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2015年12月27日 (日)

第九~ベーレンライター版を批判する

第4楽章のバリトンによるレスタティーヴォで「Töne」の音を
「G→F」で歌う点について、
K様より「ベーレンライターのヴォーカルスコアにそうある」旨の
ご指摘をいただいたので、あらためて確認してみた。

その前に、今日エコルマホールで聴いた山田和樹指揮
横浜シンフォニエッタと東京混声合唱団による第九は
大変な名演で別途詳細に書くが、ここではブライトコプフ版が
使われていて、バリトンの小森輝彦さんは「Töne」を
 F→Fで歌ったが、そこまで行かなくとも、
実は第1楽章の早い段階でどちらの版を使っているかが
判断できるのだ。

以下、聴いていてはっき違いが判る部分は少なくとも3カ所ある
ので記述したい。


 1つ目の違い

第1楽章の80小節から83小節にかけての木管の移行部分の
中の、81小節のフルート1番とオーボエ1番による旋律の
4拍目の音が、ブライトコプフ版では「B」となっていて
昔から演奏されてきたのに対し、

ベーレンライター版では3度上の「D」の音になっている。

この部分は、昔からブライトコプフ版で聴き慣れてきた者に
とっては、「D」で吹かれた瞬間、「え? はあ?」と感じる部分、
直ぐに気付く部分だ。


 <この部分に関しての私の意見>

この①の部分に関しては、私はやはりブライトコプフ版が良い
と思う。昔から聴き慣れて自然だということもあるが、
ベートーヴェンは他のどの作品でもそのような間の抜けた
ような音効果での飛躍は1か所たりとも書いていない、
ということが全てだが、
敢えて楽典的に言うなら、他の80小節から81小節にかけての
部分は4度か5度上に飛躍しているのに対し、
ベーレンライター版での81小節だけは6度上のDに飛躍
していて、音的な効果を考えた場合、唐突過ぎるという感は
否めない。

この2点から、私はブライトコプフ版による「B」の記譜が
正しいと信じる。


 2つ目の違い

第4楽章に飛んで、都民響の第九のところでも書いたが、
バリトンソロによるレスタテョーヴォでの
「Töne」がブライトコプフ版ではF→F、
ベーレンライター版ではG→Fなのだが、それも実は
正確には少し違う事情になっている。

すなわち、K様ご指摘のとおり、ベーレンライター版の
ヴォーカルスコアでは、はっきりとG→Fと書かれているの対し、
同じベーレンライター版の総譜たるスコアでは実は
ブライトコプフ版と同じF→Fと書かれていて、
下段注記で「G→Fという説もある」としているのだ。

同じベーレンライター版なのに、2種が異なるまま、
この違いを放っておくのはおかしいし、無責任だと思う。

ちなみに、「EDITION PETERS」のヴォーカルスコアは
F→Fで書かれている。
都民響の第九のところで書いたとおり、F→Fで歌うべきだ。


 3つ目の違い

同じく第4楽章でテナーソロの「alla Marcia」が終わり、
弦楽を中心とした激しく難所の1つの8分の6拍子が
終わったところ~合唱がセーノとばかり全員で練習記号Mに
入るその手前の部分~で、ホルンがAの音
 (記譜はミ;F管なので)のオクターブでリズムを作って
中継ぎを置くのだが、このリズムでも、

ブライトコプフ版では全て同じ型での
 「タ・ター、タ・ター、タ・ター、タ・ター」なのに対して、
ベーレンライター版では最初のその部分での最後の音を
次の附点2分音符にスラーで続けるのはあまり変わらない
からいいとしても、

最後である3回目ではベーレンライター版はナント、
「タ・ター、ター(538小節)、タ・ター、ター(540小節)」
とスラーの小節を増やしている。

この部分も①同様、聴いていて、ブライトコプフ版に
慣れている人は、「え? はあ?」となる。

これだと、リズムが曖昧になり、絶対にヘンだと思う。
少なくとも自然ではないし、
なぜこういうリズムの違いを設定して書かれたかの
根拠に対する推論が極めて難しくなる。

もうここは、なぜブライトコプフ版が正しく、
ベーレンライター版がおかしいのか?と尋ねられても、
「だってそう思うから」という、
バルトークがフルトヴェングラーに質問した際の
フルトヴェングラーの応えの表現を使わせてもらう他ない
 (その2人のやりとりはこの部分ではないが)。

 「ところが最近のブライトコプフ版は困ったことに」

ところが、この上記に関して、最近のブライトコプフ版は
困ったことに、ベーレンライター版の影響を受けているようで、
1つめの違いの部分はさすがに「B」で書いているものの、
注釈を設けて「D」の説があるようなことが書かれていること。

2つめの違いについても、「F→F」ながら、
やはり注釈で「G→F」の説もある、というようなことを付記して
いるし、

3つ目に至っては、なんと、
ベーレンライター版と同じリズムに直しているのだ。

ブライトコプフ版も相当混乱してきている事が、
今回調べて確認できた。


  国内EDITION

旧来のブライトコプフを基にして出版されている音楽之友社からの
「ONGAKU-NO-TOMO EDITION」や全音のスコアは、
1つめの違いについては「B」、
2つめも「Töne」はもちろん「F→F」で、
 何の注釈も置いてないし、
3つめについても旧来のブライトコプフ版でのリズム
 となっている。

  結論

したがって、フルトヴェングラーやカラヤン等、
一時代前の演奏、そして、今日聴いた山田和樹さん指揮、
横浜シンフォニエッタの演奏が、全て旧来のブライトコプフ版
で演奏されているのだが、その通りのスコアは、なんと、
国内EDITIONのみとなってきているようである。
これは驚きの事態だ。

いずれにしても上記1つめの違い、2つめの違い、、
3つめの違いに関して、
ベーレンライター版での対応は私は間違いだと思う。
旧来のブライトコプフ版が音楽的にも一番自然だと思うのだ。

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