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2017年7月 1日 (土)

幻想交響曲について

ベルリオーズという作曲家は好きな作品はほとんどないが
「幻想交響曲」はよくできていると感心する。
7月2日の定演で演奏するのが私自身は3回目だが、以前は
「第2楽章が最も優れ、他の楽章は個性的だけど、
 構成的に問題点が多いな」と思っていて (これは同じ事を
 昔、黛敏郎さんが「題名のない音楽会」で言っていた)、
 よって特別好き曲ではなかったが、それでも第5(終)楽章
 の鐘に興味があり、指揮者がどういう鐘を選択をしているか
 の1点興味だけで、CDを買っていた時期があるので、
 15枚前後は持っていると思うし、実際、ほとんどは
 違う音色や重さ等の鐘なので、終楽章の聴き比べ
 だけでも面白い。

それはさておき、今回、あらためてスコアをよく見ると、
第2楽章だけでなく、各楽章の構成力、アグレッシブなリズム
と強弱、ユニークな楽器活用、美しいオーケストレーション等々、
あらためて「優れた交響曲」である点が認識できた。

内容に関するこれまでの「いささかバカにした感触」は
私の中で完全に消え、完全に好きな曲になったと言えるし、
少なくとも「驚嘆すべき曲」であることを思い知らされた。

演奏するのは3回目なので、ヴァイリンはどこが難しいかは
判っているから、そこを重点的に練習すればよいのだが、
個人がどんなにキチンと演奏できても、いざ合奏となると、
なかなかうまくいかない部分というのは、この曲に限らず、
たいていどの曲にもある。

それも多くは、「あまり目立たないところ。
聴く際にはそれほど注力(関心)が強くは向かない、
さりげない部分こそ難しい」ということはよくある。

例えば、第2楽章のスコアだと練習番号27前後。
三石精一さんとの2週間前の練習時、この部分だけで
5回以上(10分以上)練習したが、うまくいかない。
アンサンブルとしてキレイに自然体で流れないのだ。

もちろんウチのオケの合奏力の問題という点はある
にしても、多くのプロオケでもこの曲を指揮してきた
三石先生も「難所」と言及されるように、曲想として
演奏し難い部分であるのは事実なのだろう。

昨日のリハでのこの部分は2回くらいの繰る返しで
なんとかできたが、この部分はたぶん本番ギリギリまで
手を焼く部分となるに違いない。
本番でうまくいけばいいが。

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スコアを誰が(勝手に?)変更して来たのか?
もう1つ、「幻想交響曲」の中では第2楽章がデキとしては
一番よく書かていると思う。ただ、今回、私が所有する
Doverのスコアを見ていたら、面倒な部分を発見してしまった。

エンディングに向かう練習番号36の手前で、各楽器が
2拍目や3拍目でスフォルッツァンド(sf)をする印象的な部分
だが、今回使用する新しいブライトコプフのセカンドヴァイオリン
のパート譜にはそれがなく、ただの刻みが続いているだけ
なのだ。
しかも、これは弾き易いかというと「弾き難い」。
なぜなら他がスフォルッツァンドすることで、リズムだけでなく、
小節の進行も特徴(性格)付けて進行しているのに対し、
それができないから、速めの3拍子(ワルツ)の中で、
進行位置を見失いかねない危険があるからだ。

もちろんチャント数えればいいのだが、弾き難いだけでなく、
他の楽器が「sf」を付けているのに、セカンドが無いのは
極めて不自然で、音楽としておかしいと思う。

もっともベルリオーズは、常識的なオーケストレーションでは
ないことをたくさん盛り込んでいるのがこおの曲の特徴でも
あるから、一概にその「常識」は通用しないのかもしれない。


実際、練習時(休憩時)、三石先生にその疑問点をぶつけ、
先生のスコア(新しいブライトコプフ全集版とされる中のスコア)
で確認していただいたところ、パート譜面どおり=セカンドは
「sf」はなし、とされていた。

マーラーは自身で改定したが、ブルックナーをはじめ、
幾人かの作曲家の作品では、こうした
「後の時代での他者(多くは出版社、あるいは、ハース、
 ノヴァークらの研究者)による<勝手な変更>が
 いつのまにかなされているケースが多い」。

それが果たしてどれほどの権威をも持ち、音楽的にも
実際の演奏的にも見事な改定であるかどうかは、
「多くの場合、全く別問題」で、変な改定のほうが多いのが
現状と想える。

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なお、7月学習院OB管弦楽団のの定期演奏会で指揮を
お願いした三石精一先生は、3月の初練習に先んじて、
団員全員に定演で演奏する3曲について詳細な留意事項を
提示された。

85歳というご高齢とはとても思えに精力的、情熱的な精神と
肉体を維持され、当団の常任指揮者の1人とはいえ、
4年ぶりの来演とはいえ、アマチュアである我々に、
そこまで熱意をもって全力でご指導いただけることは
本当にありがたく、頭が下がる思いがする。

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演奏会終了
スリリングで楽しかった幻想交響曲
個人的には幻想交響曲の演奏は3回目だったが、
今回が一番面白かった。
自分の技術が昔よりはマシになったこともあるが、
第3楽章でのソデ(舞台裏)のエコー効果オーボエは
清らかだったし、終楽章の「鐘」の大役を、敢えて
賛助出演の現役大学生という若い奏者に任せたことで、
前日ゲネでは危険度、不安度「大」の状況だったが、
本番ではミスはなくホッとした。

ソデ(舞台裏)でのモニターで指揮をを見ながらの演奏という
こともあり、打音が微妙に拍の頭から遅れる傾向はあったが、
若い奏者には今後の勉強になったことだろう。

むろん本当は安心して演奏できる演奏会が好ましいが、
スリリングな要素が内在する演奏会も実に楽しい。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170702-OYT1T50074.html

http://www.asahi.com/articles/ASK724PR0K72UTIL00C.html

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