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2015年11月13日 (金)

資生堂ショックについて

資生堂ショックについて

 1.時代の変化

私が社会人になった1980年代は~1986年に
男女雇用機会均等法が施行されたが~失礼ながら、
女性はまだまだ「会社勤務は一時的「腰かけ」、
早く寿退職したいな」という時代だった。

それが1990年代から徐々に変化が生じ、今や
結婚後どころか、出産して何カ月も経たないうちに
再び働き出す女性も決して少なくない時代になった。

私自身、会社社員やアーティストを含めそういう女性を
数人知っている。

昔ならまず考えられないことだ。
大変だろうな、とは思うし、事情は人様々だろうが、
基本的には「働くことが好きな女性」である点が共通している
と想う。


 2.資生堂ショックとは

「1億総活躍」などと、歯の浮くようなことを言うどこぞ首相が
いるが、そのくせやっていることといえば、派遣法改悪、
介護士が不足しているのに介護報酬の引き下げ、と、
矛盾したことばかりの愚策の愚政が続いている。

そうした中、多くの美容部員を抱えて、
出産後の育児休暇や勤務時間の短縮などの女性の
就労環境をいち早く整備し、「働く女性にやさしい」企業の
代表格とされた資生堂が、子育て中の女性社員にも、
他の社員と平等なシフトやノルマを与える「戦力化」に
舵をきり、話題というか、
「資生堂ショック」として波紋を呼んでいる。

すなわち、育休後の育児のための短時間勤務で働く
美容部員も、一般の美容部員と同様に、
公平に土日勤務や遅番をこなしてほしいとし、
ひと月の土日8日のうち2日は 勤務すること、
遅番10日を基本とするシフト勤務や、フルタイムの場合と同じ
1日18人の接客を営業ノルマ(目標)としたのだ。

これは、販売の現場で、子育てをしていない美容部員に
土日勤務や遅番の負担が集中して、「不公平だ」、
「プライヴェートの時間がない」などの声が続出するように
なったことにより、制度を見直したという。


 3.まず理想論、次に現実対応の必要性

 (1)理想論

最初に理想的一般論を言えば、出産後も勤務継続を希望
する社員には、なるべくソフトなスタートというか、
温かく優しい環境(待遇)設定をしてやれる会社や社会が
望ましい、好ましい、ということは言えるだろう。

先日も、会社の同僚と年配の大先輩が
 「昔はもっと社会全体に優しさが在りましたよね」
と話しているのが聞こえてきて、
内心「そのとおりだな」と思ったものだ。

しかし、それはそれとして、個別の会社の個別の懸案となると、
そういう一般論、抽象的感想では済まなくなるのは
言うまでもない。

 (2)現実対応の必要性

育児に関係ない若い女性社員や、結婚していても
子どもがいない~もっと言うと、欲しいのにできない女性
だっているだろう~女性社員に、もし、遅番や残業、
土日出勤が増えるなどの「しわ寄せ」が行くなら、
やはり「不公平感」は禁じえないだろう。

「不公平感」には~敢えて言えば~「やっかみ」が
皆無とは言わない。
けれど決して「やっかみ」に近い感情論だけでは済まない
のもたぶん事実だろう。

また、当の育児と両立で大変な女性社員にしてみても、
「育休は当然」という「上から?的思い」の人ばかりではなく、
「育休と関係ない皆さんに負担をかけて申し訳ない」
と思っている人も必ずいるはずだ。

したがって、「優しさのある社会、会社」であって欲しい、
あるべきだ、との理想はあっても、現実的には、
何らかの「工夫(妥協?)」は必要となるだろう。


4.ネットでの一方的な資生堂批判は
  無責任で社会正義を気取る「ええかっこしい」

インターネットでは、相変わらず、無責任な意見が飛び交って
いるらしい。いわく、

「不公平だって言ってる社員はなに?
 母が自分を産んでくれた時に会社から『育休は甘え』って
 DVD送付されたらどんな気分になるか想像もできないの?」、

「育休や時短してない社員にシワ寄せいくのは
 必要な手当てや人員を用意してないからじゃん。
 それ棚上げして『甘え』だなんだ言うとか
 マタハラもいいとこだよ」、

「よくもまあ女性相手の会社がこんなこと言えたな。
 女性を敵に回してどうする。売り上げ落ちるぞ、これは」、

「ひどいな。育児中の社員の労働時間を減らすことで
 他の社員に対する負担が高まると言うなら、
 社員数を増やせばいいのに」~等々。

なかには、資生堂に対する「不買運動」を呼びかける声まで
あるそうだ。

これらは、一見、社会正義を気取っているが、
会社務めをしたことのない、空虚な「ええかっこしい」に
聞こえる。

こうした理想を掲げたかのような社会理念を言っているように
装う言動、
あたかも「資生堂がブラック企業であるかのような批判」は、
的を射ていないというより、生産性の無い空論に過ぎない。


5.再度、歩み寄り知恵を出し合うことが必要

資生堂としても、将来的も戦力になる得る女性社員
 ~それは育児に関係ある社員も当面関係無い社員も
 ~が、こうしたことでもし退職していくようなことが
あったら、業績にもかかわる事態で、それは避けたいだろう。

結局、会社組織としてどこまで優遇的措置が可能か、
という部分と、不公平感をある程度解消する対策の
2つの観点からの歩み寄り的解決策を見つけていき、
実施していくしかないのだろう。

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