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2016年8月27日 (土)

オーケストラ アンサンブル・フリーEAST 第6回演奏会~武満徹「系図」-若い人たちのための音楽詩-

8月27日(土)の午後は、オーケストラ アンサンブル・フリーEASTの第8回演奏会を小金井宮地楽器ホールで聴いた。
きっかけは、21日に同ホールで(前回第3回でご紹介した)やっとかめ室内管弦楽団を聴いた折、ホールで配布されたフライヤー(チラシ)を見ると、演奏曲目に、武満徹の「系図」があったことだった。

初めて知ったオケだが、関西で活動しているアマオケのオーケストラ アンサンブル・フリーが、東京では「EAST」を付し、オーケストラ アンサンブル・フリーEASTとして、気鋭の作曲家に作品を委嘱し、初演する活動をしてきている、という。

この日の演目は、

指揮 浅野亮介
1.バッハ(シェーンベルク編曲) 前奏曲とフーガ 変ホ長調「聖アン」

2.プロコフィエフ 交響組曲「キージェ中尉」

 (休憩)

3.辻田絢菜 Collectionism Ⅶ/QUN for orchestra(委嘱作品・世界初演)

4.武満 徹 系図-若い人たちのための音楽詩-
      Family Tree - Musical Verses for Young People -
     語り 浜辺美波  アコーディオン 中村大史


もっとも、私は所用で前半は間に合わず、後半のみ拝聴した。

辻田絢菜さんの新作について
3の辻田さんの委嘱新作はリズミカルで色々な工夫はあったが、
特に感銘を受けることはなかった。
ただ昨今の若い作曲家の作品は総じて、ひと昔ふた昔前のような
無機質感を主体とするような傾向は無くなり、
とても素直に表現しようとしてきている点は好ましい傾向に想えるし、この作品は感じられた。


武満徹の「系図」
1992年に、ニューヨーク・フィルハーモニックの創立150周年を記念として委嘱された作品で、私には思い入れがあり、ブログにもたびたび書いてきた。

~作品についてのおさらい~
初演は1995年の4月20日、レナード・スラットキンの指揮、ニューヨーク・フィル、サラ・ヒックスの語り(もちろん英語版)。
日本では、直後、当時16歳だった女優の遠野凪子の語り、岩城宏之の指揮、NHK交響楽団によって放送初演の形式で行われ、コンサートステージの初演は、同年9月7日に松本文化会館で、遠野凪子の語り、小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラの演奏で行われた。

語り部分は、谷川俊太郎さんの詩集「はだか」の中から、武満自身で6篇を選出して再構成したもの。なお英訳はウィリアム・I・エリオットと川村和夫が行った。

語り手は、12歳から15歳の少女が望ましい、と武満は語っているが、後述のとおり、現状唯一の例外として、岩城宏之さんがベテラン女優の吉行和子さんを起用して話題になった。

 「CDとしては」
小澤征爾指揮+サイトウキネン+遠野凪子(1997年録音)
岩城宏之指揮+オーケストラ アンサンブル金沢+吉行和子(2004年の録音)

 「TV放送としてしては」
1997年6月の演奏で、デュトワ指揮+NHK交響楽団+遠野凪子
今年6月12日にEテレで放送されたスラットキン指揮+NHK交響楽団+山口まゆ
がある。

感想等
初演当時から魅了され、CDでもライブでも機会ある都度たびたび聴いてきた。
ライブでは2008年1月18日、沼尻竜典指揮+東京都交響楽団+語り=水谷妃里(ゆり)さんで聴き、今年に入っても、山田和樹さんによる武満&マーラーチクルスの2016年1月30日、山田和樹指揮+日本フィルハーモニー交響楽団+語り=上白石 萌歌(かもしらいし もえか)さんによる演奏を聴いたし、感想をそれぞれブログに書いている。

私が所属し活動している学習院OB管弦楽団でも私を含む一部の団員が岩城宏之さんに懇願し、演奏しよう、というところまで話は進んだが、聴き易さと反比例して非常に高度に書かれているため、「またいつか演奏しよう」ということで延期になった。実現せぬまま岩城さんが他界されたのは本当に残念だった。

なお、岩城さん自身、この作品をとても気に入っており、室内オケで常任だったオーケストラ アンサンブル金沢でも演奏できるよう、自ら室内オケ用に編曲されたほどだった。そして前述のとおり、10代の女性ではなく、吉行和子さんを起用してレコーディングやライブを行った。
もっとも、私はやはり10代の女性によるナレーションが良いと思う。
オーケストラ アンサンブル・フリーEASTの演奏


前置きが長くなったが、このオケによる演奏は非常に美しく上手く、プロオケによる演奏と大差なく申し分なく素晴らしい演奏だった。

ナレーターの浜辺美波さん(素敵な名前だ!)は、
2月に聴いた上白石さん同様、抑揚を抑えた控えめで落ち着いた語りで、声自体も美しく素敵だったが、1点だけ、「お母さん」の中の、「ハイ、また飲んでます」のセリフはもっと明るめに、開き直り感をもって言って欲しかった。

それにしても何度でも聴きたい曲。会場を出るときも、初めて聴いたと想われる若い男女が「武満っていいね」と語っていたのも印象的だった。

https://www.facebook.com/EnFreeEast/photos/a.622572064488833.1073741825.622571697822203/1113941148685253/?type=1&theater

TV放送された「系図」の演奏
デュトワ指揮NHK交響楽団~1997年6月18日の演奏
遠野凪子さんは後年「男好き」でも有名になり驚いたが、
これはまだ清純な頃?のナレーション
https://www.youtube.com/watch?v=UtZHroFxbg0

TV放送された「系図」の演奏(放送日=今年6月12日)
スラットキン指揮+NHK交響楽団+山口まゆ
NHK Symphony Orchestra  Conducted by Leonard Slatkin
narrator:Mayu Yamaguchi  April.22.2016
https://www.youtube.com/watch?v=clYVGB1xwmI

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