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« 武満徹 | トップページ | イル・トロヴァトーレ~二期会公演~ヴェルディは男性的な作品を多く書いた~それ自体「ヤワ」な演出を拒否するもの »

2016年2月20日 (土)

福間洸太朗さん~武満徹没後20年目に捧ぐオマージュ~魅力的で見事な選曲と演奏~画期的なリサイタル

20日の15時からは、小林沙羅さんと荘村清志さん
による武満メモリアルのコンサートも東京文化会館(小)で
行われたが、以前このコンビでのコンサートは
武満の曲も含めて拝聴しているのと、
福間さんはベルリン在住もあって日本での演奏が限定されて
いることもあるので、福間洸太朗さんのピアノ・ソロリサイタルを
彩の国さいたま芸術劇場で聴くことにした。

今回に限らず、聴きたい演奏会が同じ日時で重なるのは
残念だが、こればかりは演奏者側の心情も含めて
無論やむを得ないこと。

彩の国さいたま芸術劇場の音楽ホール=リサイタルホール
とはいえ、ほぼ満席に近く、CDもコンスタントにリリース
しているなど、福間さんのコアファンは確実に増加している
と言えるだろう。

ホールの企画である「ピアノ・エトワール・シリーズ」の
Vol.5であり、再登場=アンコール出演者としての演奏会だが、
実質的というか、少なくとも福間さんとしては、
武満徹の没後20年目の命日に当たる日の演奏会
ということからも、「武満徹へのオマージュ」としての
意味合いを持ち、実際、そういう内容で行われた。

それにしても、昨今~特になぜかピアニストの場合~
ありきたりなプログラムによるソロ・コンサートが多い中
にあって、下記のとおり、なんという個性的で充実した選曲
だろうか、と感心する。


この選曲を見ただけでも驚嘆するし、
何が何でも聴いてみたいと思わせる選曲だ。

これは、福間さんが、日本の音大ではなく、コンテンポランを
レッスンでも積極的に取り組む土壌があるに違いない
パリ高等音楽院で学んだことが大きく関係しているかと拝察する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 <プログラム>
1.武智由香 冬日/蜉蝣(かげろふ)
  -ピアノのための俳句による音像
   (演奏者からの委嘱作品の初演)

2.ドビュッシー 映像第2集
  (1)葉ずえを渡る鐘
  (2)荒れた寺にかかる月
  (3)金色の魚

3.クセナキス エヴリアリ

4.武満徹 フォー・アウェイ

5.スクリャービン ピアノ・ソナタ 第4番 嬰へ短調 OP.30

 (休憩)

6.プロコフィエフ ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 OP.83
    「戦争ソナタ」

7.バッハ(福間洸太朗編曲)「憐れみたまえ、我が神よ」
        (マタイ受難曲より)

8.武満徹 リタニ~マイケル・ヴァナーへの追憶に

アンコール
1.ルノワール(福間洸太朗編曲)「聞かせてよ、愛の言葉を」
2・ストラビンスキー「火の鳥」より終曲
3.武満徹 こどものためのピアノ小品~(1)微風(2)雲

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1曲目は福間さんによる委嘱作品の初演。
誕生日がこの武満命日と同じ本日という。
事前にプログラムも聞いていたに違いない武智さんによる
作品は、瑞々しい水滴と空気の交わるような抒情的な作品で、
これがこの日この後の前半のプログラムであるドビュッシーや
武満の曲想に直結した流れを持つ内容と言える。
なかなか素敵な作品だった。

ドビュッシー、クセナキス、武満のそれぞれ個性的で
抒情的な曲の演奏が続き、
前半最後はスクリャービンの雄大さも兼ね備えた美しい作品
で締めくられ、大きな拍手と歓声で終わった。

休憩後の1曲目は、ペダリングの際に床さへもドンと
強く叩きつけるほどの激しいアグレッシブな演奏で、
福間さんが単に抒情的な作品だけで真価を問う人でない
ことを改めて実証した。
力動感溢れる演奏で、聴衆は大いに興奮した。

ステージを暗くし、ピアノストに薄めのライティングを当てる
とともに、ピアノの先に小さなあかりを灯すという粋な
セッティングのもとで、マタイ受難曲の中の
有名なアリアが演奏された。

武満ファンなら皆知っていると思うが、
武満は作曲に際して、まずバッハをピアノで弾いてから
作曲に向かったというから、もちろんその逸話を踏まえての
選曲に違いない。素晴らしいアイデアと構成だ。

そしてその薄暗いステージのまま、
続けて武満の「リタニ」が瑞々しく演奏されて
正規のプログラムを終了した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

何回かのカーテンコールの後、福間さんは、
マイクを手にして、まず、最後の2曲での演出の打ち合わせや
アイデア等を昨日からホールのスタッフ8名と行ったことを
紹介して、ホールスタッフへの感謝を語った後、
アンコール1曲目は、武満が音楽に開眼するキッカケと
なった少年期のシャンソンとの出会いにちなみ、
福間さんによる素敵な編曲の
「聞かせてよ、愛の言葉を」が演奏された。

次いで、「タケミツ」の名が知られる大きなきっかけを作った
ストラビンスキー(彼が武満の「弦楽のためのアダージョ」を絶賛
した)の「火の鳥」から終曲を、福間さんは美しくまた迫力も
万点で弾き、大きな拍手と歓声を受けていた。

ここでも、プロコフィエフで見せた床を踏み鳴らすほどの
ダイナミックンなペダリングで演奏された。

そして「最後はやはり武満さんの曲で終わりたい」として、
武満が子供の為に書いた小品を弾いて、
この魅力的なコンサートは終了した。

終演後のサイン会では多くの聴衆がならんだ。
若い女性がメインではあったが。
福間さんは、今最も旬なピアニストであり、
今後も大いに注目すべき逸材であることは間違いない。
益々今後が楽しみなピアニストの1人である。

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