

主なキャスト

指揮 小﨑雅弘
演出 澤田康子
管弦楽 荒川区民交響楽団
合唱  荒川区民オペラ合唱団 合唱指導(副指揮)新井義輝

            12日     13日
蝶々夫人     吉田恭子   西本真子

ピンカートン   川久保博史   田代 誠

スズキ      河野めぐみ   杣友惠子

シャープレス   秋本 健    福山 出

ゴロー      園山正孝    横山慎吾

ヤマドリ   (両日)  星田裕治

ケート      長勢ゆかり   杉山由紀

ボンゾ    (両日)  志村文彦

神官     (両日)  笹倉直也

公証人    (両日)  金井龍彦

« 30代オペラ歌手の飛躍~音楽への真摯な思い~12日の日本経済新聞より | トップページ | 三善晃のレクイエム~8月15日に寄せて »

ブログ HomePage

Amazon DVD

Amazon 本

最近のコメント

最近のトラックバック