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2017年6月16日 (金)

らららクラシック~新スタートまもないころの評判の悪さと、最近の変化について

新らららクラシック
らららクラシック~新スタートまもないころの評判の悪さと、最近の変化について

番組開始まもないころの感想
4月7日から毎週金曜日として新スタートした「らららクラシック」
高橋克典さんは男からみてもカッコイイ俳優だと思うし、
父親が音楽教師、母親が声楽家という家庭で育ったとは
初めて知った。
しかし、芸能人ゲストの個人的な話とかギャグ的なルポには
シックリ来なかったし、加羽沢さんの高度にして解り易い楽曲解説と
同等の、それに替わるものが今後ももし無いとすると、
いささかガッカリだ。

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直接知らない人のネット記事を紹介
 ~「ららら♪クラシック」に別れを告げる日
「らららクラシック」で加羽沢美濃さんがいかに重要な役割を演じて
いたか、ゆえに彼女がいない「ららら」が存続するのか?と
書いている人のブログを偶然発見した。共感できる。

詳しくも親しみやすい、すなわち専門的ではあるが初心者向けに、
ピアノを弾きながら、丁寧に解説できるという加羽沢さんの才能と
キャラあっての「ららら」だったので、出演者変更により
評価が下がるのは当然。
高橋克典さんと局アナと毎回のゲストによる解説では物足りなさが
募る。実際、「新ららら」の評判は悪いようだで。
これまでが良かっただけに、どうしても比較されてしまう
http://allezvous.hatenablog.com/entry/2017/02/20/193020

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加羽沢美濃さんの解説がいかに素晴らしいか
  「英雄ポロネーズ」の例
「ららら」の話題の続きになるが、加羽沢さんがいかに
素敵な解説をされていたかの1例として、下記の映像が
参考になる。
いつものようにピアノを弾きながら丁寧に解説するのだが
 ~この点こそ「新ららら」では無くなってしまった決定的な
  違いだ~「英雄ポロネーズ」の序奏について、
まず軸になる最初の音が半音ずつ上がっていき、
次の段階ではまるで赤じゅうたんが敷かれたような展開が
なされ、そして主役(英雄)が登場する(テーマが奏される)
とする解説は素敵だったし、
「ポロネーズ固有のリズム」についての説明も、
ショパンは左手だけでなく右手をからめることで
 (16分音符の)リズムを作ることで、
左手が縦横無尽に行き来し、ダイナミズムが生じるように
作曲している、という言及は、お見事と言うほかない。

このように、言っていることは実は相当ハイレベルな事
なのだが、それを「音楽自体は好きだけど楽曲構成等には
詳しくない人」向けに、解り易く「決して上から目線ではなく」
丁寧に解説されていたことこそが、
加羽沢さんの何よりも素晴らしい点だったのだ。

この「上から目線ではなく」が重要で、いくらテレビ番組の仕事
でも、もし彼女にほんの少しでも詳しくない人に対する蔑視が
あったなら、あのような専門的にして丁寧な温かな解説など
決してできるはずはない。

以前、あるサイトで、東京芸大卒の若い男性作曲家が、
アマチュア演奏者をバカにするような発言を読んだことがあり
呆れたのだが、その人は「音楽を聴きに来る人の多くは
「詳しくない人、専門とはしていない人」という一番重要なことを
忘れている」のだ。加羽沢さんとは雲泥の差だ。

真のプロは、詳しくない人に解り易く伝えられるし、何より、
詳しくない人に対して愛情あふれる演奏や歌声を披露できる人
なのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=N4aC9ZnNqfE

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170617-00000052-mai-pol

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 最近、「らららクサシック」が変わってきた。
らららクラシック~武満徹「ノヴェンバー・ステップス」
加羽沢美濃さんを欠いき何かと不評の同番組だが、
ブルーアイランドこと青島広志さんによる武満さんへの愛を感じる
解説により、新スタート後、最も充実した放送だったと思う。
何より生前の武満さんの映像と話し声が懐かしかったし、
初演時のニューヨークにおける「冷たい空気」と戦おうと
していた小澤征爾さん、尺八の横山勝也さんらの当時の緊迫感を
伝えるインタビューも印象的。

尺八、琵琶という和楽器というが、武満によって和楽器の
概念を超え、西洋楽器群の「中に」ではなく、強いて言えば
むしろ前に立ちはだかり、静かに主張することでその世界を展開し、
そのことにより、もはや西洋でも東洋でもない一つの風と空の
空間を創り出した画期的な作品と言えるだろう。

小澤さん、故・岩城宏之さんの他、デュトワ、スラットキンら
欧米の指揮者もたびたび取り上げてくれるのが嬉しい。
ラトルも生前の武満さんと親しく接していた。

そうか、今年の11月で「ノヴェンバー・ステップス」初演から
50年が経つんだ。
私は録音された全てのCDだけでなく、EDITION PETERSの
巨大なスコアも持っているので、
今年はあらためてじっくり聴いていこう。

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以下、これまでの番組内容を列記してみよう。
日付け、テーマ、出演者の順で記載。

4月 7日 エルガー「愛の挨拶」~三浦文彰、三田寛子
4月14日 伝説の名演奏家 ピアノの巨匠 リヒテル~反田恭平
4月21日 ベートーヴェン「英雄」~宮川彬良
4月28日 ヴェルディ「椿姫」~錦織 健、壇蜜
5月 5日 楽器特集チェロ~長谷川陽子
5月12日 武満徹「ノヴェンバー・ステップス」~青島広志
5月19日 ファリア「火祭りの踊り」
       ~下山 静香(ピアニスト・スペイン音楽研究者)
5月26日 ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
        ~三浦友理枝、平 岳大
6月 2日 3つの「舟歌」(メンデルスゾーン、ショパン、
       チャイコフスキー)~林 達也(東京藝大准教授)
6月 9日 「サウンド・オブ・ミュージック」
       ~シルビア・グラブ、鈴木壮麻、安倍寧
6月16日 バルトーク「管弦楽のための協奏曲」
       ~吉松隆、関口知宏
6月23日 「埴生の宿」~森 麻季、山岸茂人

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こうして見ると、話題の反田さんの出演や、
「ノヴェンバー・ステップス」、3つの舟歌、
バルトークの「管弦楽のための協奏曲」など、
なかなか挑戦的だし、その中で、楽器特集、オペラ、
ミュージカル等の話題を差し込んでくるなど、
工夫が見られるようになった。
少なくとも、スタート時のガッカリ感は薄れ、今後、
期待してもよいかもしれないと思うようになった。

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