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2015年10月 4日 (日)

ふじみ野市民による第九

<手作りの第九合唱 それも第九だ>

2005年に埼玉県の上福岡市と入間郡大井町の合併により、
ふじみ野市が誕生して10周年が経つのを祝って、
第九が北原幸男さんの指揮で演奏された。

会場は同市立大井中央公民館ホール。

ソリスト4人はいずれも同市や周辺の市にゆかりのある歌手。

指揮   北原幸男

管弦楽  サンアゼリア フィルハーモニカ

合唱   ふじみ野市第九を歌う会

ソプラノ 後藤美奈子

アルト  長谷川 忍

テノール 高橋 淳

バス   古澤利人


<合唱団>
プログラムによると2013年6月ころから市民の間で
第九を歌いたい、という声が高まり、2014年10月には
「ふじみ野市第九を歌う会準備会」、
今年2月正式な「ふじみ野市第九を歌う会」となり、
4月以降練習を積んできたという。

構成人数はソプラノ45人、アルト75人、テノール11人、
バス23人とアンバランスだし、
ここでも男声の少なさが目立つ。
おそらく、「第九を歌うのは初めて」という人は多かったと
想われるし、合唱自体初めての人も何割かは
いただろうから、カタカナ読みの歌詞過ぎるとか
男声の縦線が揃わない等「突っ込み所満載」だが、
それでも、皆さんが楽しそうに 懸命に歌っている姿に、
終演後、熱い思いがこみ上げてきた。

レベルはまだまだの内容だが、それでも満員の
市民聴衆を興奮させ、何度も優れた合唱で
この曲を聴いている私をも温かい気持ちにさせる第九は凄い。

第4楽章はその前3つの楽章とは別物であり、
ベートーヴェンの作曲でありながら、もはや
ベートーヴェンの元から世界中の市民の間に拡がり、
「世界の市民の音楽」として飛び立って存在している音楽
が、この「第九の終楽章」なのだ。これも第九なのだ、と思う。

今回の154人の方々が今後も2回、3回と第九を
歌い続ければ、もっと上手くなるに違いない。
それが見えるところまで来ているだけに、
特に男声の精度が粗いのが惜しい。
ソプラノはよく声が出ていたし、
アルトも多人数ゆえハーモニーに厚みを作っていた。

<オーケストラ>
市民アマオケを予想していたが違った。
埼玉県和光市文化センター サンアゼリアの
開館20周年を記念して創立され、
2013年10月に第1回コンサートを開催したという
「埼玉県初のプロオケ」だという。知らなかった。
いわゆる室内管弦楽団の規模のもので、
プロなので演奏は当然上手い。
コントラバスは3人だが、その3人の奏者を
集中して見ながら聴けた。

北原氏は終始速めのテンポで進めたが、
小規模のオケにはこのスタイルが良いのかもしれない。

1つだけ、第3楽章の有名なホルンのソロ、
あのCes durでの音階旋律を受けもった奏者
 ~たぶんトラだろうけれど~の演奏がヒドかった。
楽器にトラブルでも生じたのかとしか思えないような
デキで驚いた。
確かに難しい部分だが、それでも、今では
オマオケのホルン奏者でさえ完璧に美しく吹ける人は
たくさんいる。普通にいる時代だ。
この点だけが残念だった。

第1楽章のFFが続くクライマックス(練習記号K~L手前)
を聴いていると、あらためてベートーヴェンの
作曲技法の偉大さを思い知らされる。


<ソリスト>~プログラム記載順に
愛知県立芸大出身で、現在ふじみ野市在住のソプラノの
後藤美奈子さんは、とても声量ある声で歌っていた。
終演後、楽屋近くで友人に
「イタリアものならもっと声がでるのに」と話されていたので、
私は「いえ、よく出ていましたよ」とお伝えした。
近くを中学生の男子がうろちょろしていて、
後藤さんは「息子なんです」と私に紹介。

メゾは私の憧れの長谷川忍さんは川越市のご出身。
「千駄ヶ谷スタイル」で忍さんを知り、お会いしたのも
2012年6月の二期会WEEKの「千駄ヶ谷スタイル」の
コンサート以来かと思う。
いぶし銀の声で、特に終わり近くの四重唱で、
ソプラノの後を受けて、3連音符でEまで上がり、
いったん降りてFlügel weiltに持っていく部分でのトーンは
とても魅力的だった。

テノールは今や各地で大活躍中の高橋淳さんだが、
ふじみ野市(旧 上福岡市)出身で、2011年まで在住
されていたとのこと。
ゆえに、今回の合唱指導(メインは小林浩氏だが)も
淳さんが2回ほど訓練されている。

淳さんというより私にとっては淳先生。
武蔵野合唱団でボイトレを受けたこともあるほか、昨年は、
学習院の学生オケと合唱による「カルミナ・ブラーナ」に
私も合唱で出、その本番前の昼休みでは、
楽屋通路で数分お話したので、楽屋に行くと、
先生のほうから「おっ」と気付いてくださった。

もっとも周辺には合唱の弟子と思われる中年女性衆が
先生を囲んでいたので、「お疲れ様でした」と
会釈しただけで忍さんのいる楽屋前に向かった。
本演奏では、有名なマーチ風ソロはむろん、
終始ソロ全体をリードするくらいの積極性で朗々と
歌っていたし、歌っているときだけでなく、
合唱の部分を聴かれているときも、
そのお顔の表情が相変わらず素敵だった。

バリトンは東松山市出身で、富士見市在住の
古澤利人さん。若いかたで、声も若い感じがした。
レスタティーボでの下のDの音(vollereのre)が
苦しそうになったのは残念だった。

市民による市民の為の第九も、また第九である。

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