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2016年9月25日 (日)

OPERAMANIA 詩人たちの愛と死~5人の詩人たちの肖像~杉並リリカ主催

杉並リリカ主催による
「OPERAMANIA 詩人たちの愛と死~5人の詩人たちの肖像~」
と題した豪華で充実した長時間な公演を楽しんだ。

とにかく第1部の3組8人が終わった段階で既に1時間45分が経過しており、全ての終演は15分の休憩を挟んで3時間40分におよぶもので、その分とても充実した圧巻の内容で、新しい発見であるところの初めて聴いた歌手も含めて力演の連続だった。

杉並リリカの代表者のフランコ酒井氏が進行役を務め、
ピアノ伴奏は藤原藍子さんが行った。

まず、演目は以下のとおり記し、感想を後述したい。

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 第1部

Ⅰ(1).チャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オネーギン」より
 1.私は死んでもいいの~大隅智佳子
 2.青春は過ぎ去り~及川尚志

Ⅰ(2).チャコフスキー 歌劇「スペードの女王」より
 3.時計がもうすぐ12時を告げるわ~大隅智佳子+及川尚志

Ⅱ.マスネの歌劇「ウェルテル」より
 1.お別れしなければ~もう1人!夫か
   ~鳥木弥生+岡田尚之
 2.遠く離れていた子供が予定より早く旅から帰れば
   ~岡田尚之

 3.手紙の歌~鳥木弥生

 4.オシアンの歌~鳥木弥生、岡田尚之

Ⅲ.プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」より
 1.(1)冷たい手を  ~小笠原一規
  (2)私の名はミミ ~安藤赴美子
  (3)愛らしい乙女よ~小笠原一規+安藤赴美子

 2.私が街を歩くと~佐藤亜紀子
 3.それでは本当に終わりなんだね
  ~安藤赴美子+佐藤亜紀子+小笠原一規+山口邦明

 (休憩)

 第2部

Ⅰ.ジョルダーニョの歌劇「アンドレア・シェニエ」より
 1.ある日、青空を眺めて~笛田博昭
 2.胸像はそこね ~笛田博昭+野田ヒロ子
 3.祖国の敵~山口邦明
 4.母が死んで~野田ヒロ子
 5.愛の勝利~笛田博昭+野田ヒロ子

Ⅱ.ヴェルディの歌劇「イル・トロヴァトーレ」より
 1.穏やかな夜~山口安紀子
 2.炎は燃えて~小林由佳
 3.それでは、私は貴女の息子ではないのか?
    ~城宏憲+小林由佳
 4.貴女こそ私の恋人~城宏憲
  恐ろしい焚火を見れば~小笠原一規(城宏憲の代役として)

 5.聴いておるな?~山口安紀子+山口邦明

アンコール
オー・ソレ・ミオ
5人のテナー=及川尚志、岡田尚之、小笠原一規、
         笛田博昭、城宏憲

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感想

第1部
この日の演目の最初はチャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」から
1曲目は、ソプラノの大隅智佳子さんによる「私は死んでもいいの」
大隅さんは高音での強さと、中音域での濃さの両方を併せ持ち、とても凄みのある、メゾに近い声質だと思う。
聴いていて「黒色」がイメージされ、「トスカが似合いそうだなあ」と
想像した。
素晴らしい歌手。

2曲目は、テノールの及川尚志さんによる「青春は過ぎ去り」は、
品の良い歌唱だった。

3曲目は同じチャイコフスキーの歌劇「スペードの女王」より、
大隅さんと及川さんによるデュオは迫力あるもので、見事。

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次いで、出演者が変わってのマスネの「ウェルテル」から
1曲目の、テノールの岡田尚之さんとメゾ・ソプラノの鳥木弥生さんによるデュオは、哀しさとエロスさえ感じさせてくれる「大人なデュオ」で、素敵だった。

2曲目の岡田さんのソロは、1でも感じたことだが、声に若さと強さとナイーヴさがある「青銅のテナー」とでも言う様な独特の色合いがある歌声で、印象的だった。

3.次いで、鳥木さんのソロ「手紙の歌」は、迫力と繊細さと、いずれも在る大人な歌唱で、さすがの感がした。素晴らしかった。

4.二重唱「オシアンの歌」も、1同様、迫力ある大人なデュオで楽しませてくれた。

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前半の最後は、プッチーニの「ラ・ボエーム」からで、
1.最初はテノールの小笠原一規さんと、ソプラノの安藤赴美子さんによる歌。

「冷たい手を」での小笠原さんは初めて聴いた歌手で、とても「健康的なロドルフォ」という感じで個性的だった。
役的にとかく繊細にイメージされがちな役だし、そうした演出も多々あると思うが、それを払拭してくれたという点でも興味深く拝聴した。

「私の名はミミ」での安藤さんは、体格といい、声といい、もともとドラマティックな歌唱や役柄を得意とされている歌手なので、ここでもそうした、「弱々しいミミ」とは違う大きな歌唱、それでいて、繊細さもしっかり感じさせてくれる歌唱で素敵だった。

「愛らしい乙よ」での、最後の「アモール!」のハイトーンでは、
2人とも力強い声で歌い上げて、とても見事で素敵だった。

この場面では、ともすれば、どちらか1人の声は輝かしいが、もう1人は控えめに歌われる、あるいは1人の声量がやや足りないというシーンも過去に幾つか見てきたが、やはりこの場面は2人が「負けない」くらい、「競い合うかのように」歌うデュオこそ聴きたいので、この2人のデュオはそうしたイメージにピッタリの歌唱だった。

2.次いで、ムゼッタの「私が街を歩くと」をソプラノの佐藤亜紀子さんが歌った。
佐藤さんは「声そのものに色気がある」と思う。魅力的な声。
顔立ちも容姿も美しいので、ムゼッタがよく似合う。

そして、バリトンの山口邦明さんが加わっての四重唱「それでは本当に終わりなんだね」。
後述するが、山口さんは初めて聴いたが、「とても良いバリトン」。
私が好きなタイプのバリトンの声。

この前半終了まで、なんと1時間と45分が経過していた。

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後半
休憩を挟んでの最初は、ジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」より
1のテノール笛田博昭さんは初めて聴いた歌手だが、
凄い声量で驚いた。
少し粗かった面もあったけど、迫力満点で見事だった。
逸材だと思う。

2曲目は、ソプラノの野田ヒロ子さんと笛田さんのデュオ。
野田さんは初めてではないが、久しぶりに拝聴した。抒情的な歌声で、印象としてはメゾに近い感じの声。

3曲目「祖国の敵」での山口さんは、先述のとおり素敵な声のバリトンで、初めて聴いた歌手だが、こんなに良いバリトンがいたんだな、という「嬉しい発見」。

4での野田さんのソロは、2で書いたとおりの印象。

5は圧巻のデュオ。とにかく笛田さんの声量が凄い。

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この日、最後の演目はヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」より
1「穏やかな夜」を歌ったソプラノの山口安紀子さんは初めて聴いた歌手だが、とても個性的な声で、もしや好き嫌いがはっきり分かれるかも、と想った。

2のメゾ・ソプラノの小林由佳さんはオペラなどで何度も拝聴している歌手で、スケール感と内省的な両面のある素敵な歌手。この日もとても充実した歌声を聴かせてくれた。

3での、テノールの城 宏憲さんとのデュオも然り。

4での城さんのソロの先立ち、進行役のフランコ酒井さんが「今じつは城さん、カゼをひいていまして、1曲目のデキしだいで、2曲目を歌うかどうか判断する」との前振りがあった。

その1曲目「貴女こそ私の恋人」では、とても「カゼをひいている声」とは思えない見事な歌声だったので、2曲目も歌うだろうな、と思った。

城さんを初めて聴いたのは比較的最近で、この日は2回目だが、とても凛々しく豪快で「スター性」を感じさせてくれる人。

そして2曲目の「恐ろしい焚火を見れば」だが、再びフランコさんが登場して、「慎重を期したい」とのことで、急きょ、前半で朗々としたロドルフォを歌われた小笠原さんが「代役」として登場し、披露した。

小笠原さんは、たくましく明るいトーンの朗々とした高音が素晴らしく、歌い終わるやいなや、会場からはこの日一番ではないか?と想えるほどの大喝采を浴びた。
もちろん「急な代役なのに凄い」とう点はあるが、それとは関係なく、小笠原さんの実力をあらためて知ることができた、という聴衆の歓喜からの大喝采だったと想う。

もちろん、城さんが調子の良い状態のとき歌われても、きっと素晴らしい内容だったろうけれど、結果としてこの「代役」は「大成功」で終わった。

5.この日の最後は、山口安紀子さんと山口邦明さんの
「ダブル山口」による情感あふれるデュオで締めくくられた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アンコールは、5人のテナーによる「オー・ソレ・ミオ」。
1人1人が部分的に歌ってつなげていくわけだが、途中、小笠原さんや城さんが「オー・ソオ~オオ~オオ~オオ~」など伸ばして笑いをとりながら(城さん、歌えるじゃん!)、最後は輝かしいユニゾンで締め、大喝采のうちに終了した。

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全体として

まずは、これだけの長大なプログラムを、たった1人でピアノ伴奏を務めた藤原藍子さんに心からの拍手を送りたい。
さすが、藤原歌劇団の正団員コレペティトールだ。

それにしても、ユニークな企画で、出演者も豪華だったが、あれほど長時間とは思わなかった。
その分、たっぷり堪能できたが、ご年配者にはちょっとキツイ長さかもしれない。
もっとも後半の途中で帰る人は少なかったが、入場者数自体が~こんなに素敵な内容にもかかわらず~意外と少なく、今後もっと知られて欲しい活動、企画ではあるが、これが超満員の状況となった場合、逆にこの長さにおける「妥当性」は意見が分かれるかもしれない。

これは余談というか、書いてよいか迷うが、一応書くと、最後の全員のカーテンコールの際、大隅智佳子さんが、生後まもない赤ちゃんを抱いてステージに登場されたのには少し驚いた。
もちろん可愛らしかったが、こうした行為が好ましいかどうかは意見が分かれるような気がする。
すなわち、「たいへんな家庭の状況なのに、ステージ活動を継続されて凄いな」、と思う反面、そうしたプライヴェートに関する事は、多くの聴衆にとっては「知らなくてもいいこと」であるのも事実だ。
否定はしないが、しかし、最もプライヴェートに関する事である赤ちゃんのお披露目を、自分だけのリサイタルならまだしも、ガラ・コンサートで行うことは控えたほうがよかったように想える。
大好きな歌手だけに、悪く言いたくないが、気になったシーンだった。

出演者の皆様、長い素敵なコンサート、お疲れ様でした。
ありがとございました。

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