2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

Amazon CD

  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
  • :
無料ブログはココログ

« オペラ金閣寺公演記念~三島由紀夫をめぐって~その3話 三島VS東大全共闘~~君たちの熱情だけは信じる | トップページ | オペラ金閣寺公演記念~三島由紀夫をめぐって~エピローグその1 小澤征爾、武満徹、バーンスタイン& 三島による感動的な小澤評 「真の達人となる日を祈っている」 »

2015年12月 6日 (日)

オペラ 金閣寺~立派な演奏だったが、ドイツ語の台本には問題点有り

今年生誕90年になる三島由紀夫の「金閣寺」に、
ベルリン・ドイツ・オペラからの委嘱で黛敏郎が作曲し、
1976年に同劇場にて初演されたオペラ「金閣寺」を
神奈川県民ホールで聴いた。

よって台本は日本語ではなく、
クラウス・H・ヘンネベルクによるドイツ語。

日本では、まず1982年10月に岩城宏之さんの指揮で、
演奏会形式の抜粋場版として初演され、
全幕初演は1991年に上演された。
その後、1997年と1999年に上演されているので、
今回は16年ぶりの上演。

原作 三島由紀夫
作曲 黛 敏郎
台本 クラウス・H・ヘンネベルク

指揮 下野竜也
演出 田尾下 哲
装置 幹子・S・マックアダムス

管弦楽 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 コンマス=﨑谷直人
合唱  東京オペラシンガーズ

ソリスト

溝口  12月5日=小森輝彦  6日=宮本益光

父     黒田 博

母     飯田みち代

若い男   高田正人

道詮和尚 三戸大久

鶴川    与那城 敬

女      吉原圭子

柏木    鈴木 准

娼婦    谷口睦美

有為子   嘉目真木子


黛さんのパワフルなオーケストレーションを堪能した。
神奈川フィルの演奏は見事の一言に尽きる。

このオペラでは合唱がとても重要な役を担っているのだが、
東京オペラシンガーズによる合唱はとても立派だった。
ソプラノに高島敦子さんがいらっしゃるのをプログラムで
知った。バッハはうすの新年会でお会いできるだろう。

オケも歌手も演出も衣装もライティングも全て魅力的だった。
主役の宮本さんは凄く、柏木役の鈴木准さんが
特に印象的。
高田さんは「美味しい役」、はまり役過ぎるほどで、
可笑しい位見事だった。

ドイツ語の台本という問題点について
作品としてはやはり言葉がまず問題がある。
結論から言えば、日本語で作曲がなされなかったことは残念だ、
ということ。
日本の物語をドイツ語で、日本人歌手が歌う、という事の
種々の技術的な問題点もあるに違いない他、

最大の問題点は~演出の田尾下さん自身がプログラムに
寄稿されているが~
「障害」を「違うかたちにしたこと」だ。
そこから生じる問題は根深いと感じた。

すなわち、原作では吃音~こんにち、ドモリといっては
いけないよだが~である主人公のコンプレックスを、
ヘンネベルクによるこの台本は、右腕に障害を持つ、
としているのだ。

その脚本だと、溝口がなぜ金閣寺を燃やなければ
ならなかったのか、という点での内的な必然性の表出が
どうしても弱くなると思う。

なぜか?という点だが、これは私の推論だが、
「右腕の不自由さ」だと~同じ障害を持つかたには失礼を
言うことをおわびするが~あまりにも「一般的」で、
個人の不自由さは別にして、他者とのかかわり、という点
においては、特別な大きな意味合いを持つ障害とは
思えないからだ。

「吃音」は、「自分だけの問題ではなく」、
他者とコミュニケートをとる上での「直接的な障害」となり、
対人関係において、コンプレックス、自信のなさ、
臆病、自己卑下等々の複雑な感情が、
心情に強く根付いていると想像できる。

このことから、美の象徴、世間から崇められ憧れを
受けている「金閣寺」への憎悪が増して来る、
という事が想像できるのだが、
これを「右腕の不自由さ」としてしまうと、
そうした他者との世間との感情の断層というものが
見えてこない、少なくとも弱まってしまうと想われるからだ。

これは、田尾下さん自身も同様な主旨で、
プログラムに正直に寄稿されていたので、
驚いたと同時に納得した。
その点に苦心された上での演出ゆえに、
よく逆に演出されていたとは思う。
とにかく演奏の皆さんは見事だった。
http://www.kanagawa-kenminhall.com/kinkakuji/

余談だが、
オペラ金閣寺に向かう際、日本大通駅に降るとき、
ソプラノ歌手で先日、日生劇場での「ウィーン気質」に
出演されていたDさんにバッタリ会い、
「ギリギリ(着)の感じですね」と話しながら会場に
向かった。

ホールに入り席に着くと、後ろから肩をトントンと叩くので、
誰かと思ったら、昨日、田部京子さんのコンサートで
お会いしたAさんがいて仰天した。
Aさんは私より10歳(以上?)年長のかたで、
長谷川陽子さんのファンクラブでも長年お世話になって
いたが、Aさんは本当にいろいろな器楽奏者や歌手の
演奏会に出向くかたで、
小林沙羅さんのリサイタルをはじめ、
しょっちゅう色々なところでお会いするする。
ここ2ヶ月内だと、これでたぶん4回か5回は
お会いしているかもしれない。
今日は、神奈川県民ホールという大きなホールなのに、
真後ろの席にAさんがいたのでさすがに驚いた。

« オペラ金閣寺公演記念~三島由紀夫をめぐって~その3話 三島VS東大全共闘~~君たちの熱情だけは信じる | トップページ | オペラ金閣寺公演記念~三島由紀夫をめぐって~エピローグその1 小澤征爾、武満徹、バーンスタイン& 三島による感動的な小澤評 「真の達人となる日を祈っている」 »

ブログ HomePage

Amazon DVD

Amazon 本

最近のコメント

最近のトラックバック