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2016年8月 6日 (土)

プラチナ☆シンガーズ第1階演奏会~ヒロシマに捧ぐ ~若々しい声に驚く  素晴らしかった澤江衣里さんと与那城敬さんのソロ

宗教曲を中心とした合奏演奏の指揮とソロ歌手として活躍している青木洋也さんを音楽監督としたユニークな合唱団が誕生した。

入団条件は65歳以上の合唱経験者。
昨年2015年1月に東京と横浜でそれぞれ誕生し、6日、その第1回演奏会が東京芸術劇場で開催された。

「ヒロシマに捧ぐ」と銘打たれた創立記念演奏会だが、
フィーレの「レクイエム」と、大木惇夫の詩で「ヒロシマの また長崎の」と歌われる第3楽章「死の灰」をもつ佐藤眞作曲「土の歌」は、演奏会日時も含めて当初から決まっていたわけではなく、「導かれるように自然と」決まっていったという。

プラチナ★シンガーズの今回の参加者は、
東京プラチナ★シンガーズが合計113名、
横浜プラチナ★シンガーズが95名を擁し、
その合計208名の内訳は、ソプラノが90人、アルトが76人、
テノールが25人、バスが17人と男性が極端に少ないが、
後述するように特にテナーパートは美しく際立っていた。

管弦楽は東京フィルで、
1曲目のフォーレの「レクイエム」1893年ラター版で演奏
され、弦は指揮者の左側にヴィオラ8名、
右側にチェロが6名、コントラバスがなんと5名と重厚さに
力点が置かれたもので、通常配置での
セカンドヴァイオリンの位置にはヴァイオリンのソロ
として1名、コンマスが加わった。
ヴァイオリンソロは3曲目の「Sanctus」でオブリガート演奏された他、終曲「In paradisum」でも演奏された。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.フォーレ「レクイエム」
 若々しい声の合唱&澤江さんと与那城さんの素晴らしさ

さて、前置きが長くなったが、いくら合唱経験者とはいえ、65歳以上という点と人数の多さ(と男女バランスの悪さ)から、当初、演奏に「カオス(混沌)」を危惧したのだが、冒頭から良い意味で想像が外れ、発音の明瞭さとバランスの良さに驚いた。

声自体が若々しく、「本当に全員65歳以上?」と疑いたくなるほどだった。合唱経験者の集まりにしても驚異の若々しさだ。
バスがさすがに少人数に加え音域が低いので今回は存在感がやや薄かったが、ユニークで素晴らしい合唱団の誕生を心から祝いたい。

「Offertorium」の各パートや「Agnus Dei」のテナーパートなどで、アマ合唱団にありがちな「歌い急ぎ」はあった。

オルガンやオケに先んじて行ってしまう傾向を指すが、これはゆったりと歌えないとかテンポ感を把握していないというより、次のブレスに早く届きたい潜在意識からの現象と想像する。

「Sanctus」はレガートよりもフレーズ単位で歌うことが強調され、当然指揮者の指示だろうが、賛成はしないが理解はできる。

終曲の「In paradisum」はソプラノパートがメインの曲だが、旋律は単純だし、音域も高くないのに、この曲で感心する演奏はあまり接していない。なぜか苦しそうで音程が低くなりがちな演奏が多く、この日もそれを感じた。

等々、いろいろ書いたが、とにかく、全体としては声の若々しさ、音色の明るさ、人数の割にはクリアな美声を聴かせてくれたテナーパート等、単に「面白い企画」に止まらない、聴き応えのある注目に値する合唱団の誕生で、年1回ずつ企画されていく今後も楽しみだ。


与那城敬さんのソロ
バリトンのソロは「Libera me」が有名だが、「Offertorium」でも途中に登場する。
それは曲想的にはこれまでの、どんよりとした雲の中を佇む中から「Hostias~」とバリトンが歌い出すと、急にパッと空が晴れ渡るシーンを想わせるのだが、与那城敬さんの声は正にそうで、それはバリトンとかバスとかアルトとか等々の声分けを超えた、ビロードのような美しく気品のある端然とした声で見事だった。
文句の言い様のない素晴らしい歌唱。
「Libera me」も劇性より内的な思考性を感じさせてくれる立派な歌唱だった。


澤江衣里さんのソロ
そして「Pie Jesu」をオルガンの横で歌った澤江衣里さんの素晴らしさをどう伝えればよいだろうか。
力みとか妙な艶とか意図的な歌い回しとかのいっさいを排し、ひらすら純粋で美しい旋律をそのまま伝える歌声、それに徹し得た美しい歌唱。
完璧なフォルムに加え、教会で祈る様な1人の女性が混じりけのない敬虔な思いを、教会ではなく東京芸術劇場の広い空間に美しい言葉と声で響かせてくれた、と言えば、その素晴らしさの100分の1くらいは伝わるだろうか。

これまで録音を含めて外人日本人を問わず、この曲の歌唱を20人、いや30人近く聴いていると思うが、ここまでその美しさに魅了されたことは記憶にない。
贔屓目抜きにベストワンの演奏、歌唱だと思った。
歌い終わってからも 「もう一度、いや何度でも聴きたい」
と思ったのは私だけではなかっただろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2.土の歌
休憩後の2曲目は、東京フィルにヴァイオリンや管楽器等が加わり、オケ版による「土の歌」が演奏された。オケが増員されたといいっても、中低弦は、ヴィオラ8人、チェロ6人、コントラバス5人は変わらず。

第1楽章「農夫と土」の冒頭から美しい合唱の声で、思わず胸が熱くなった。

第5楽章ではオーケストレーションがハデなので、合唱が消されてしまったところも多々さったが、ア・カペラの部分はとても美しかった。

第6楽章「地上の祈り」では先述のようにバスの少なさが減点となってしまった。あと10人は欲しい。

惜しいのは肝心の有名な終曲「大地讃頌」で、それまでの明瞭さ明晰さが何故か曇ってしまい、ボヤッとしたトーンで歌われたのは残念。理由はよく解らない。この楽章でのオーケストレーションは特別厚くは無いので、それが理由ではない。
キレイに歌おうとし過ぎてしまったのかもしれない。


などなど、とにかく何度も書いたが、
この新しい試みによる合唱団は、単に「ユニークだね」というレベルを超えて、純粋に新しい合唱団として注目に値するし、私よりずっとお兄さん、お姉さんの全共闘世代、あるいは私の父母の世代に近い人達による挑戦的試みとしても、何より、ご参加されている皆さんの新しいやりがい、生きがいにもなりうるかもしれない、という点からも、心から結成を祝い、今後に期待したい。

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