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2015年12月20日 (日)

東京混声合唱団 第238回定期演奏会     三宅悠太作曲初演作「Rebirth」~力強い秀作

東京混声合唱団 定演
三宅悠太作曲初演作「Rebirth」~力強い秀作

後半は児童合唱団とともに充実したステージ

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東京混声合唱団の第238回定期演奏会を
第一生命ホールで聴いた。

前半の2曲は委嘱作品の初演。

後半は三善晃さんによる、児童合唱団を伴う作品が
2つ演奏された。

演奏だけでなく、こうした企画構成の素敵さから、
とても充実した素晴らしい演奏会となった。

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三宅悠太作曲 Rebirth~混声合唱とピアノのための

会場にギリギリに着き、急ぎ客席内に入ろうとすると、
黒のシャツとズボンの東混の数人がトライアングルを
持ってドアの外側にいて、「(中へ)どうぞ」と
手招きされたので驚いたが、ほどなく理由は判った。

曲の開始、指揮者の大谷研二さんとピアノの斎木ユリさんだけが
登場し、斎木さんが高音部で美しいメロディを、
低音部でグロテスクな音をからませて開始した早々、
ホールの1階の4つの扉から東混の団員が歌いながら入場
して来た。

歌は、「我は海の子」だったり、「海ゆかば」だったり、
軍歌の「同期の桜」だったり、複数の曲をパート単位ではなく、
数人単位、あるいは個々を単位としてランダムに
歌い重ねられ、団員も通路を上下左右に行き来する。

10分近くたって全員が徐々にステージの上がり、
大きなクラスタークレッシェンドで止まる。
今度は口々に小さな声で各人が「語り」を重ねる。

こうして3つに分かれたこの曲のⅠ「Recollections(記憶)」
と題された部分が終わり、
静けさを基調としたⅡ「Elegy」が開始される。

最後はタイトルと同じⅢ「Rebirth」が始まるのだが、
歌詞は作曲者による断片的な語句
 ~「見つめている。忘れ得ぬ記憶を。あなたは、
   私は、歴史を、空を、海を、風を、街を、人間を、
   等々」~が、
二度でぶつかる音しかし長和音の美しいものとして
歌われるのだが、それはぶつかる音ゆえ力強いもので、
たいそう印象的なものだった。

Ⅰでの手法はシアター・ピースとクラスター等を用いた、
よって特に新しい要素のものではないが、
戦後70年の今、今年32歳の若い作曲家が、
敢えて軍歌や戦中戦前に歌われた曲を愚直なまでに
用いながら、最後には、長和音での二度音程を
徹底的につなげることで、
力強い~敢えて言えば~平和の、愛の歌を
歌いあげた、と言えるもので、非常に力作、秀作だと思った。

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2曲目の初演作は、鷹羽弘晃氏による、
小倉百人一首による「あらべすく計画」
 ~無伴奏混声合唱のための という作品

これまでにも、若い作曲家を含めて、和歌への作曲が
複数試みられて来ているし、内容的にも新しい要素は
特になく、申し訳ないが私は退屈な作品として聴き終えた。

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後半は、大谷さんが常任指揮者と音楽顧問を務める
NHK東京児童合唱団の約50名による素晴らしい合唱を
交えて、三善さんの

 3曲目=童声・混声合唱と2台のピアノのための
  「交響詩曲 波」(2001年作品)と、

 4曲目=三善さんによる構成・編曲としての、
  童声・混声合唱と2台のピアノのための
  「日本の四季~瀧廉太郎の作品による~」
   (1998年作品)が演奏された。

児童合唱を聴くだけで感極まるほどの清らかさに加え、
正確性、ハツラツさも十分の児童の歌声と、
大人の名人集団である東混による声の交わり集合と拡散、
融合と掛け合いの妙で本当に楽しい充実した演奏が
行われたのだった。

とても良いコンサートだった。

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