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2015年7月11日 (土)

武蔵野合唱団 創立60周年記念       MUSASHINO MUSIC FESTIVAL

武蔵野合唱団の創立60周年記念
 MUSASHINO MUSIC FESTIVAL
を東京芸術劇場で聴いた。

60周年記念演奏会に相応しい充実した内容だったし、
60年の歴史を刻んだ合唱団に心から祝したい。

合唱大国とはいえ、これほどの歴史を有する合唱団は
ごく少数に限定されるだろう。

出演者と演奏曲目

第1ステージ
1.宋左近 詩 荻久保和明作曲
  混声合唱組曲「縄文」(1980年委嘱作)
  (1)透明 (2)曙 (3)行進 (4)波の墓

  指揮=山田和樹  ピアノ=前田勝則


第2ステージ

1.マスカーニ「Ave Maria」
  ソプラノ=山田英津子 ピアノ=雲野茉里

2.シューベルト「魔王」
  テノール=松原友  ピアノ=高橋美佐

3.ピアノ=小林亜矢乃
 (1)ラフマニノフ 前奏曲第1番 嬰ハ短調「鏡」
 (2)ショパン ノクターン 第20番 嬰ハ短調「遺作」

4.トマ 歌劇「ハムレット」よりオフィーリアの「狂乱のアリア」
  ソプラノ=秋吉邦子 ピアノ=吉澤京子

5.マーラー 「さすらう若人の歌」より
  第1曲「愛しい人が婚礼を迎える日は」
  バリトン=青戸 知  ピアノ=雲野茉里

第3ステージ
1.村野四郎 詩 富澤 裕作曲「AGNUS DEI」より
  Ⅱ 枯草の中で  Ⅷ Agnus Dei
  指揮=佐藤洋人  ピアノ=高橋美佐

2.ブルックナー ミサ曲第3番より ⅡGloria
  指揮=松井慶太  ピアノ=雲野茉里 前田勝則
          (連弾編曲=前田勝則)

3.ハイドン オラトリオ「天地創造」より
 (1)第14番「もろもろの天は神の栄光のあらわし」
 (2)第31番 レスタティーヴォ「おお幸いなる夫婦よ」
 (3)第32番「全ての声よ、主に向かって歌え!」


第1ステージの荻久保和明作曲(宗左近 詩)
混声合唱組曲「縄文」は、
1980年の第2回ハンガリー演奏旅行に際して委嘱された
正にこの合唱団のために作曲され献呈された作品であり、
よって団員によっては、その後も何度も歌ってきた
 「切り札」的作品であるゆえ、
歌い慣れたという言い方は適当ではないが、
完全に自らの手中とした「十八番(オハコ)」の作品
だけのことはあり、すこぶる充実した演奏だった。

全員暗譜は団員だけでなく、
1999年に20歳で合唱演奏会デビューを飾ったのも
この武蔵野との「縄文」だったという山田和樹氏も
当然の如く暗譜で
 ~指揮するに相当難しいはずのこの曲を~
振った。

もっとも、楽曲に関しては私なりの感想はある。


 演奏について

第1曲「透明」では、冒頭から女声の声にいまひとつ
クリアな感じが無かったが、
男声がすこぶる好調で、女声の半分の人数ではあるが、
声量だけでなく、トーンが場面場面で様々な色に変わり、
ニュアンスを作っていて見事だった。
これは後の3曲全てに言え、男声のデキは
今回の成功の大きな要因と言える。

第2曲の「曙」は、曲想的にも感動を秘めた熱い曲、
熱い演奏で印象的だった。女声もこの曲以降は
とても充実していた。

第3曲「行進」は、技術的にはこの曲のピークというか、
リズムの難しさ、構造の複雑さから、とても難しい曲
と想うが、それゆえ、正に武蔵野合唱団とこの曲の関係を
象徴すると言えるほどに、非常に充実した演奏だった。

第4曲は抒情的な感動的な曲想で、
その冒頭のソロ2名、特にソプラノソロは素晴らしかったし、
ア・カペラの続く合唱も音程の正確性とトーンの魅力
ともに立派に保たれ最後まで継続されていた。

全曲を通じて言えることは、委嘱作品、「おはこ」であり、
自分たちの曲という特別な曲において、声のコントロールや
統一感等の技術においても国内有数の、
あるいはトップレベルの実力を有する合唱団であることに加え、
単に技術だけでなく、あるいはその技術は、
熱いハートをもって自発的に歌う、という内在するスピリッツから
生じているものであり、その「熱さ」という個性においても、
稀なほどの存在感を有する合唱団であることを強くアピール
した演奏だったと思う


 指揮について

東京藝大在学中、この曲で、この合唱団と合唱演奏会
デビューしただけに、ときに抒情的に~例えば、
 「行進」の中でのアルトのCの音のフェルマータ ロングトーン
を極端に長くする等~、ときに劇的に盛り上げるなど、
曲のダイナミズム(振り幅)を大きくとった指揮で、見事だった。
彼の今の活躍の原点を見た気もした。


 曲について

とてもユニークで感動的な曲だが、それでも疑問、不満が
皆無なわけではない。
とても立派な第2曲と第3曲においても、それぞれの中で
転調はするのだが、私にはなぜか終始同じトーン(短調和音)
が連続しているような心象が続いた。

そうした色合いの少ないトーンが続くと、ある種のイライラ感、
フラストレーションが生じてきて、
 「もっと今の曲想を突きぬけて、違う世界に入って
  くれないかなあ」と感じる場面が何度かあった。

もちろん、荻久保氏はそのような、言ってみればエンタ性は
最初から拒否し、トーンの安易な展開より、
持続する色彩の中での、言葉や音の変化にこそ主体を置いた
のだろうし、私が感じたトーンの単調さはそれゆえ計算どおりの
 「勝利」とも言えるのだろうが、それでも今回、
いささか単一な展開の中にいる窮屈さを払しょくすることは
私には難しかった。

もう1つ。
言葉、個々には子音の含めて明瞭な発音がなされているのに、
では全体で何を言っているのか、という点、
特に1曲目と2曲目が明確でない、という点も気になった。
3曲目と4曲目はだいぶそれが解消されていたのだが。

そうした疑問も感じる中での第4曲=終曲は、
一見もっとも単調かもしれないが、むしろそのお抒情的静的な
表現にこそ、個性的な色彩の変化を感じとることができて、
とても清々しく想えた。

なお、第4曲の
 「ゆれあっている ゆられあっている
  海の中の暁 暁の中の海」
の詩句は、三善晃さんの「詩篇」
 ~初演の指揮はコバケンさん~
の中でも使われており、彼のレクイエム同様、
完全無調の激しい曲想が続く中、突然、ホ長調で
「ゆれあっている~」と歌われる場面はすこぶる感動的
なのだが、荻久保さんもこの詩句を美しく印象的に展開
していた。


第2ステージは指導者や共演者ら
団ゆかりの演奏者によるステージ

①山田英津子さんによるマスカーニの「Ave Maria」
  ~カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲の編曲~は、
 最後のロングトーンが美しく、完璧だった。

②美しい声のテノール松原友さんによる「魔王」は、
 終演後ブラヴォーが出たが、私には不満だった。
 曲中の4つの役割の中で、父親と魔王の声の工夫が足りず、
 とても平凡。選曲ミスだ。せっかくの美声がもったいない。
 なお、後述するが、第3ステージでの「天地創造」では、
 その美声が十分生かされていた。

③ピアニスト小林亜矢乃さんにより、ラフマニノフの「鐘」と、
 ショパンのノクターン第20番いわゆる「遺作」の2曲が
 演奏された。どちらも丁寧に弾いていたが、
 これで音自体の魅力がもう少しあればなあ、というところ。

④トマの歌劇「ハムレット」からオフィーリアの「狂乱のアリア」
 を歌った秋吉邦子さん、というより私にとっては「クニ先生」
 だが、「満員の聴衆の中でのソロだから、
 きっと緊張されてるだろうな」との想像は良い意味で裏切られ、
 とても自然に、敢えて言えば終始楽しそうに歌っていて、
 その余裕、解放感がそのまま美しく清らかなトーンとして
 会場に響いていて、とても良かった。

⑤バリトンの青戸知さんにより、
 マーラーの「さすらう若人の歌」から
 第1曲「愛しい人が婚礼を迎える日は」が歌われた。
 素敵だったが、どうせなら第2曲「朝の野を歩けば」を
 歌って欲しかった。


第3ステージは再び今日の主役、武蔵野合唱団が登場。

①1999年の武蔵野合唱団委嘱作、富澤裕作曲(村野四郎 詩)
  「AGNUS DEI」より第2曲「枯草の中で」と
  第8曲「AGNUS DEI」が佐藤洋人さん指揮で演奏された。

 ここでは第1ステージより一層伸びやかな声となっていて、
 特に第1ステージでやや硬さを感じさせた女声が伸びやかさを
 取り戻していたし、男声も部分的には個人の声が出てしまう
 ほどに伸びやかに楽しげに歌われていて、良かった。

②次にブルックナーのミサ曲第3番より「Gloria」が
 松井健太さんの指揮で演奏された。堅実な演奏。

③最後は、ハイドンのオラトリオ「天地創造」より、
 第14曲「もろもろの天は神の栄光をあらわし」、
 第31曲レスタティーヴォ「おお、幸いなる夫婦よ」、
 第32曲「全ての声よ、主に向かって歌え!」が、
 松岡究さんの指揮で演奏された。
 古典作品ということもあり、格別個性的という演奏内容では
 なかったが、安定感が持続されていた演奏だった。
 4人のソロの中では、テナーの松原さんの明るいトーンの
 美声が魅力的だった。


アンコールでは、ヴェルディの歌劇「ナブッコ」から有名な
 「行け、我が思いよ 金色の翼にのって」
が演奏された。
とても丁寧でしっとりとしていて、自由や希望の歌というより、
厳かで祈りの歌のように歌われたのだが、
私はやや違和感を覚えた。
この曲の曲想は、そういう歌とはちょっと違うのではないか?
と。
この曲こそ、武蔵野らしく、
伸びやかに自由に自発的に開放的に歌って欲しかった
と思った。
まあ、指揮者の指示、解釈だから仕方がないけれど。


2回の休憩を挟んで3時間に及ぶ記念演奏会。お疲れ様でした!

 最後に演奏以外のことを2つ

(1)歌詞シートが無いことについて
 歌詞のシートが無いのはやはり不満だった。
 あるいは、演奏中の「パラパラ音」を避けるために敢えてそうした
 のかもしれないが、
 それは事前アナウンスで徹底させればよいのだから、
 やはり歌詞紙面が欲しい。
 あると無いのとでは、聴き手側にとって、作品の、
 しいては演奏会自体への関心度や感情移入にやはり差が生じる
 と思う。以後、検討材料として欲しい。

(2)会場関係者に
 「縄文」が始まって10分ほどしたころ、
 3階左側から10数名が、その5分後も3階右側から10数名
 が客席に入ってきたが、
 いずれも女性の靴音が「カタカタ」とうるさく、
 閉口したというより、腹が立った。
 3階とはいえ、演奏中の入場
  ~それも曲間の短いインターバル時ならともかく、
    歌っている最中だ~
 は控えて欲しいし、少なくとも3名ずつ等、
 静かさを保てるような配慮が欲しかった。
 非常に不快だった。

その2点は残念だったが、それでも もちろん
 ~繰り返しになるが~とても良い演奏会、
同コーラスにとって正に記念碑的な演奏会だった。

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