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2015年12月11日 (金)

新倉瞳さん チェロリサイタル~作曲も素晴らしい

新倉瞳さん~外見と違い古風で堅実。
小気味良く率直で頭の良い奏者

ピアノ=佐藤卓史

1.シューマン アダージョとアレグロ

2.ブラームス チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調

 (休憩)

3.ラフマニノフ チェロ・ソナタ ト短調

アンコール
1.サプライズ Kitkat
2.ポッパー ハンガリー狂詩曲

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2日続けて浜離宮朝日ホールでチェロの夕べを拝聴。
この日は新倉瞳さん。

最近まであまり関心は無かったのだが、フェイスブックで見た
 (彼女のブログにもアップされている)
「歌を歌いながらの演奏」(アンコールでの)を見、
聴いたとき、「面白い人だなあ」と思ったことから関心を持った。

ゆえに美人とか可愛いとかは関係無かった。
 (信じてもらえないだろうが)
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初めて聴いたが、外見の印象とは随分違った。
体も細いが、音も細めのトーンで、昨夜の堀沙也香さん
のほうがよほど豊麗で明るい音がしていた。

否定しているのではない。
完璧な技巧に在るのは木目のぬくもりというか、
いぶし銀というか、玄人好み?するような音色。
地味と言えば地味かもしれないが、独特のコクが在るのが良い。

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ピアノの佐藤卓史さんは若くして既に相当活躍されて
いる人だし、実際、スケールの大きな充実した演奏を
されていた。
その分、チェロを消しがちな所が多少あったのは
気になったが。良いピアニストだと思う。

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全曲が終わり、アンコールに入る前、マイクを使って
新倉さんが語り出したが、結局5分くらい話しただろうか。
なかなかステージで落ち着いて堂々と話すのは楽ではない
と思うが、声がキレイだし、トークもとても良かった。

外見はいかにもアイドルっぽく見えるが、
頭の良いかたなのだろうな、と想う。

なお、語った概要はこうだ (表現は100%同じではなく、
私の言い回しに変えている部分もあると思う。
全て完全に一言一句記憶しているわけでないので)


 「新しいCDにも書かせていただいたので、お読みのかたは
 ご存知でしょうが、スイスに5年間留学したのは、
  「自分にカツを入れるため」でした。
 ピアニストの母のもと、音楽が周りにある感興で育ちましたし、
 音大に入るとレコード会社からリリースの話をいただき、
 3枚も出させていただりしていましたが、
 自分が何をしたいのか分からない思いもありました。

 そこで留学に踏み切ったのですが、スイスでは
 たくさんの事を学び、多くの出会いがありました。
 コンクール1位とか良いこともありましたが、それでも
 優秀な人達の中にいると、自分はちっぽけな存在に
 過ぎないことも思い知らされました。

 それでも、それだから、自分で何を求めていくか
 考えましたし、最終的にはお客様が
  ~今日の皆様のように~喜んでくださる演奏が
 できるようになりたいと思い帰国しました。

 帰国後も、今日のピアノを演奏してくれた佐藤さんのように、
 以前、名前は知っていたが自分と共演していただける
 とは思えなかったかたと共演させていただくなど、
 昨日の夢が今日の現実となり、そして今日は過去となり、
 そうやって歩んでいくのだなと、実感しています。

  (ここから急に、チョコレートの話になる)

 私は「キットカット」チョコが好きで、学生のころから
 自分へのご褒美に、とよく食べていました。
 今日も会場に用意してありますので、皆様、
 お帰りの際はお持ち帰りください(会場;笑)。

 では、アンコールとして、私が作曲した作品を演奏します。
 今日、初めてお客様の前で演奏するので、
 初演ということになります。

  曲は、「サプライズ“KitKat”」です」

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と、だいたい以上のことを語られた。
このように、自分を絶えず見つめて問いかけてきたという、
とても真面目な人だということが判り、益々関心を持った。

完璧な技術(かすれた音が皆無!)、スタイルの良さ、
可愛らしさ、声の美しさに加え、こうした真摯な姿勢、
真面目さ、ときたら、これはもう「ファン倍増まっしぐら」
しかあり得ない。
楽しみな奏者がまた1人、チェロ界に登場した、と言えるだろう。

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なお、会場にはピアニストの高橋多佳子さんが来場
されていた。佐藤さんの関係か、新倉さんと親しいのか、
そのへんは知らないが、
多佳子さんはよく色々な演奏会で見かける。

アーティストの中には敢えて他者の演奏会には
あまり行かない人もいるかもしれないし、
事情や理由(信条?)は個々異なるだろうから
控え目にしか言えないが、
多佳子さんはよく他者を聴いている演奏家の1人に
間違いないと思う。尊敬すべきスタンスだと思う。

なお、サイン会では、新倉さんがブログとフェイスブックに
アップした、歌いながら弾く、弾きながら歌う曲、
について尋ねたが、覚え難いタイトルだったので、
またの機会に書いてみることとする。

アンコールの1曲目は新倉さんの自作。
「KitKatチョコ愛」もここまでいくと凄い。
実際、とても美しい素敵な曲でした。作曲の才能もありそう。

新倉瞳さんのコンサート終演後、会場で帰るお客さんに
配られたKitKatチョコレート
こういう演奏家はなかなかいない。
菊地美奈さんは別として。

ご参考~新倉瞳さんの新しいCDに寄稿した
自身の心の過程を綴った文より(抜粋)
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「中学生のとき、先輩の演奏を聴き衝撃を受け、
 初めて自分から「弾きたい!」と思った曲が、
 今回のアルバムのメインとなったエルガーの協奏曲でした。
  (中略)また、カザルスが平和への祈りを込めて編曲し、
 世に送り出した「鳥の歌」に感動し、
 「私はチェリストになって平和を歌うんだ」と、
 漠然とでしたが心に誓いました。

 その後、高校生になり大手レコード会社からCDデビュー
 の話が舞い込み、大学生の頃には様々なステージの
 機会を得、その与えられた全てを引き受けてきました。
 もちろん経験させて頂いたこと全てが今の私を形成
 しており、感謝の思いでいっぱいですが、
 徐々に何か中途半端で期待に応えられていないような
 罪悪感を抱き始めるとともに、自分が何をめざしているのか
 分からなくなり、もう一度原点に戻ろうと日本を
 飛び出しました。

 留学先のスイスでも、もちろん試練の連続で、
 隠れてたくさん泣きました。
 しかし、そこでは、常に自分との闘いだったので、
 清々しい気持ちでした。
 そして徐々に自分がしたいこと、
 自分に求められていること、自分が出来ること、
 これらのバランスがうまくとれるようになってきました。
  (後略)」

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