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2016年11月15日 (火)

オペラ 白狐~東京初演公演を聴いて

菊地美奈さんが出演されるので、興味を持った上演。
岡倉天心が1913年にボストンで執筆した英語の
オペラ台本“The White FoX”に、
没後100年&生誕150年を記念し、
「妙高市文化ホール30周年記念事業」
 ~公益財団法人 妙高文化振興事業団の委嘱作品
として、平井秀明氏が翻訳・台本・作曲し、
2013年12月1日に同ホールで初演された作品。

妙高市でハイライト版により2014年、2015年に継続上演
され、今年9月の茨城でのハイライト版に続く、
東京初演(全幕・演奏会形式)となる上演を、
豊洲文化センターで聴いた。

父がチェロの平井丈一朗さん、
祖父が作曲家の平井庸三郎という平井秀明さんは
近年、ウィーン国立歌劇場や、アメリカ等での指揮活動も
めざましいようだ。

原作=岡倉覚三(天心)

翻訳・台本・作曲・指揮=平井秀明

コノハ;葛=菊地美奈(ソプラノ)

保名=猪村浩之(テノール)

悪右衛門=豊島雄一(バリトン)

乙女;狐の妖精;巡礼の女=村元彩夏(ソプラノ)

狩人;巡礼の男=大塚康祐(テノール)

踊り=東 由希子(ダンサー)

白狐室内アンサンブル
ヴァイオリン(コンサートマスター)=小山啓久
フルート=斎藤 碧
オーボエ=船津美雪
クラリネット=倉内理恵
ピアノ=木村裕平

合唱=平井秀明オペラ合唱団、妙高白狐倶楽部合唱団

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歌手の皆さんは素晴らしかったが、
作品は拍子抜けするほど、歌謡調のメロディと単純な和音の
連続で、いわゆる「ゲンダイオンガク」的な響きは皆無だった。

気恥ずかしいくらい、単純な旋律と和音の連続なので、
私は退屈してしまったが、
ご年配者の多いお客さんは楽しんでいたようなので、
それはそれで良かった。

新国立劇場での村松禎三さんの「沈黙」という難しい
ゲンダイ作品も立派で、それをキチンと聴く聴衆も貴重だし、
こうした単純な作品を楽しむ聴衆もまた大事だと思う。

それにしても、この時代にここまで単純に100分くらいの
作品を創るということ自体に、
ある種の大胆さと時代の変化を感じる。

専門の作曲教育を受けた千住明さんや、沼尻竜典さん
なども、ここ数年書いている作品はとても単純明瞭な
和音とメロディのものなので、時代は完全に
無機質な作品ではなく、そうした単純和音の作品を求め、
作曲家もそうした路線に定着した感がある。

合唱団は平均年齢が高く、合唱経験が豊富な人は
少ないかもしれない、という印象を受けた。
平井氏や作品を慕う気持ちは感じられたので、
あとは合唱技術としての精度を高めていく必要が
あるだろう。

少数の演奏は力演で見事。
ピアノの木村裕平さんは、
7月の加耒徹さんと長谷川忍さんのデュオコンサートで
知り、聴いたし、来年1月の千駄ヶ谷スタイルの公演でも
聴くことになるなど、今年縁があった奏者。

もう1人、ソプラノの村元彩夏さんも、
長谷川忍さんの関係で聴きに行った東京コールフェライン
の演奏会で初めて聴き、また彼女は
今年の日本音楽コンクール声楽部門で1位になるなど、
活躍が目覚しく、私もこの日、
菊地美奈さんの縁続きというかたちで連続して
歌声を聴かせていただき、
偶然だが2回拝聴することになり、
村元さんも今年、縁を感じたアーティストとなった。

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