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2016年11月 6日 (日)

白金フィルハーモニー管弦楽団 第25回定期演奏会~幻想交響曲

6日午後、白金フィルハーモニー管弦楽団の
第25回定期演奏会を東京芸術劇場で聴いた。
指揮は、同団の音楽総監督常任指揮者の汐澤安彦さん

演奏曲

1.ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲

2.ドリーヴ バレエ音楽「コッペリア」より
 (1)前奏曲とマズルカ (2)ワルツ (3)チャルダッシュ

 (休憩)

3.ベルリオーズ 幻想交響曲 Op.14

アンコール
アンダーソン 舞踏会の美女

今回初めて聴いた白金(しろがね)フィルは、
明治学院大学管弦楽団のOBOGによるオケとして
1992年に発足し、第1回演奏会を1993年2月に
行ったとのこと。

この日、所用で前半は間に合わなかったので、
以下は後半の幻想交響曲に関する感想のみとなる。

私が活動しているオケも大学OBによる団だが、
平均年齢は結構高いのに比べ、この団は
特に金管や木管では若い奏者が多い。
金管、木管のたぶん7割か8割は20代から30代と想われる。
そして後述するが、女性奏者もとても多いオケだ。


 幻想交響曲の演奏について

この曲はとても人気のある曲で、確かに第2楽章が
よく書けていると思うし、第3楽章と第5楽章はユニーク
だが、私は曲全体をあまり高く買ってはいない。
それでも、「ローマの謝肉祭」のようなショーモナイ曲に
比べれば、よくデキているとは思うが。

汐澤さんは第1楽章の主部のメリハリの良さ等、各所で、
振り慣れた曲であることが見てとれ、安心して聴ける内容
だったし、オケもとても優秀。

ヴァイオリンはとてもキレイで音程的には前から後ろまで
よく揃ってはいるが、人数~ファーストもセカンドも17人ずつ
 ~の割りには音量が弱いのが残念だ。
あまりよく聴こえてこない。

「幻想」ではティンパニは2人を要し、
第3楽章では4人が奏する場面もあるが、その2名は女性で、
とても上手く、特に第1ティンパニ奏者は優秀で、
例えば第3楽章の後半での強音では単に音量だけでなく、
鋭さ(と言っても決して鋭過ぎず)だけでなく、
音に色が在る、そういう音で叩いたのだ。素晴らしい。

そしてその第3楽章後半でのティンパニが4人で叩く場面も
全て女性。見た目的にも「圧巻」だった。
プログラムで見ると、パーカッションは6人中5人が女性だ。


この他にも先述のとおり、女性の活躍が目立つオケで、
ヴァイオリンは計34人中26人が女性、
ヴィオラは12人中11人が女性。オーボエが4人中3人。
トランペットも6人中4人、トロンボーンさえ7人中4人が女性で、
特にこのトロンボーンの女性占有率には
「時代は変わった」、という感慨を覚える。

私が学生のころから既に、弦だけでなく木管も女性が
多かったが、金管も少しずつ女性奏者が増えてきていた。

ホルンがまず目立ち始め、次いでトレンペットが続いたが、
徐々にトロンボーンも増えてきつつある、という感じだった。
弦でも女性コントラバス奏者が少しずつ増え出していた。
しかし、それでも、7人中4人のトロンボーン奏者、
というのは、これまたある種「圧巻」だ。

もっとも、以前、木管全員が女性というオケの演奏会を
聴いたことがあったけれど。

第3楽章でのコールアングレを吹いた女性奏者は
安定した落ち着いた演奏で、なかなか良かった。

なお、コンマスの男性はややキザな弾き方ではあったが、
しっかりとリードできる体の動きでなかなか良かった。

冒頭、曲自体の評価について厳しく書いたが、
それにしても、ベートーヴェンの第九の初演からわずか
6年ほどしか経っていない時期に書かれ初演された
ことに改めて驚く。
それも、ドイツやイタリアではなくフランスで、
という点も含めて。

第3楽章でのコールアングレの長いソロ、
4人の奏者が必要なティンパニ。
テューバが2人。ハープも2台。
終楽章でのあの圧倒的な印象を与える鐘の使用。
弦でもコル レーニョという特殊奏法の使用、等々、
用いられた楽器や奏法もとても斬新で革新的なものだった。


ところで、このオーケストラは年1回の定演とのことで、
最近は年2回のオケが主流だから、珍しいと言える。
他にも1つ、埼玉県にあるアマオケで年1回の定演の
オケを知っているが、そこを2回聴いた印象では、
集中力の点でマイナス面があるように想え、
親しい団員に「大変だろうけど、年2回にしたほうが
 レベルアップはすると思うよ」と話したことがある。

しかし、このオケはむしろ年1回に入念な練習と
圧倒的な集中をかけてくるオケに想え、
この1回1曲を聴いただけの心象ではあるが、
「年1回だけの定演」が良い結果をもたらしている
と想える。
逆に言えば、これだけのレベルで演奏できるのだから、
年2回行っても十分やっていけると思うのだが。

なお、アンコールはアンダーソンの「舞踏会の美女」
という柔らかな短い曲だが、パーカスも金管も
そのまま全員が参加できて、
手持無沙汰の人がいないアンコール曲、という点で、
好ましい雰囲気で終わった。

なお、私はコンマスが黒イスを使うこと、および
団員の後から単独で入場して来る事に反対です。
コンマスは特権意識を排しましょう。

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