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2016年11月27日 (日)

合唱団 響~Kyo~合唱オペラ 中也!     演奏会2016

合唱団 響の「中也!」の公演を観、聴いた。
会場はすみだトリフォニーホール。

いわゆる「合唱オペラ」の新作委嘱公演で、
佐々木幹郎さんの台本と演出。作曲者は西村 朗さん。

指揮はもちろん栗山文昭さん。

ピアノは浅井道子さん。

演奏自体は練習の成果が十分感じられる、充実の内容だった
と思うが、少し違う観点から感想を書いてみたい。

<運営について>
1.指定席と自由席の2種、今回設定されており、
 私は自由席だったが、すみだトリフォニーは2階のバルコニー席が
 気に入っているので、そこは指定席ではなく、
 自由席でよいのか?という点が判り難かった。
 結果、2人~係員と既にバルコニー席にいた他の客~に
 確認して着席したが、こんなことは、
 例えば、入口に入ってすぐのロビーに、
  「座席表を色分けする」とか、
  「1階以外は全て自由席です」等の、何らかの掲示を
 しておけば済むことで、こうした「ちょっとしたこと」は
 開催主催者においては重要な事だ。

 団員の中で、そうしたことに気づく人が誰もいないのだろうか?
 演奏会慣れしていないならともかく、「響」としても、あるいは
 団員の中には学生時代も含めて他の団等でステージ経験が
 ある人は多々いると想像するが、そうした個々の経験を
 含めて、何も活かされていないと言わざるを得ない。

2.開場時間も5分遅れて16:35のドア開けだった。
  「たった5分」かもしれないが、寒空の下、既に200人以上
 と思われる人がならんでいるのだから、
 早めて入場させていいくらいを、遅れるのはマズイ。
 これも「ほんのちょっと気をつければよいこと」で、
 これでは有名な団の演奏会とは言えない。


<作品について>
1.時代背景と登場者について

「5.15」、「2.26」の起きた時代(への進行)とはいえ、
作品中で、文士の他は軍人と娼婦に重点を置いたことに
大いに違和感を覚えた。

あの時代(と想像するだけだが)、もっと明るい、
ごく普通の日常はあったはずで、国民が深刻な戦争感受に
至るのはやはり真珠湾攻撃以降ではないか?
という思いが拭えない。

文士の中でも、戦争批判者はむしろ少数だった、
という事などを考えて場合からも、
設定に「時代の決め付け的要素」を強く感じた。

いみじくも、映画「この世界の片隅に」が話題になっていて、
あの作品では正に「戦争、原爆という迫りくる悲劇の直前
においても、庶民の普通の生活があった」ことが
描かれていて印象的で、それゆえ、
戦争への強い憤りを覚えるわけだが、
それと対照的な内容だった。

2.セリフと登場人物の個性について
コーロ・カロスの「そして旅にでた」でも感じたことだが、
「うた」の場面が素敵な反面、セリフに音程や抑揚が付く
ことで、かえって日本語が「画一化」してしまい、
その結果、個性~中原中也の、小林秀雄の、
大岡昇平の、太宰治の等~の表出が
かえって弱まる気がした。

演劇のように「音の色づけ」なしの、ストレートなセリフに
したほうが、キャラが際立つ感じがした。

3.主役級以外の人の活躍=合唱の量について
コーロ・カロスと比べるは、それぞれに失礼とは思いつつ
比べてしまうが、全体が少人数で、重唱を多用した
カロスの寺嶋作品の公演に対して、「中也!」では
もっと「全員が活躍する場面」を多くして欲しかった、
という感想を抱く。

合唱の場面は作品としても演奏としても素晴らしかったが、
それだけに、中也ら数名に限定された「主役」に
比重が置かれる(ざるを得ない)ことが、
「合唱オペラ公演」とはいえ、
合唱団としての公演であることを考えた場合、
疑問が強く残る。

<まとめ>
以上のように、セリフの点と、合唱比重の点で、
「合唱オペラ」における問題点のようなものを私なりに
感じたが、それでも、さすが西村作品というアグレッシブな
印象的な作品とその上演であったことは間違いない。
お疲れ様でした。

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