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2015年7月23日 (木)

東芝~不適切会計というより実質 粉飾決算~マスコミ使用用語の不思議~不正会計、不適切会計と粉飾決算

1.現状について

東芝の事件に関して、7月24日時点で、
 朝日と毎日が 「不正会計(決算)」、
 読売と日経が 「不適切会計」、
 産経が 「利益水増し問題」
という言葉を使用している。


2.基本事項について

日本公認会計士協会広報グループによると、
 「不正会計」や「粉飾決算」といった言葉自体に定義はなく、
 一般用語として用いられているということが混乱の元に
ある要因だ。

3.各社の当初の使用用語

この問題が最初に明らかになったとき、
各メディアは「不適切会計」という言葉を使用していた。

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4.その後の変更

(1)朝日と毎日

その後、朝日・毎日は「不正会計」という言葉に切り替えた。
その理由を、朝日新聞社広報部は
 「不正な会計処理が行われていたことが分かったことから、
 弊紙は7月9日、副会長辞任を紙面化する際に
  『不正会計』という言葉を使いました」
と説明している。

毎日新聞社社長室広報担当も
 「第三者委員会が、意図的な会計操作やトップの関与に
 ついて指摘」したことから、
7月17日朝刊から「不正会計」に切り替えて いる。

「不正会計」という表現を使っている理由については、
 「経営トップが認識したうえで意図的な利益水増しの
 決算を公表したことが判明したため」
と説明 している。


(2)読売、日経、産経

読売新聞と日経新聞は、20日に第三者委員会の報告書の
概要が公表された後も「不適切会計」という言葉を使用
している。

産経新聞は21日朝刊一面までは「不適切会計」と書いて
いたが、なぜか22日朝刊から「利益水増し問題」
という用語に変更している。

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5.今後、粉飾決算という用語を使用するのか

毎日新聞…「粉飾決算」の用語使用について、
唯一明確な基準を示しているのが毎日新聞社。
いわく、
 「強制調査(捜査)の見通しが強まったと判断できた段階
  で切り替えを検討する」(社長室広報担当)

とのことで、強制捜査の有無が一つの判断基準となっている。
その他の新聞社は今後のスタンスに言及していない。

某日経ビジネス編集委員は、
 「いまの段階では『粉飾』ではありません。それは、
 違法行為があったと確定しているわけではないからです。
 違法だとわかるまで は粉飾とは言いません。
  『不適切』と『不正』はほぼ一緒」

と言うが、日経新聞はかつて、刑事告訴ではなく
課徴金勧告された段階ですでに「粉飾」というワー ドを
使ったことがあった。矛盾している。

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6.東芝の不正の規模について

東芝は2008年4月から2014年12月まで約7年間で
合計1518億円の利益を水増ししていた。
東芝の自主調査分の44億円と合わせ1562億円の利 益水増し
となる。
報告書を受けて、東芝は21日、田中久雄社長と前社長の
佐々木則夫副会長と元社長の西田厚聰相談役の3名の
辞任を発表。

過去、国内で最も額の大きかった粉飾事件は、
1999年の日本長期信用銀行の3130億円。次いで、
1998 年の山一證券の粉飾額が2700億円とされ、

東芝の不正会計は、それら過去の巨額粉飾事件にならぶ
 巨額の利益水増しと言える。

この額は2011年に20年以上にわたる「飛ばし」を用いた
不正会計による最大1178億円の粉飾決算が明るみに
出たオリンパスの粉飾額を上回る。

(1)オリンパスの粉飾事件では、元社長らに執行猶予付きの
 有罪判決、指南役とされた元会社社長には実刑判決
 となっている。
 上場については、オリンパスは経営者など
  「一部の関与者のみによってなされたもの」(東証)
 と言う理由で上場廃止を免れている。

(2)2006年に元社長の堀江貴文氏が起訴された
 ライブドアの粉飾額は53億円とされる。
 ライブドアは問題発覚後、短期間で上場廃止され、
 堀江氏には懲役2年6カ月の実刑判決で
 拘置所行きがとなった。

(3)2005年に元社長らが逮捕されたカネボウの粉飾額は
 2150億円とされる。
 カネボウは上場廃止され、元社長らには執行猶予付き
 の有罪判決を受けている。

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7.早稲田大学法学部の上村達男教授
 (会社法・金融商品取引法)のコメント

「第三者委員会の報告書に基づけば、東芝は、
 経営陣による意図的な利益水増しを行い、
 経営判断として有価証券報告書の虚偽記載などの
 違法な行為を行った。
 これは明らかに粉飾であり、これを粉飾と言わなければ、
 他に(これ以上の)『粉飾』は無い。

 少なくとも不正会計と表現すべきで、
 今もって違法ではないとい う意味を含む不適切会計という
 表現をつかっているのはおかしい。

 他の詐欺事件などでは疑惑の段階で報じている
 のだから、以前から『粉飾疑惑』と言うべき だった
 のではないか。

 他の専門家やマスコミが『粉飾』と言わないのはおかしい。
 何か東芝に遠慮があるのではないか、
 そう世間の人々が不審に思うのも当然 だ」。

以上です。

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