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2017年7月31日 (月)

過去最低の防衛大臣~離任式している場合か

過去最低の防衛大臣~税金を使って離任式している場合か
 ~プライドという感違いだけの人~

防衛大臣が辞任はむろん交代するとき、栄誉礼は辞退して
きたそうだが、稲田氏は離任式典を「希望」し(要は命令だろう)、
栄誉礼を辞退しなかった。

しかも自衛隊幹部を前にした離任挨拶では、
一言も「おわび」は無かったそうだ。

これほど、各関係者からボロボロに言われた大臣は珍しい。

週刊新潮は「まゆエクしている場合か」と書き、
週刊文春は「産経まで見はなした、えこひいきの女王」として
防衛官僚覆面座談会として
  「稲田氏は過去25年間で最低の大臣」としている。

かつて、辻元清美さんに
「あなたの愛国心はその程度でしたか?!」
と詰められて涙ぐんだ「タカ派」のこの人にとって
「可愛いのは自分であって国ではない」のだ。

三浦璃麗氏は6月の「朝まで生テレビ」の中で、
自民党や官僚の対応のだらしなさに言及した後、
 稲田氏について、
「一度は将来、初の女性総理か?などと言われた人が、
 どういう資質の人かを国民は皆知っただけでも、
 唯一の収穫、という意味では(ゴタゴタ状態は)
 良かったのではないか」、と皮肉った。

離任式終了後は職員から花束を渡され、
「皆さんに会えて本当に良かった」と語って、
笑顔で車に乗り込み、手を振りながら防衛省を去った。
まるで小学生だ。

某自衛隊幹部は
「大臣の辞任ではなく、議員辞職したほうがよい。
 少なくとも二度と市ヶ谷(自衛隊本部)に
 来てほしくない」と吐き捨てたという。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6248876
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170731-00000038-jijp-pol.view-000

OPERA MANIA 2 ~ベルカントからR・シュトラウスまで

フランコ酒井さんが代表を務める「杉並リリカ」主催の
「OPERAMANIA 2」を杉並公会堂で聴いた。
昨年も4時間近くかかる大イベントコンサートだったが、
今年はそれを上回り、3回の休憩を含めて6時間40分に
及んだ。
15時~21時40分。さすがに長過ぎる。
4部構成だが2部が終わった段階で帰った人も2割はいた。

それでも18人の歌手によるソロと重唱を含めた全46曲は
名唱の連続であったのも事実なので、要点的な感想は
書いてみたい。

フランコ酒井さんが代表を務める「杉並リリカ」よる
コンサートは2014年10月26日の立ち上げコンサートを
皮切りに、杉並公会堂を拠点に同年11月14日、
2015年7月19日、11月22日、2016年9月25日と継続し、
今回が6回目。私自身は昨年に続き2回目の拝聴。

今回は「ベルカントからリヒャルト・シュトラウスまで」と題し、
副題としては「マリア・カラス没後40年、
        マリオ・デル・モナコ没後35年、
        エットレ・バスティアニーニ没後50年」と
題された。

以下、記載の構成は、

1.全出演者一覧
2.トピックス的に先んじて3名についての感想
3.全員について、各歌手が歌った複数の曲(ソロ、重唱を
   問わず)の内、特に印象的だった曲を極力1曲ないし
   2曲か3曲の感想
4.最後にご参考として全演目を記載、

という構成としたい。

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1.全出演者一覧・・・総勢、歌手18名、ピアニスト2名
  ソプラノ7名(五十音順、敬称略。以下同じ)
  青木エマ、石原妙子、板波利加、岡田 愛、大隅智佳子、
  岸七美子、山口安紀子

  メゾ・ソプラノ2名
  鳥木弥生、中島郁子

  テノール7名
  及川尚志、小笠原一規、小野弘晴、塩塚隆則、城 宏憲、
  笛田博昭、藤田卓也

  バリトン2名
  木村 聡、山口邦明

  ピアニスト2名
  服部容子、藤原藍子

司会進行(兼)曲の解説・・・フランコ酒井

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2.トピックス的に先んじて3名についての感想

 (1)岸七美子さん
この日、私にとって最大の「発見」、すなわち初めて聴いた
歌手でまず言及しなければならない人が、
ソプラノの岸 七美子(なみこ)さんだ。
まだ若いと想うがその実力に驚いた。コントロールの巧みさ、
声量、表現力、加えて個性的なトーンを持つ。
現在、トリエステ国立歌劇場に所属というから、
日本で歌う機会は今のところ少ないのだろうが、
外見的にも可愛いらしく、遠からず日本で人気歌手になるに
違いないと想像する。

岸さんが歌った曲はソロも重唱もどれも素晴らしかったので
とても絞り込めない。「恋は薔薇色の翼に乗って」で圧倒
され、第3部での四重唱「もう道化師じゃない」の中でも
際立っていたし、第4部での「可愛い瞳の少女」では
藤田さんともども素晴らしいデュオを聴かせてくれた。

稀なほどの逸材だと強く感じ入った。
今後が本当に楽しみだ。
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 (2)青木エマさん
青木エマさんは、たびたびオペラで拝聴してきた他、
今年4月12日には日本声楽家協会主催のシリーズ企画
「独演コンサート」でリサイタルを聴かせていただき、
十分魅力は感じたが、そのときは多少の緊張もあってか、
曲によってはフレージングが硬くなる場面も感じたが、
この日は遅い出番にもかかわらず、伸び伸びと歌われた。
「私の名はミミ」での清冽さ、とりわけ小笠原さんとのデュオ
が魅力的だったし、
第4部での「何を恐れることがありましょう」でのスケール感
と抒情性が見事だし、スタイルの良さ、美形という
外見的要素も含めて「稀なくらいスター性十分な歌手」
という印象を強めた。

4月にもそれは感じたが、この日の堂々たるステージで、
その印象は決定的。
今後は適役にめぐまれるチャンスを得るか次第だろう。

・・・・・・・・・・・・・

 (3)岡田愛さん
フェイスブック「クラシックを聴こう!」の会員でもある現在、
東京芸大の大学院生、ソプラノの岡田愛さんが
「新人紹介コーナー」で紹介された。それに先立ち、
私は第1部終了後の休憩時間に通路で、岡田さんのほうから
「いつもフェイスブックを拝見しています」と挨拶を受けて恐縮
したのだが、そのときはとても落ち着いた声だったので、
 (その後に歌う)歌もそういう声を想像したのだが、
それは良い意味で違った。

1曲目の「私のお父さん」からすぐ感じたが、とても軽やかで
ピュアな声なのだ。
この曲は丁寧に歌うことに専念されたようで、感情移入は
少なかったように想えたが、オペラ公演での中だったら、
もちろんもっと役のキャラクターに入り込んで歌われた
ことだろう。
2曲目のR・シュトラウスの「朝の歌」は、清らかさに徹して、
シュトラウスの抒情性がよく出ていたし、
3曲目の「初恋」は特に私には魅了された。
控え目な表現の中に、瑞々しさと懐かしさを感じさせる
清らかさは、今後十分彼女の「個性」「特徴、特性」として
伸びて行く要素ではないかと強く感じた。
今後に期待したい。

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3.全員について、各歌手が歌った複数の曲
  (ソロ、重唱を問わず)の内、特に印象的だった曲を
   極力1曲ないし2曲か3曲の感想

 既に2で書いた3人を除いた皆さんについて、
 女性→男性(いずれも五十音順)で記す。


石原妙子さん
石原さんは第2部の「おお、わが故郷」が特に魅力的だった。

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板波利加さん
外見のイメージとは違ってハデさよりも、むしろ独特の、
メゾに似た憂いあるトーンと、大人な表現力が魅力的。
第2部の「世の虚しさを知る神」も魅力的だったが、
何と言っても「大トリ」で歌った「ひとりぼっちだ」が
素晴らしかった。ベテランに属する人だと思うが、
いつまでも魅力的な歌唱を披露されてステキだ。
・・・・・・・・

大隅智佳子さん
大隅さんの実力は凄い。コントロール、声量、表現力とも
圧倒的な歌声で、林正子さんとともに、
今や日本人歌手屈指の、最高レベルにいる1人だと思う。
この日も第1部2曲目の三重唱でも大隅さんがひときわ
見事だったが、なんと言ってもラストから2番目に歌われた
長大なサロメのフィナーレが圧巻だった。
・・・・・・・・

山口安紀子さん
山口さんも絶好調で素晴らしかった。
初めて聴いたとしたら、2のトピックスに入れて先んじて
書くほどだが、昨年聴いているので力量は承知して
いたので2に入れなかっただけ。
それでもこの日は一段と声に気品と強さがあり、
更に実力をアップされたのだと強く感じた。
第1部での「あの花を摘み取って」がステキだったし、
第3部での塩塚さんとのデュオも見事。そして
第4部最初の「歌に生き、愛に生き」も素晴らしかった。
・・・・・・・・

鳥木弥生さん
第4部にやっと登場された鳥木さんの「ハバネラ」は
何度も聴かせていただいているので、この日はむしろ
城さんとのデュオ「カスタネットの歌」「花の歌」が魅力的
だったし、圧巻はなんと言っても笛田さんとの
カルメンの終りの場面のデュオ「あなたね? 僕だ」。
実力者同士による名演。
・・・・・・・・

中島郁子さん
中島さんも色々な場面で聴かせてきていただいた歌手で、
本当に凄い実力のあるメゾ。
深々とした、しかも声量豊かな声。好きなメゾの1人だ。
第1部での城さんとのデュオがまず素晴らしく、
第2部での「呪わしき美貌」が圧巻だった。
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及川尚志さん
体格のイメージと違って細めの性質で個性ある声。
第2部での木村聡さんとの「神かけて誓う」が見事。
・・・・・・・・

小笠原一規さん
昨年聴いて驚いた才能。この日の冒頭を飾った
「やさしい魂よ」も迫力があったが、むしろ第3部での
青木エマさんとの「愛らしい乙女よ」のアンサンブルの
見事さと、第4部でのソロ「清らかな住まい」の文字通り
清らかな抒情性にこそ、この日の小笠原さんの良さが
強く出ていたと思う。
・・・・・・・・

小野弘晴さん
この日初めて聴いた歌手。第3部での「幸せな日に戻り」
が良かった。
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塩塚隆明さん
塩塚さんも初めて聴いた。
爽やかに「ある日青空を眺めて」を歌われた。
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城 宏憲さん
今や、売れっ子テナーの一人。
第1部での中島さんとのデュオがまず見事だったし、
第4部での鳥木さんとのデュオも素晴らしかった。
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笛田博昭
笛田さんも城さんにも増してと言えるくらい、ここ数年で
名を挙げてこられたテナー。声量、色気、余裕の
いずれも素晴らしく、今や西村悟さんとともに、
若手期待の逸材。
第2部での三重唱での際立ち、岸さんとの二重唱でも
見事な歌声を披露。
そして何と言っても鳥木さんのところでも書いた第4部
でのカルメンのラストの二重唱が圧巻だった。
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藤田卓也さん
昨年もこのコンサートで聴いているのだが、そのときは
あまり強い印象を受けなかったようにも想えたが、
今年7月の砂川涼子さんのリサイタル終了後のサイン会時に
購入した藤原歌劇団員によるCDを聴いて、
「素晴らしいテナー」と「発見」したのが、
他ならぬこの藤田さんだった。
この日は第1部でのソロ「永久に君を失えば」と第3部での
「冷たい手を」のソフトな美声に魅了されたし、
第4部の岸さんとのデュオも嫉妬感を覚えるほどに
素晴らしかった。
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木村聡さん
木村さんも初めて聴き、トピックスに入れてもよかったと
思うほど、素晴らしさに感じ入った人。
私にとって木村さんも「この日の発見」の歌手。
第1部での「お前の名誉を汚すもの」でまず魅せられ、
第2部での及川さんとのデュオ、特に
「アルアヴァーロよ隠れてもダメだ」が見事。
とても良い声。とても良いテナー。
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山口邦明さん
前回聴いて感心したので、そういう意味では特別
驚きはなかったが、第3部での「祖国の敵」が良かった。
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以上の2と3で、18人全員の歌唱に触れさせていただいたが、
最後に、この長大なプログラムを2人だけで交代で演奏した
ピアニストの服部容子さんと藤原藍子さんに心からの
労(ねぎら)いの敬意と拍手を送りたい。

・・・・・・・・・
なお、プログラムには、高島勝治さんが、
「バスティアニーニ、カラス、デル・モナコの思い出」として、
それぞれが来日時に撮影された貴重な写真と思い出が
語られており、昔からこうした「追っかけ的大ファン」は
いたんだと、その熱情、行動力に感心するとともに、
写真撮影に快く応じたバスティアニーニ、
デル・モナコの気さくな人柄、
こっそり撮ってた写真を渡したらとても喜んだというカラスの
柔軟な人柄にも強く感じ入った。
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4.全演目

第1部
1.ドニゼッティ『ラ・ファヴォリータ』より「やさしい魂よ」
      ~小笠原一規
2.ベッリーニ『ノルマ』より
   「ああ、震えるのではない 邪悪な者め」
       ~大隅智佳子、中島郁子、城宏憲
3.ヴェルディ『エルナーニ』より
   「エルナーニ、いっしょに逃げて」~石原妙子

4.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より
   「恋は薔薇色の翼に乗って」~岸七尾子

5.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より
   「それでは私は貴女の息子ではないのか」
      ~中島郁子、城宏憲
6.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より「聞いているか?」
      ~岸七尾子、山口邦明

7.ヴェルディ『仮面舞踏会』より
    「あの花を摘み取って」~山口安紀子

8.ヴェルディ『仮面舞踏会』より
    「永久に君を失えば」~藤田卓也

9.ヴェルディ『仮面舞踏会』より
    「お前こそ名誉を汚すもの」~木村聡

10.ヴェルディ『仮面舞踏会』より
    「私が貴女と一緒だ」~藤田卓也、山口安紀子

 (休憩)

第2部~オール・ヴェルディ

11.『運命の力』より「アルヴァーロよ、隠れてもダメだ」
    ~及川尚志、木村聡
12.『ドン・カルロ』より「お願いがあってやって参りました」
    ~板波利加、城宏憲
13.『ドン・カルロ』より「呪わしき美貌」~中島郁子

14.『ドン・カルロ』より「別れの日は来た」~山口邦明

15.『ドン・カルロ』より「世の虚しさを知る神」~板波利加

16.『椿姫』より「過ぎ去りし日々よさらば」~大隅智佳子

17.『アイーダ』より「ああ、わが故郷」~石原妙子

18.『アイーダ』より「すでに神官たちが待っている」
     ~及川尚志、中島郁子

19.『アイーダ』より「地上よ、さらば」
     ~笛田博昭、石原妙子、中島郁子

20.『オッテロ』より「神かけて誓う」~及川尚志、木村聡

21.『イル・トロヴァトーレ』より「貴女こそ私の恋人」
     ~笛田博昭、岸七美子

 (休憩)

第3部
22.レオンカヴァッロ『道化師』より「プロローグ」~木村聡

23.レオンカヴァッロ『道化師』より「衣装を着けろ」
     ~及川尚志

24.レオンカヴァッロ『道化師』より「もう道化師じゃない」
     ~小野弘晴、岸七美子、木村聡、山口邦明

25.ジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』より
      「ある日青空を眺めて」~塩塚隆則

26.ジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』より
     「祖国の敵」~山口邦明

27.ジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』より「胸像はそこね」
     ~塩塚隆則、山口安紀子

・・・・・・・・・
新人紹介コーナー~岡田愛
28.プッチーニ『ジャンニ・スキッキ』より「私のお父さん」
29.R・シュトラウス「明日の歌」
30.越谷達之助「初恋」
・・・・・・・

31.プッチーニ『妖精ヴィッリ』より「幸せな日に戻り」
    ~小野弘晴

32.プッチーニ『ラ・ボエーム』より「冷たい手を」
    ~藤田卓也

33.プッチーニ『ラ・ボエーム』より「私の名はミミ」
    ~青木エマ

34.プッチーニ『ラ・ボエーム』より「愛らしい乙女よ」
    ~小笠原一規、青木エマ

 (休憩)

第4部
35.プッチーニ『トスカ』より「歌に生き、愛に生き」
    ~山口安紀子

36.プッチーニ『トスカ』より「星は光りぬ」~城宏憲

37.プッチーニ『蝶々夫人』より「可愛い瞳の少女」
    ~岸七美子、藤田卓也

38.ビゼー『カルメン』より「ハバネラ」~鳥木弥生

39.ビゼー『カルメン』より「母親の事を話してくれ」
     ~笛田博昭、青木エマ

40.ビゼー『カルメン』より「闘牛士の歌」~山口邦明

41.ビゼー『カルメン』より「カスタネットの歌」「花の歌」
     ~城宏憲、鳥木弥生

42.ビゼー『カルメン』より「何を恐れることがありましょう」
     ~青木エマ

43.ビゼー『カルメン』より「あなたね? 僕だ」
    ~鳥木弥生、笛田博昭

44.グノー『ファウスト』より「清らかな住まい
    ~小笠原一規

45.R・シュトラウス『サロメ』よりフィナーレ
    ~大隅智佳子

46.R・シュトラウス『エレクトラ』よりひとりぼっちだ
    ~板波利加

以上。
全員によるアンコールも予定されていたが時間の関係で
カットされた。

2017年7月29日 (土)

ばらの騎士~小林由佳さんのオクタヴィアンの素晴らしさ

「ばらの騎士」~二期会公演~充実の主役歌手陣、特に小林由佳さん
 ~普遍的社会の男女の心の移ろいと切なさを印象付けた演出
 ~恋は永遠とは限らないから愛おしい~

東京二期会によるR・シュトラウスの「ばらの騎士」29日の公演を
東京文化会館で観た。英国グラインドボーンとの提携公演。
リチャード・ジョーンズによる演出は思いの外シンプルで、
第3幕以外は好感が持てた。
シンプル過ぎて物足りないくらいだったが、詳細は後述する。

元帥夫人役の林正子さんは日本人歌手屈指の実力を安定感を
持って披露。声にブレのない厚さは彼女ならでは。

オックス男爵の妻屋秀和さんの素晴らしさはこの日も健在で、
とりわけ得意とするドイツ語によるオペラの、好色で滑稽な役柄を
ユーモアたっぷりに歌い演じ、あらためてこのオペラにおける
オックス男爵の存在意義の重要さを感じさせて出色だった。
妻屋さんの名唱は、この日の公演の成功の大きな要因の1つ
だろう。

幸田幸子さんのゾフィーは数年前に神奈川県民ホールで聴いて
いる。あのときの清楚で気品ある姿と歌声は、今回の演出での
衣装や舞台移動に関係してか、やや可憐さが抑制された
感じも受けたが、それでも健気(けなげ)で一途な女心を
軽やかな声で歌い演じてステキだった。
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こうした充実した主役級キャストの中にあって、
私が最も強く魅了されたのはオクタヴィアン役の小林由佳さんだ。
近年、「蝶々夫人」でのスズキ役、昨年のフィガロでのケルビーノ
でも充実し、安定しているだけでなく、都度、声の安定感に
留まらない、役に入りきった中でのパワーの発揮度合いに
驚かされてきたのだが、贔屓目なしに、今回のこの役こそ、
彼女の存在をオペラファンに強く印象付けた彼女自身に
おいても代表作(役)になったと言えるほどの歌唱と演技だった
と思う。

これまでおそらく彼女はイタリア(語)モノ(作品)の出演が多く、
ここまで膨大で長大なドイツ語によるオペラの主役級の出演は
ほとんど無かったかと拝察するが、その点からも正直、失礼ながら
期待以上というような表現では言い尽くせないほどの、
この役をもう何年も前から歌ってきた歌手と言えるほどの
充実した内容だった。

長身でカッコイイ外観は「フィガロ」でのケルビーノでも大いに
役得だったし、この役でもヘンにセコセコしない、
ある意味堂々としたオクタヴィアンとして演じたことも含めて、
外観のカッコ良さは本公演でも有利に働いたが、そうした
幸運さだけでなく、また、単に声量とか安定感とかだけでなく、
例えば、元帥夫人とのデュオやセリフと、オックス男爵とでの
歌やセリフでは、別人かと思うくらい大きく声色も変えるなど、
徹底した役作りと成果が見てとれたのだ。
本当に素晴らしかった。

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読売日本交響楽団の演奏は安定して見事で、近年、
オペラ公演を増やしてきている成果がしっかりと出ていたと思う。

指揮のヴァイグレは初めて聴いたが、終始安定したソツのない
指揮。よって、例えば冒頭からもそれほどセカした歩みはせず、
全体を通しても、部分的にはもっとテンポの大きな変化、
すなわち「溜め」であったり、アッチェランドなどのいわゆる
メリハリが欲しい場面も散見したが、
大きな不満を感じるということはなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、冒頭に少し触れた演出。
第1幕と第2幕は驚くほどシンプルで、「ベッドの中の2人」
ではなく、元帥夫人のシャワーシーンからの開始という
ユニークな設定も含めて、いわゆる豪華な貴族生活の
様子はほとんど感じられないような舞台だったし、
第2幕も、例えばオクタヴィアンとゾフィーが初めて対面
するシーンでも特別「バラ」が強調されたわけでもなく、
劇的でゴージャスな場面設定がなされてわけでもなかった。

そのシンプルさは、ケバケバしいい、あるいは妙にクールな
ゲンダイ的演出よりは好感が持てたものの、このオペラの
設定や、過去の多くの伝統的演出と比べてしまうと、
物足りなさも感じたのは正直な感想。

・・・・・・・・・
ヒドイ演出の第3幕
それでも、この流れで第3幕も通せばまだ良かったと思う
のだが、第3幕の演出は「いただけない」ものだった。
青い色自体は私は好きだが、この物語にあって、
全体が青い系統の色で背景全体を映し、緑色の3つのドア
がある部屋の中だけで進行するというのは、このオペラの
この幕に相応しいとはとても思えない。
一言で言えば「品が無い」のだ。

オックス男爵の愚かさに比重を置いたためか、また、
敢えて「古き良き時代ではなく現代どこにもありがちな部屋」
を強調したためか、ごく平凡な、いや、平凡というより
「格式が皆無の部屋」でのやりとりで終始したため、
あの感動的な三重唱や二重唱(歌唱自体はいずれも素敵だった)
に相応しい舞台とはとても思えず、ゾフィーの衣装も
もう少しカッコイイ衣装にして欲しかった。

このように第3幕の演出は全く残念な結果だった。
「第3幕だけでも変えたほうがいいですよ」、と
演出のジョーンズ氏に強く言いたい。
・・・・・・・・・・・

しかし、もちろん彼にもたぶん言い分はあるだろう。
「伝統的な貴族社会の空気感は設定したくなかった」、
「敢えて現代社会のどこにでもある三角関係や、
 男女の心の移ろう弱さ、はかなさを描きたかった」と。

そう、考えてみれば、元帥夫人が恋を諦めて若いゾフィーに
オクタヴィアンを譲ったにしても、では、オクタヴィアンと
ゾフィーが今後ずっと幸せに暮らすか、などとは
誰にも判らないことだ。

ちょうど映画「卒業」で、ダスティン・ホフマンが女性を
奪いとって逃げ、バスに乗り込んで満面の笑みを
浮かべたものの、次第に2人にはこれからの現実が
思い浮かび、笑顔が消えて行く、あのシーンのように。

もちろん、このオペラではそのような設定は元より無い。
元帥夫人の老いの寂しさという本来のこのオペラの
重要な要素だけでなく、若い恋人の未来にも待ちうける
であろう困難さを、
なぜか今回は強く感じた公演でもあった。
・・・・・・・・・・・・・

それでも全体としては、歌手陣の見事さで十分楽しめる、
長さを感じさせない、アッと言う間に進行していったと
言えるくらい、「歌を聴くことに集中させていただいた公演」
だった。

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(主なキャスト)

指揮 セバスチャン・ヴァイグレ
演出 リチャード・ジョーンズ
管弦楽 読売日本交響楽団
合唱  二期会合唱団

          26日&29日  27日&30日
元帥夫人     林 正子    森谷真理
オックス男爵   妻屋秀和    大塚博章
オクタヴィアン   小林由佳    澤村翔子
ゾフィー       幸田幸子    山口清子
ファーニナル    加賀清孝    清水勇麿
マリアンネ     栄 千夏    岩下晶子
ヴァルツァッキ   大野光彦    升島唯博
アンニーナ     石井 藍     増田弥生

警部        斉木健詞    清水那由太
元帥夫人家執事  吉田 連    土師雅人
ファーニナル家執事 大川信之   新津耕平
公証人       畠山 茂    松井永太郎
料理屋の主人   竹内公一    加茂下 稔
テノール歌手   菅野 敦     前川健生
3人の孤児     大網かおり   田崎美香
           松本真代    舟橋千尋
           和田朝妃    金澤桃子
帽子屋       藤井玲南    斉藤園子
動物売り      芦澤佳通    加藤太朗
モハメッド ランディ・ジャクソン(文学座)
・・・・・・
装置 ポール・スタインバーグ
衣装 ニッキー・ギリブランド

2017年7月28日 (金)

ボディブローが効いて弱体化した安倍政権

ボディブローのように、の現実化
前川(前)文科省事務次官が告発会見をした際、私は
「この元官僚による政治家への造反という前代未聞の衝撃は、
 ボクシングのボディブローのように、今後、安倍内閣を
 ジワジワとゆっくり、しかし確実に痛めていくだろう」
という主旨の事を書いた。

実際、だらだらと長引く加計と森友問題や、稲田防衛大臣の
弁護士とは思えない軽率な発言や行動の連続という資質の無さ、
法務大臣に値しなかった金田大臣の無能な答弁と共謀罪法の
強行採決などからの内閣支持率の大幅下落、

都議会議員選挙での歴史的大惨敗、仙台市長選挙での敗北、
相次ぐ2回生議員の不祥事、南スーダン問題に関する
陸上自衛隊部隊トップの岡部陸上幕僚長と黒江防衛省事務次官
の引責辞任、そしてやっと稲田大臣の辞任と、
現実に「ボディブロー」は確実に浸透し続けてきた。

前川氏の行動は良いとか悪いとかではなく、安倍内閣が進めて
きた強引でグロテスクな手法に対する最大の批判的象徴的事象
だったのだ。
そしてこうした流れはまだ、安倍内閣の終わりの始まり、
第1幕が終わった段階に過ぎない。

2017年7月27日 (木)

防衛大臣 実質不在というリアル

北朝鮮や中国等との難しい状況下、これほど信頼のおけない
 ~世論の7割以上が「稲田氏は即時辞任を」とし、防衛省の
  中からも大臣に対する裏切り行為でもある、文書はありました、
  報告はしました、とする内部告発(リーク)が生じてきている
 ~人物が、防衛省の政治家としてのトップに居座っている、
というのは、「支持する政党がどこかなどという各個人の考えを
超えたところの国家的危機」だ。

それを政権与党はどれほど真面目に考えているのか?
自衛隊に緊急出動する事態が生じても「勉強会に出席してました」
とやり過ごす、その程度の人が防衛大臣というのが信じられない。

こんなテイタラクな国防体制状況は、おそらく戦後初めての状況
に違いない。

追記;やっと稲田が辞任表明。というより事実上の更迭だ。
    安倍氏の「ネコ可愛がり」もこれまで。

2017年7月26日 (水)

相模原市「津久井やまゆり園」虐殺事件から1年に寄せての雑感

結局のところ、「一人一人が、自身の中に有るかもしれない
内なる差別意識や偏見を正直に見つめ、排除していけるか」
が重要ではないか?
すなわち「ヒトゴト意識の排除」だ。
結論としてはそうなるが、その前に個々具体的に考えてみよう。

他者が他者に「生きている価値が無い」などと、
そもそも誰も言う権利も資格もない。

仮に有るとしたら、今、刑務所の中で、税金を原資とした
タダ飯を平然と食べて寝て起きている植松聖被告にこそ
「お前こそ生きている価値はない。
 さっさと自分で自分を殺せよ」と言えることになるのだが、
その絶対的矛盾に植松自身が気づいていない事が、
問題の根深さを示唆し、病理は深い。

「自分の考えが世界で正しい真理と思いこむ」。
犯罪者やヘイト思想者は言う。
「意思疎通ができない人、障害を持つ人は、
 生きる価値が無い」と。
さも、正当であるかのような言葉を吐く。 しかし、
係る社会とは関係ない世界で生きている人からすれば、
それこそ意味不明の「余計なお世話」に過ぎない。

人間は、お金と土地があれば、いわゆる「社会」の中に
居る必要などそもそもない。
居なくて生きていける。
いわんや「赤の他人から偉そうに、生きている価値などを
問われ言及される理由などそもそも無い」。

「障害者は不幸だ」と考えるのは、
その根拠を心情的にも論理的にも説明できない、
勝手な自己陶酔的思いあがりに過ぎない。
要するに「余計なお世話」だ。

そうは言っても、現代社会に生きる多くの人は、
仕事や学校や趣味や享楽において他者の中で生きているゆえ、
他者との比較や競争が付いて回る中で、競争や嫉妬、
尊敬や憧憬、チャレンジ精神やリベンジ精神などを含めた
複雑な人間関係の中に否応なく存在しているが、元来、
「そういう社会」の中で生きろと強制されたわけではない。

そうした社会から出る~逃げるといってもよいが~
そうした社会を避けても、実は何ら構わないのがまた人間
という動物の1つの真理でもあるのだ。

むろん実際はそのように自由気ままに豊かな大自然の中で
自炊してのんびり生活してる人の数は多くはない
 (が皆無ではないことを忘れるな)。

人間は生まれてきたこと自体、1つの奇跡だ。
ところが、一般的な「経済社会」の中にあって人は
「働かざる者、食うべからず」という説得力のある真理を
多くの人は述べる。
なるほど、普通の現代社会の中ではそれは1つの真実
かもしれない。

だが、あの1年前の事件が我々に突き付けたものは
「それは本当か?役にたたない人間は生きていては
 いけないのか?死に値するのか?」
ということに他ならないのだと思う。

労働力、役に立つ、生産性を有する、という人間に、
報酬がもたらされるのは当然だが、しかし、では、
その条件の中に「たまたま入れないような状態で生まれて
来た人は生きていてはいけないのか?」

1年が経ったこの日、TVで障害を持つ子の母親が言った
「役にたたないとダメなの?」という素朴にして強靭な言葉は
胸に突き刺さる。

人間は生まれてきたこと自体、1つの奇跡なのに、
「個々の労働生産能力」と「生きていること自体の価値」を
イコールあるいは強い関係性として私たちは考えがちだが、
「この2つを分けて考えること」から始めないと、
「誰もの中にあるかもしれない植松的偏見と差別意識」から
脱しきれないのかもしれない。

冒頭に書いたように、ヒトゴト的キレイ事的に常識的理性の
言葉をならべて自分自身を繕うより、
「各人一人一人が、自身の中に有るかもしれない内なる
 差別意識や偏見を正直に見つめ、排除していけるか
 どうか」という点こそ、
問題に対処していけるかもしれない重要な出発点としての
ポイントのように想える。

2017年7月22日 (土)

香川県議会議員たちの欧州視察と言う名の お遊び海外旅行~税金の遊興費化

21日フジTV夜「金曜プレミアム~実録!金の事件簿2
 ~こんな奴らは許さない」は面白かった。

税金滞納や自動車の速度違反出頭命令拒否などは、
最後の事例の前では「可愛らしい事」にさえ想えた。

その最後の事例とは、香川県の県議会議員6人による
「視察旅行という名の観光旅行」だ。

これにフジTVスタッフらがこっそりとお忍び同行取材をした
のだ。

県議らはビジネスクラスに乗って7泊9日の渡欧。
名目上の目的は、友好協定を結んだとうイタリアの
パルマ市への表敬訪問が主と言うが、結果、
パルマ市には最終日に寄っただけで市庁舎への
訪問滞在時間はわずか30分。

それまでの6日間はこうだ。
成田→ドイツ・ミュンヘン→スイスのインターラーケン
→同スフィンクス展望台→同マッターホルンの拠点の
ツァルマットとゴルナーグラード→イタリア・ミラノ、
そしてパルマ市。

6人の旅行費合計990万円。
もちろん全て香川県民の税金だ。
舛添前都知事も問題になったのが記憶に新しい。

都道府県だけでなく国会議員による外遊とやらも正に
「視察という名の観光旅行がほとんど」と推測できる。

壮大な税金のムダ使い。

公僕たる議員の怠慢、怠惰、堕落。
全国的に「公務員の海外視察慣習など廃止すべき」だ。

南スーダン問題~陸自と稲田防衛大臣の深刻な亀裂と、野党時代、当時の防衛大臣を批判した稲田氏の発言が傑作~正にいま自分自身に向っている批判

「報告を受けていない」~本当ならシビリアンコントロールが
できていないことを証明。

報告を受けたいたのに、「受けていない」なら、
国会における偽証発言。

報告を受けたけど、「そういう認識を持たなかった」のなら、
防衛大臣としての資質無し。

加えて、自民党が野党時代、与党民主党(当時)の
一川防衛大臣に対して、
稲田氏はこう厳しく批判した。

「部下に厳しくて自分に甘い!決して責任を取らない!
 不用意な発言が多すぎる。
 あなたは自分の役割を分かっているんですか?
 あなたの役目は国を守ることであって、
 あなたの身の保身を守ることではありませんよ!
 いい加減にしてください」

その批判発言は、そのまま今のあなたにお返しします。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-17444.html

2017年7月21日 (金)

尋常ならざるテンポ~フルトヴェングラーによるモーツァルトの交響曲第40番

フェイスブックでFさんがフルトヴェングラー指揮の
モーツァルトの交響曲第40番とハイドン94番の録音について
アップされているので、その話題に便乗させていただく。

フルトヴェングラーの録音の中では比較的少ない作曲家の
2人だ。
前者では有名な最晩年の「ドン・ジョヴァンニ」全曲の他、
「魔笛」「フィガロ」、グランパルティータ、ピアノ協奏曲20番
くらいしかないかもしれない。
後者ではシューマンの4番という永遠の名演とカップリング
された88番も立派な演奏だが、それくらいかもしれない。

それはともかく、ウィーン・フィルとのモーツァルトの
交響曲第40番(1948年録音)、特に第1楽章の速さは
尋常ではない。
あの演奏を聴いたのは高校生のとき、LPレコードによってだが、
録音状況的には決して満足できない状態にもかかわらず、
あの「デモーニッシュ感」に満ちた尋常ならざる演奏に
強い印象を受けた。

フルトヴェングラーファンなら皆知っているが、
彼は概してゆったりとしたテンポをとる。
アダージョはむろんアレグロやスケルツォ楽章でさえ
それほど速くない演奏が多い。

その悠然たる歩みと有機的な展開こそが素晴らしいのだが、
その一方で曲の中で猛烈なアッチェランドをかけることも
少なくない。
典型は「第九」のエンディングだが、あれほど極端でなくとも
ブラームスの4番のラストに向かう様とか、
挙げたら少なからず存在するはずだ。

しかし、この40番はその「どれとも違う意味合いの速さ」
に想える。
ワルターの優雅さやコープマンの洒脱さやベームの実直さ
などとは全く異なる緊迫感。
戦後間もない時期の緊迫感もあるかもしれないが、
そうした社会状況というより、やはりこれはフルトヴェングラーの
感性がこの曲(楽章)に呼応する確信と表現なのだろう。

それがモーツァルトを語った際に小林秀雄が言った
「疾走する悲しみ」と同じ情感なのかどうかは解らないが、
その言葉を連想させる演奏ではある。

モーツァルトだって、もちろんゆったりとした優雅な曲想を
たくさん書き求めたことは多かったが、
「フィガロ」初演に際しての自身の指揮での有名な逸話、
「序曲はだいぶ速く演奏できるようになって良かった。
 では、明日はもっと速いテンポでやろうね」
という逸話も、小林秀雄の言葉とともに、私はいつもあの40番の
演奏を聴くたびに思い出す。

いずれにしても、ユニークな、いやもしかしたら
最も「正当な」40番のテンポ設定なのかもしれない。
少なくともそう想像しながら聴くのも一興だ。

全曲
Wilhelm Furtwängler - Mozart - Symphony No.40
Vienna Philharmonic Orchestra 1948
https://www.youtube.com/watch?v=TI8dbqmZqMg

こちらの第1楽章だけのURLのほうが音量が大きくて聴き易いです
Furtwangler: Mozart Symphony no. 40 (1948) 1/4
https://www.youtube.com/watch?v=1doyoSzYqKw

2017年7月19日 (水)

民進党のテイタラクさ~党首の戸籍を問題にしている場合ではないはずだ

同じ党員の今井雅人衆議院議員が、
「都議会議員選挙で勝てなかったのは、蓮舫氏の国籍
 (戸籍)問題をはっきりさせていないから」などと、
「はあ?」と思える、与党さえ言わなくないった疑義を持ち出した
のは呆れた。

「民進党の退化」を象徴する事象だ。
先の都議会議員選挙での大敗北は自民党だけでない。
民進党こそ深刻な事態であることに気づかないのか?

党内で党首の戸籍を問題にしている場合か?
党内でやるべきは政策論争であり、都議会議員選挙で大敗北
した原因を分析し、今後に備えた根本的な対策を検討し進めて
いくことこそが同党の緊急にして必須の事だろう。

今井氏に象徴される事態は、同党の末期的状態を示している。

追記;
18日、蓮舫さんは戸籍を開示して会見を開いたが、
「こんなことをして何になるか?」
とほとんどの国民は思っているだろう。

当然だが、党内には、蓮舫氏の二重国籍が都議会銀選挙
の敗因とする今井議員の意見に否定的な意見は多く、
寺田学衆院議員はツイッターで
「そのピントのずれが根源的な敗因を作り出している」
と指摘している。そのとおりだ。

それに気づかない同党内の鈍感さと、バラバラな党内事情が
この件ではからずも露呈した。
解党して1から出直すことをお薦めする。

ビルギット・ニルソン 「モーツァルトがオペラの基本」~白石敬子さん

1976年に日本人で初めてウィーン国立歌劇場の専属歌手
となった白石敬子さんは、後年ガン発症などもあり
2006年に引退はされているが、今年デビュー50年
ということで、7月13日の日本経済新聞文化欄に
思い出を寄稿されている。
その中の1つで、こういう逸話を披露している。

ビルギット・ニルソンに「良い歌手の秘訣」を尋ねると、
「後で公演の休憩時間に来なさい」と言われたので訪ねると、
ニルソンはその日の演目とは違う、モーツァルトのアリアを
練習中だったという。

 白石さんはこう語る。
「練習の邪魔になると思い引き返したが、後で
 「これが彼女の言いたいことか」と合点した。
 モーツァルトの曲は全てのオペラの基本だ、という、
 ニルソンからのメッセージだったのだ」。

人を悪く言う(攻撃する)人の言葉は、やがてその人自身に向かう~豊田真由子議員の例

週刊誌ネタではあるが、豊田真由子議員は入院先で夫に
 「死にたい」と、わめいているという。
かつて彼女は秘書に言った。
 「死ねば?生きている価値ないでしょ、お前とか」

きっとそのとき、可哀想な秘書は、内心こう言い返したことだろう。
 「その言葉、そのままあなたにお返しします」、と。

追伸;
もっとも、表だって言葉で言わずに、ウラでこっそり
実際の行動として攻撃(裏切り、足の引っ張り等)をするヤツは
残念ながら世の中にはゴマンといますがね。

メディアと時の政権との関係、立ち位置問題

加計問題とは無関係なのに、前川喜平・前文科相事務次官の
プライヴェート行動を掲載した読売新聞はやはり大きな波紋を
呼んだようだ。
読者からさえも、「なぜ関係ないプライヴェートな記事を載せる?」
というクレームが2,000件ほど同社に行き、
「もう読まない。解約する」との連絡も300ほどあったという。

7月13日の朝日新聞で、政府に対し「メディアが真っ二つ?」とした
記事においても、大石裕慶大教授が

「前川氏の、出会い系バーを巡る報道は、政権とメディアが
 保つべき一線を越えた」と批判している。

劇作家の詩森ろば氏は「あの記事は、ここまで来たか、と驚いた」
としながらも「御用新聞があってもいい。メディアがそれぞれの
立ち位置を鮮明にするのは市民にとっては良いことかも」と
皮肉的にではあるが語っている。

内閣支持率が下がり、不支持が上がる理由

森友問題は国有地がべらぼうな安さで民間法人に売られた
という極めて不透明要因があり、背任罪等の法的な問題も
生じ得る事案だが、
加計問題に関しては、もし「本当に獣医学部が早期に必要」で、
京都産業大学より加計学園や今治市に設置したほうが、
愛媛県だけでなく、全国的に将来の獣医を発信して行き易い
という理論的にして現実的根拠があるなら、
役所や政府がそれをきちんと説明し、
「加計のトップと安倍総理とは、たまたま友人だったという事は
 あるが、決定に至る手続きにおいて、何ら問題無い」と、
論理的時系列的に記録に基づいて実証すればよいだけのこと
なのに、それをしないで、やれ、
「議論した経緯に関する記録文書はない」とか、
「総理は関与していない」等々、その根拠を示さぬまま
「まっとうな決定」などと言うだけで、逃げてばかりいる。

仮に総理も役所も「潔白」であるなら、逃げる必要なないはずだ。
国民が呆れ、内閣支持率より不支持率が上回る状況に至って
いるのは、こうした、「問題解決能力の無さ」、「不誠実さ」、
「無責任さ」からの不信感であり、
 加えて、
稲田防衛大臣、金田法務大臣という、およそその地位と
責任感と能力に相応しくない人物の継続、

更に、不倫、重婚、秘書への暴言と暴力等2回生議員らによる
不祥事の連続が加わっての、内閣支持率暴落なのだ。

山口二郎氏の民進党への苦言

最近、山口二郎氏の論評は平凡なのが多く、下記もそうだが、
一応ご参考アップ。 東京新聞7月9日

「東京都議会選挙で自民党が大敗したことで、安倍一強の
 政治状況にも変化が起ころうとしている。
 公明党の山口代表も言うように、安倍ベースの憲法改正論議
 がいったん停止することを願いたい。
 おごり高ぶった安倍自民党に都民が厳しい批判を加えたことは、
 民主主義の健全な作動である。

 しかし、次にいかにして政治を刷新するかについて展望は
 見えてこない。それはひとえに野党第一党の民進党のテイタラク
 のゆえである。

 自民党政治に疑問を持つ人々の票は圧倒的に都民ファースト
 に、一部は共産党に流れた。
 民進党は自民党とならぶ敗者である。
 なぜ自民批判の受け皿になれなかったのか。
 厳しく反省することが不可欠なのだが、同党の幹部の能天気さ
 には呆れるばかりである。

 さらに、国会対策委員長は閉会中の審査について、
 安倍首相抜きの審査を受け入れた。
 落ち目の自民党に助け舟を出すようなものである。

 いつも民進党に同じような説教をして芸が無いと情けなく思うが、
 ともかく民進党は政治の不正と腐敗と徹底的に戦う姿勢を示し、
 他の野党と協力しなければならない。
 そして、原発をはじめとして、安倍政権とは異なる政策の柱を
 立てなければならない。
 政党交付金の貯金と連合という支持組織の上に安住していては、
 野党第一党の座さえも危うくなるに違いない」

2017年7月18日 (火)

郷原信郎さんの7日ツィッター「防衛大臣の職責を自覚しない稲田氏は即刻解任を」

以下は、郷原信郎さんの7日ツィッターの紹介。

 「防衛大臣の職責を自覚しない稲田氏は即刻解任を」

「稲田朋美防衛大臣が、九州北部での記録的な豪雨で自衛隊が
 災害対応に当たっていた7月6日、昼の1時間余り防衛省を不在
 にして、民間人との防衛政策の勉強会に出席し、その間、
 40分間は、副大臣、政務官の「政務三役」が不在であったことが
 批判にさらされている。
  石破元防衛大臣は、「防衛の仕事は、5分、10分の遅れが
 思わぬ結果を引き起こすことがあり、近くにいたから問題ないと
 いうことではない。防衛省としてあるまじきことであり、
 原因を解明し、そういうことが二度とないようにすべきだ」、
 述べたとのことだが、全くその通りだと思う。

 防衛大臣は、他国の侵略的な行為への対応や防衛出動に
 関して重要な職責を担うものだが、ある意味ではそれ以上に
 重要なのは、重大な災害で国民の生命が危険にさらされて
 いるときに、防衛省のトップとして、自衛隊組織の
 人的・物的資源をどこにどのように配置するのかを、
 刻々と変化する状況の中で適切に判断することであろう。

 しかも、災害への対応は、防衛省だけで行うものではない。
 全国の消防組織を統括する総務省消防庁、被災地の自治体
 などとの連携、それらを統括する首相官邸と、常時、
 緊密な連絡をとり、必要な調整を行うことが、
 防衛大臣に求められる極めて重要な職務である。

 稲田氏が防衛省を不在にした昨日正午頃は、
 九州北部を襲った豪雨で、数十万人に避難指示が出て、
 しかも、各地に孤立した地域があり、一刻も早い救助を
 待ち望んでいる人たちが大勢いた。
 そのような状況で、民間人との「勉強会」に出席していた
 というのは、重大かつ深刻な豪雨災害の被災者や
 その安否を気遣う家族の心情を思うと、
 絶対に許せないものである。

 稲田氏が出席した「勉強会」というのも、支援者ら中心の
 イベントであろう。被災者の救援より、そういう「勉強会」を
 優先する稲田氏の姿勢は、一般の国民より
 支援者・お友達との関係を優先する森友学園・加計学園
 問題等での安倍首相の姿勢と共通するものである。

 都議選の応援演説で、
 「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてお願いしたい」
 などと防衛大臣にあるまじき発言をし、直後に発言を撤回
 した際には、緊張感を持って職務に臨む、などと述べていたが、
 その言葉は一体何だったのか。

 稲田氏は、複数の政務三役が近くに所在し、速やかに
 戻ることができる態勢をとっており、対応に問題が
 あったとは考えていない、と述べているとのことであり、
 菅義偉官房長官も、会見で、問題はないと思っている。
 大臣も含めてすぐ近くに所在し、秘書官から随時連絡を
 受けて速やかに省内に戻る態勢だった、と述べたとの
 ことだが、平時において「不測の事態」の発生に備える
 というのとは全く異なり、既に重大な災害で多くの人の命が
 危険にさらされているのである。

 何かあったら連絡を受けて防衛省に戻れば良いという
 話ではない。
 国土の防衛のために配備されている陸海空の自衛隊を、
 防衛面での影響を最小限にしつつ、最大限効果的に
 九州での豪雨災害の救援対応をするために、
 防衛大臣として、他の機関との連携をとりつつ
 全力で対応に当たらなければならないのは当然である。

 「連絡を受けて防衛省に戻ればよい」などというのは、
 稲田氏も、菅氏も、今回の豪雨災害を不当に軽視している
 としか思えない。
 「国民の命を守る」という防衛大臣の最大の職責を
 全く自覚しているとは思えない稲田大臣は即刻解任すべき
 である。
 これ以上、このような人物を防衛大臣の職にとどまらせる
 ことは、国民として到底納得できることではない」

2017年7月15日 (土)

IL DEVU~魂のうた~HAKUJU場所公演

IL DEVU(イル・デーヴ)~魂のうた~HAKUJU場所公演
~鷗、時代、そして~再びイル・デーヴ小論に代えて~

ある人が、メロンが嫌いな人に「人生で1つ損をしているよ」と言った
という逸話を借りば、「IL DEVUを未だ知らないでいることは、
少なくともこんにち生みだされている声楽アンサンブル音楽の
愉悦の1つを知らないかも」と言えると思う。

今回で確か4回目のライブ公演拝聴だが、この思いは
薄れるどころか、益々確信にも似て強くなるばかりだ。

毎年のHAKUJUでの本場所ならぬライブステージの今回は、
「IL DEVU~魂のうた~」と題されたもので、
主催を企画するHAKUJU側で毎回テーマも提案してきて、
それに基づき選曲等が行われるという、いわば幸福な蜜月関係
にある組合せ公演。

あらためてIL DEVU(イル・デーヴ)を簡単にご紹介すると、
テノールの望月哲也さんと大槻孝志さん、バリトンの青山貴さんと
バス・バリトンの山下浩司さんという、オペラにリサイタルに
それぞれが大活躍されている若手というか中堅オペラ歌手に、
これまた歌手の伴奏を中心に大活躍のピアニスト河原忠之さん
という、いずれも巨漢衆によるアンサンブルユニットで、
名は間違いなく海外で人気の2004年にデビューした
「IL Divoイル・ディーヴォ)」をギャク的にいじって、
巨体ユニットとしてネーミングしたのだろう。

なんでも「体重が90kgを割ったら強制退団」を余儀なくされる
という(笑)。
2011年デビュー。CDも既に2枚リリースされ、全国各地での
コンサートはチケット前売り開始の日には完売という公演も
多々ある人気ユニットだ。

日本にはポップスのかたちではあるが、「ダーク・ダックス」、
「ボニー・ジャックス」、「デューク・エイセス」の活躍によって、
自然に男声四重唱が受け入れられ、愛されてきた幸運な土壌が
あるが、「IL DEVU」は、そこに、クラシックの名歌手による
ユニットとして新たに参入し、クラシックをベースとしたという点
では、これまでになく本格的で、しかし親しみやすい、
ユニークで貴重なユニットの誕生と言える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回のテーマによる選曲は次のとおりで、最初はまずソロで
各1曲歌い(弾き)、
その後は4人で、というのはいつもと同じスタイル

Ⅰ.1曲入魂の歌
 1.河原さんのソロで、シューベルト「楽興の時」第2番による
     オープング
  2.R・シュトラウス「4つの歌」より「憩え、我が魂よ」by山下さん
  3.リスト「ペトラルカの3つのソネット」より
     「私はこの地上で天使の姿を見た」 by 大槻さん
  4.メンデルスゾーン オラトリオ「エリア」より
     「満ち足れり、主よ我が魂を受取り給え」by青山さん
  5.ヴェルディ「レクイエム」より「私は嘆く」by望月さん

Ⅱ.日本合唱界で愛され続ける二人の作曲家による、
    愛すべき魂の共演
 1.信長貴富の愛すべき魂
   男声合唱とピアノのための「新しい歌」より
  (1)きみ歌えよ (詞=谷川俊太郎)
  (2)夕焼け   (詞=高田敏子)

(休憩)

2.木下牧子の愛され続ける魂
  (1)男声合唱による10のメルヘン「愛する歌」より
   ①雪の街、②ユレル、③さびしいカシの木、
   ④犬が自分のしっぽを見て歌う歌、
   ⑤誰かが小さなベルをおす
    (いずれも詞=やなせたかし)
 
(2)鷗(詞=三好達治)…DEVU版アレンジ伴奏付き初演

Ⅲ.日本の魂の歌~昭和ソングス~
  信長貴富編曲:「男声合唱とピアノのために「時代」より
 (1)サボテンの花(財津和夫;作詞作曲)
 (2)生まれ来る子供たちのために(小田和正;作詞作曲)
 (3)時代 (中島みゆき;作詞作曲)

Ⅳ.復興そして鎮魂の歌~未来の子供たちへ~
  「花は咲く」 菅野よう子作曲、詞=岩井俊二、
編曲=森田花央里…DEVU版アレンジ初演

アンコール
1.ひばり(木下牧子~男声合唱による10のメルヘン
「愛する歌」より)
2.いのちの歌 (松村崇継作曲、作詞=Miyabi)
・・・・・・・・・・・・・・・

ステージも真っ暗にしての河原さんによる独奏で開始する
スタイルも定着。
前半にそれぞれのソロによる歌唱を置くスタイルも。
山下さんによる格調高いR・シュトラウス。大槻さんによる、
しっとりと抒情的なリストの歌曲。
青山さんは体格だけでなく声もふくよかで豊麗な歌声。
リリックで情熱的な望月さんのヴェルディ。

テーマが「魂」だけに、ふだんではリサイタルでは歌われない
ような曲が続いた点もユニーク。
そして、「君うたえよ」と「夕焼け」は私も歌ったことがあるが、
シンプルにしてポップ的な親しみ易い曲を美しいアサンブルで
聴かせてくれて、前半は終わった。
・・・・・・・・・・・・・・・

後半最初の木下牧子さんの5曲は、10曲からなる「愛する歌」の
後半5曲で、13日にもHAKUJUで「IL DEVU」の公演があった
のだが、そこでは前半の5曲が歌われたとのこと。
「さびしいカシの木」は有名で、IL DEVUもCDに収めているし、
合唱だけでなく、歌手もソロで歌う機会が増えて来ている。
「雪の街」などもとても美しい歌だ。
・・・・・・・・・・

そしてもう1曲の「鷗」は、合唱ファンには「夢みたものは」とともに
有名な曲だが、望月さんが特に気に入り、自身のリサイタルでも
個人用に作曲者に編曲してもらい歌ったほどで、
今回も本来のア・カペラ(無伴奏)を、木下さんにピアノ付きの
男声四重唱という正にIL DEVU用にアレンジしてもらっての初演
だった。
望月さんによると、自身のリサイタルでは、この「鷗」と、
信長さんの「Fragments」という特攻隊員の書き残した言葉に
基づく歌をセットで歌われたとのことで、
「鷗」も確かに「カモメ」という言葉は一言も出て来ないが、
「彼らはやっと自由になった」が何度も繰り返される点で、
望月さんは②作品に共通するメッセージを感じたという。

4人の熱唱だけでなく、この望月さんの事前の解説からも、
曲に対する深い敬愛が伝わってくるMCだった。
この一連の歌が終わると、来場されていた木下さんを
望月さんが手で客席に差し出して紹介した。
・・・・・・・・・・・・・・・・

そして次が、このコンサートのバラエティに富んだ点でも注目に
値する、財津さん、小田さん、中島さんの有名な曲。
小田さんのハイトーンについて望月さんは
「原曲より下の調性で歌います」として小田さんがいかに
ハイトーンで歌っているかを間接的に伝えたのも印象的だった。

「サボテンの花」での特に大槻さんの美しい声が素敵だったし、
「時代」での4人のハーモニーが素晴らしかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、森田花央里さんによるDEVU用のデーヴにぴったりの
素晴らしい編曲による「花は咲く」は印象的で、このいまでは
誰もが知るゆえに、曲自体の新鮮さは薄れたと想える曲
 ~むろん復興は未だ未だ未完だが~が、新しい曲として
生まれ変わったかのような新鮮な歌として歌われたのだった。

この曲を選ぶ中心になされた大槻さんによる、そのいきさつ
 ~HAKUJU(株)白寿生科学研究所代表取締役社長、
 原昭邦氏の活動も紹介しながら~の解説は非常に素晴らしく、
それだけ聞いているだけで感動したほどだった。
大槻さんの人柄が滲み出た素晴らしい解説と選曲だったと思う。
・・・・・・・・・・・・・・

アンコール1曲目は、先述の13日の公演で歌ったという木下さんの
「愛する歌」から、この日のプログラムでは入れていなかった
「ひばり」と、朝ドラの中で歌われたことがきっかけで有名になり、
今では多くの歌手により歌われるようになってきた「命の歌」が
歌われて本公演が終わった。
・・・・・・・・・・・・・・

終演後、サイン会があったが、私をはじめ多くの人は既に以前購入
してサインもしてもらった人が多かったようで、
プログラムへのサインOKということを私を含めて100人前後の
人がならんだ。私は青山さんと大槻さんとはFBで友人になって
いただいているし、山下さん、望月さん、河原さんともこうした
サイン会で(短いなから)何度もお話させていただいているので、
先程の中での歌唱の感想とか、今後の個々の出演についての
やりとりをそれぞれとさせていただき、会場を後にした。
https://www.toho-music.ac.jp/college/concert/concert/2017052601.html
http://www.hakujuhall.jp/syusai/101.html

参考「パセラ」
https://www.youtube.com/watch?v=gIiCat2u8tg
見上げてごらん夜の星を byイル・デーヴ
https://www.youtube.com/watch?v=XCupgJ2ccPw

2017年7月 3日 (月)

オペラ ガラコンサートⅡ~ヴェルディ・プッチーニの夕べ

7月3日夜は、
「オペラ ガラコンサートⅡ~ヴェルディ・プッチーニの夕べ」
を五反田文化センターで聴いた。

まず、五反田文化センターは初めて入った会場だが、
シックで品の良い造りの、なかなか良い小ホールなのだが、
場所が判りにくいのが難点。五反田から歩くより、
目黒線「不動前」駅から歩いたほうが近いが、
初めて行く場合、いずれの駅からでも地図を見ながら
でないと、まず行けない。
これだけステキなホールなのにもったいない。

(注)後で、五反田駅から「TOC行きの無料シャトルバス」があり、
それに乗ると便利、ということを知った。

さて、このガラコンサートは2回目ということで、
企画自体がまだあまり知られておらず、今述べた
会場のロケーションのこともあるからか、
客入りは座席の半数ほどではあったが、内容の立派な
ステキなコンサート(で安価=3,000円)だっただけに、
聴いた人はラッキーだったし、今後、回を重ねていけば、
もっと集客(動員)自体もにぎわうようになるだろう。

まず出演者と演目を記し、感想も少し記載したい。

出演者

ゲスト出演者2名
パオロ・ラルディツォーネ(Ten.)、青盛のぼる(Sop.)

ソプラノ;田中世怜奈、津金久子、中村洋美、中本椋子
メゾソプラノ;前山依加
ピアノ;篠宮久徳

・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅰ部~ヴェルディの作品より
1.歌劇「リゴレット」より「女こころ(女はきまぐれ)」
   By ラルディツォーネさん

2.歌劇「リゴレット」より「君は心の太陽」
   By ラルディツォーネさん&田中さん

3.歌劇「イル・トロヴァトーレ」より「穏やかな夜」
   By 中村さん&津金さん

4.歌劇「イル・トロヴァトーレ」より
   「まさか! 俺を欺いていないか?」
   By ラルディツォーネさん&前山さん

5.歌劇「椿姫」より「さようなら、過ぎ去った日々よ」
   By 津金さん

6.歌劇「椿姫」より「パリを離れて」
   By ラルディツォーネさん&中本さん

 (休憩)

Ⅱ部~プッチーニの作品より
1.歌劇「トスカ」より「マリオ、マリオ(ここにいるよ)」
   By ラルディツォーネさん&中村さん

2.歌劇「トスカ」より「歌に生き、愛に生き」
   By 青盛さん

3.歌劇「修道女アンジェリカ」より「母もなく」
   By 前山さん

4.歌劇「蝶々夫人」より「可愛がってくださいね」
   By ラルディツォーネさん&津金さん

5.歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」
   By 青盛さん

6.歌劇「つばめ」より「ドレッタの美しい夢」
   By 中本さん

7.歌劇「トゥーランドット」より
   「お聞きください、ご主人様」
   By 田中さん

8.歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」
   By ラルディツォーネさん
   (途中の女声合唱をソデから出演者が歌った)

最後は、出演者全員で、「椿姫」より「乾杯の歌」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最初と最後にゲストの1人、パオロ・ラルディツォーネ
さんのソロで華やかに開催し、本プログラムを終えると
した点と、唯一の男声歌手でもあるパウロさんと、
それぞれの女声歌手とのデュオを組み込ませたという
2つの特色を出した構成。

私自身は、中本椋子さん、前山依加さん、
中村洋美さん以外の歌手は今回初めて聴かせていただいた。
・・・・・・・・・・・・

ラルディツォーネさんの軽めで色気のある声は、
どちらかと言うとヴェルディよりプッチーニに向いている
ような印象を受けた。

もう1人のゲスト、イタリア在住が30年に及ぶという
青盛さんによる「歌に生き、愛に生き」と、
「ある晴れた日に」は、体格を含めて「大御所」という
風格ある堂々たる歌唱で、見事だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・

田中世怜奈さんの声は春の暖かな季節感を感じさせて
ステキだった。

中村さん&津金さんのデュオはいずれもソプラノなのだが、
低音も充実していてメゾのような要素もあり、特にそれは
津金さんに顕著だった。その点からもソロで歌った
「さようなら、過ぎ去った日々よ」の余韻は印象的。
中村さんは高音も伸びやかによく出ていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この日、唯一のメゾソプラノの前山さんは、以前、
銀座ビアプラで聴かせていただいて以来、
月日が経ってしまったが、2曲とはいえ、
前半のデュオも後半の「母もなく」も、哀しみを
湛(たた)えた情感溢れる歌声で、細身そのまま声も
豊麗とかではなく細めなのだが、陰影ある声には
独特の色気も感じさせてくれる、とても印象的な歌唱だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

既に何度も聴かせていただいている中本さんは、
「発声のクリアさ」という点で際立っていた。
ヴィブラートを極力控えた明るく伸びやかなトーンによる
歌声は、ステージや会場を一気に明るくする。
前半のデュオでは迫力もあり、後半のソロ曲の有名な
「ドレッタの美しい夢」は、ありがちな
「華やかに歌う」というのではなく、あくまでも
清らかで無垢な歌声で、スケール感よりも、
可憐でピュアな発声と心情を基に歌われたように感じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後になったが、ピアノで支えた篠宮久徳さんの演奏は
安定感があり、とても素晴らしかった。

都議会議員選挙結果はほぼ予想どおり

都議会議員選挙~ほぼ事前の予想どおりの結果
政治評論家やメディア関係者らが、
「ここまで自民党が大きく負けるとは想像外だった」
などと言っているのが不思議。

自慢にもならないが、私の事前予想は以下。

「都民ファーストの圧勝、自民党は半減する。
 公明党と共産党はこれまでの数とそれほど変わらない
  (減ってもわずか)だろうし、あるいは逆に
 少し増えるかも。
 民進党?ゴメン、存在を忘れていた」

そして、自民党の歴史的敗北により、
「改憲スケジュールがどうとか言ってられなくなる」も、
やがて「当たり」となってくるだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

参考~選挙前に、フェイスブックなどでの、
他の人とのやりとり~私の発言

6月27日

Fさんに
国政と違って、都議会議員選挙では、公明党は
「自民党と袂を分かつ」として、小池知事に寄ったから
で、よくぞ決断、実行できたな、とは思います。
自民党は逆風で議席を減らすと思いますし、
その流れにいたくなかったのでしょう。
私は公明党支持者ではないですが、党としての戦略
としては正解だと思います。
もちろん、学会系以外の一般有権者や、
都民ファースト支持者がどう思い、判断(投票行動)するかは
判りませんが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
独り言
都議会議員選挙が楽しみ
豊洲移転には反対。理由は簡単で、豊洲には仕事で
何度も行き、決して嫌いな土地ではないが、どう見ても
「魚市場の空気を全く感じないから」。
これにつきる。
それでもどうやら、小池さんは移転に踏み切らざるを
得ないようだ。

それは別として、安倍内閣支持率急落により、
とりあえず都議選が楽しみ。たぶん、
小池さん支持勢力が勝ち、自民党は激減するだろう。
定演の日だから期日前投票を忘れないようにしないと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Yさんに
ファースト、公明、共産で多数を占め、自民党は
半減以下。維新は要らない、でいいでしょう。
国会議員だった小池さんは応援しませんでしたが、
都知事としての小池さんは応援します。とにかく、
多数派だった自民党を壊滅させるにはファースト圧勝
しかないし、たぶんそうなるかと。

私は築地維持派だから共産党も伸ばして欲しい。
公明党は驚きました。国政とは割りきって、小池さんに
寄った。戦略としては見事です。なかなかできない。
あ、民進党を忘れていた。
今の民進党は「どこに行きたいのか?がよく解らない党」
何事においても。
福島さんは好きだけど、社民党は根本から全て
立て直さないと益々ジリ貧の一途。

小池さんが国政ではタカ派だったとか言い、忌み嫌う人が
いるけど、割りきらないとダメ。
都知事として都政を変えればいい。
今の彼女に憲法を変えることに関する権利も資格も
無いのだから憲法云々は不要。

それより、都議会から自民党を滅ぼし去らせることが
今回の最大のポイント。それを忘れたらダメです。
国政選挙じゃないんですから。

ます、都議会から自民党壊滅を実現させる。
そうなると、自民党に衝撃が走る。「憲法改正に着手」
などと言ってられなくなる。
そういう現実的展開を考えた戦略こそ重要。
イデオロギー的アジテーションは不要です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

T氏のストップ・ザ・アベにたいして
そのためにも、都議会から自民党員を激減させることが
重要。民進、共産、社民だけでそれができれば、
それに越したことはないけど現実にはムリです。
ある意味「都民ファーストを利用すること」ということです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その他
都議会議員選挙で、自民党候補者を応援した
稲田朋美防衛相が、
「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としても
 お願いしたい」と演説。同日深夜にこれを撤回した。
豊田真由子よりはマシだが、大臣として何を言っては
マズいか解らないのだろうか?
弁護士でもあるのに。実に不可解な思考回路。

デープ・スペクターさんは稲田氏について
 「自分を守れないのに、国を守れるわけない」
松本人志さんは、
 「稲田さんより、アキラ100%のほうが、防衛力あるよ」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170628-00000035-asahi-pol


首相演説に「辞めろ」「帰れ」の声 都議選で初の街頭に
与党や支持者は、マジで「ポスト安倍」に動き出したほうがいいと思う。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170701-00000047-asahi-pol


その少し前段階での独り言
安倍内閣の支持率は本当に高どまりしているのか?
様々な問題噴出にかかわらず、大手新聞やTV局による安倍内閣支持率は依然として50%を超えているという。だが、違う調査も出てきた。
週間文春が5月31日~6月5日に実施し、1570人から得たアンケート結果では、安倍内閣を「支持するが22%」、「支持しないが78%」。
日本経済新聞電子版クイックVoteでは1万1千人からのアンケート結果として、「支持するは26.7%」と、こちらも、20%台なのだ。
これは森友問題からの一連の問題、特に最近の加計学園の問題が大きいようで、週刊文春では「前川前事務次官の証人喚問に賛成が86%、日経Voteでは加計学園に関する政府の説明には「81.4%が納得できない」としている。
これらアンケート結果の真偽自体もさることながら、私にはこのマスコミによるアンケートの落差(違い)とは何か?という原因、理由自体にも大きな関心がある。


内閣支持36%、不支持44%
とうとう逆転。次期総理は石破 茂氏か? 安倍より隠さずハッキリ物事を言う点はまとも。もし暴走しそうになったら、彼が大ファンだったというキャンディーズの伊藤欄さんと藤村美樹さんから「やり過ぎだよ」と言ってもらおう。あるいは霊界から田中好子さんに枕元に出てきて「暴走はダメよ」と囁いてもらおう。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6243777
面白い調査~産経新聞読者で現政権支持者は「86%」、東京新聞は「5%」、
読売=43%、日経=41%、朝日=14%、毎日=9%
産経は一度も読んだことが無い。読売読者の現内閣支持者は意外と低いんだ。
右翼が目の敵にする朝日は14%います。毎日や東京のほうが低い。毎日は意外な数字。
https://news.yahoo.co.jp/byline/yoneshigekatsuhiro/20170620-00072316/

2017年7月 2日 (日)

三石精一先生

諏訪根自子さんの伴奏した三石精一先生に指導していただくことの
ありがたさ

若い指揮者との共演は面白い。特に「この人、いいな(凄いな)」と
感じさせてくれる若い指揮者とも何人も共演させていただいたし、
今も、これからも応援していきたい。

それはそれとして、常任や音楽監督だった福田一雄さん、
岩城宏之さんの両先生や、客演していただいた山田一雄さん、
今村能さん、渡辺康雄さん(暁雄さんの長男)らのマエストロ
との共演にもそれぞれ思い出がたくさんある。
岩城さんについては先日書かせていただいた。

現在、常任指揮者の福田一雄先生(9月で86歳)とは、
岩城さんとは全然違う選曲で、
得意のチャイコフスキー三大バレエ(抜粋)、プロコフィエフ、
スターウォーズや「ライムライト」や「寅さん」などの映画音楽、
ウェストサイド物語、そして何と言っても「ゴジラ」である
伊福部昭さんの「SF交響ファンタジー第1番」等々、
バラエティに富んだポップスコンサート的な経験も
たくさんさせていただいた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして現在もう1人の常任指揮者の三石精一さんも現在85歳
だが、どうみても70代にしか見えないほどお元気。

別途書いたとおり、初練習に先って、5枚以上にわたり
細かな留意事項(当然、どの部分か、そこではテンポを速める、
譜面にはないがクレッシェンドして等々、具体的に言及)を
団員に周知してくるという、アマチュアだからとナメない、
温かく優しい、同時に真にプロフェッショナルで誠実な指導を
いただいてきている。

岩城先生は凄く恐かったけど(といっても、私はズウズウしいので
全然恐くなく、毎年でも振って欲しかった)、
福田先生と三石先生には団員は皆、怒られた記憶がない。

むろん呆れられたことや、カチンと来ることは何度もあっただろう
けれど、そういうことはまず口に出さず、お2人とも
いつも穏やかで楽しい練習をされるのだ。

厳しい練習も、アットホームな練習も、アマオケには
たぶん両方必要で、どちらがどうというのではなく、
それぞれの個性に出会って、向き合ってきた経験は
何モノにも替え難い。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数年前に萩谷由喜子さんが出版した本、
「諏訪根自子~美貌のヴァイオリニストその劇的生涯」は
とても貴重な記録だが、三石さんは若いころピアニストとして
諏訪さんと度々共演して、信頼を得てきたかたでもある。

往年の名バリトン歌手、ゲルハルト・フィッシュの来日時も
ピアノ伴奏を務められた。
諏訪根自子~三石精一~僭越ながら学習院OB管弦楽団と、
時代が流れる中、三石さんはプロアマ問わず、
多くの音楽家(集団)と共演し、指導してこられただけでなく、
愛されてきた。

いつもニコニコされて練習場に来、演奏会場にいらっしゃる。
たくさんの経験を積まれ、愛されてきた名人指揮者と共演
できる喜びはとてつもなく大きい。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~yukiko99/books2-11.html

2017年7月 1日 (土)

幻想交響曲について

ベルリオーズという作曲家は好きな作品はほとんどないが
「幻想交響曲」はよくできていると感心する。
7月2日の定演で演奏するのが私自身は3回目だが、以前は
「第2楽章が最も優れ、他の楽章は個性的だけど、
 構成的に問題点が多いな」と思っていて (これは同じ事を
 昔、黛敏郎さんが「題名のない音楽会」で言っていた)、
 よって特別好き曲ではなかったが、それでも第5(終)楽章
 の鐘に興味があり、指揮者がどういう鐘を選択をしているか
 の1点興味だけで、CDを買っていた時期があるので、
 15枚前後は持っていると思うし、実際、ほとんどは
 違う音色や重さ等の鐘なので、終楽章の聴き比べ
 だけでも面白い。

それはさておき、今回、あらためてスコアをよく見ると、
第2楽章だけでなく、各楽章の構成力、アグレッシブなリズム
と強弱、ユニークな楽器活用、美しいオーケストレーション等々、
あらためて「優れた交響曲」である点が認識できた。

内容に関するこれまでの「いささかバカにした感触」は
私の中で完全に消え、完全に好きな曲になったと言えるし、
少なくとも「驚嘆すべき曲」であることを思い知らされた。

演奏するのは3回目なので、ヴァイリンはどこが難しいかは
判っているから、そこを重点的に練習すればよいのだが、
個人がどんなにキチンと演奏できても、いざ合奏となると、
なかなかうまくいかない部分というのは、この曲に限らず、
たいていどの曲にもある。

それも多くは、「あまり目立たないところ。
聴く際にはそれほど注力(関心)が強くは向かない、
さりげない部分こそ難しい」ということはよくある。

例えば、第2楽章のスコアだと練習番号27前後。
三石精一さんとの2週間前の練習時、この部分だけで
5回以上(10分以上)練習したが、うまくいかない。
アンサンブルとしてキレイに自然体で流れないのだ。

もちろんウチのオケの合奏力の問題という点はある
にしても、多くのプロオケでもこの曲を指揮してきた
三石先生も「難所」と言及されるように、曲想として
演奏し難い部分であるのは事実なのだろう。

昨日のリハでのこの部分は2回くらいの繰る返しで
なんとかできたが、この部分はたぶん本番ギリギリまで
手を焼く部分となるに違いない。
本番でうまくいけばいいが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

スコアを誰が(勝手に?)変更して来たのか?
もう1つ、「幻想交響曲」の中では第2楽章がデキとしては
一番よく書かていると思う。ただ、今回、私が所有する
Doverのスコアを見ていたら、面倒な部分を発見してしまった。

エンディングに向かう練習番号36の手前で、各楽器が
2拍目や3拍目でスフォルッツァンド(sf)をする印象的な部分
だが、今回使用する新しいブライトコプフのセカンドヴァイオリン
のパート譜にはそれがなく、ただの刻みが続いているだけ
なのだ。
しかも、これは弾き易いかというと「弾き難い」。
なぜなら他がスフォルッツァンドすることで、リズムだけでなく、
小節の進行も特徴(性格)付けて進行しているのに対し、
それができないから、速めの3拍子(ワルツ)の中で、
進行位置を見失いかねない危険があるからだ。

もちろんチャント数えればいいのだが、弾き難いだけでなく、
他の楽器が「sf」を付けているのに、セカンドが無いのは
極めて不自然で、音楽としておかしいと思う。

もっともベルリオーズは、常識的なオーケストレーションでは
ないことをたくさん盛り込んでいるのがこおの曲の特徴でも
あるから、一概にその「常識」は通用しないのかもしれない。


実際、練習時(休憩時)、三石先生にその疑問点をぶつけ、
先生のスコア(新しいブライトコプフ全集版とされる中のスコア)
で確認していただいたところ、パート譜面どおり=セカンドは
「sf」はなし、とされていた。

マーラーは自身で改定したが、ブルックナーをはじめ、
幾人かの作曲家の作品では、こうした
「後の時代での他者(多くは出版社、あるいは、ハース、
 ノヴァークらの研究者)による<勝手な変更>が
 いつのまにかなされているケースが多い」。

それが果たしてどれほどの権威をも持ち、音楽的にも
実際の演奏的にも見事な改定であるかどうかは、
「多くの場合、全く別問題」で、変な改定のほうが多いのが
現状と想える。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なお、7月学習院OB管弦楽団のの定期演奏会で指揮を
お願いした三石精一先生は、3月の初練習に先んじて、
団員全員に定演で演奏する3曲について詳細な留意事項を
提示された。

85歳というご高齢とはとても思えに精力的、情熱的な精神と
肉体を維持され、当団の常任指揮者の1人とはいえ、
4年ぶりの来演とはいえ、アマチュアである我々に、
そこまで熱意をもって全力でご指導いただけることは
本当にありがたく、頭が下がる思いがする。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
演奏会終了
スリリングで楽しかった幻想交響曲
個人的には幻想交響曲の演奏は3回目だったが、
今回が一番面白かった。
自分の技術が昔よりはマシになったこともあるが、
第3楽章でのソデ(舞台裏)のエコー効果オーボエは
清らかだったし、終楽章の「鐘」の大役を、敢えて
賛助出演の現役大学生という若い奏者に任せたことで、
前日ゲネでは危険度、不安度「大」の状況だったが、
本番ではミスはなくホッとした。

ソデ(舞台裏)でのモニターで指揮をを見ながらの演奏という
こともあり、打音が微妙に拍の頭から遅れる傾向はあったが、
若い奏者には今後の勉強になったことだろう。

むろん本当は安心して演奏できる演奏会が好ましいが、
スリリングな要素が内在する演奏会も実に楽しい。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170702-OYT1T50074.html

http://www.asahi.com/articles/ASK724PR0K72UTIL00C.html

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