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2015年4月19日 (日)

東京交響楽団が カンチェリ 「ステュクス」を演奏~見事な東響コーラス

ある人の情報により、偶然知った曲であり演奏会だったところの
飯森範親 指揮、東京交響楽団によるギア・カンチェリ作曲
 「ステュクス~ヴィオラ、混声合唱と管弦楽のための」
をサントリーホールで来聴いた。

まず、第629回 定期演奏会の全容は

指揮  飯森範親

ピアノ ニコライ・ボジャイノフ

ヴィオラ 青木篤子

合唱  東響コーラス:指導=冨平恭平


1.ショパン ピアノ協奏曲 第2番

2.カンチェリ ステュクス~ヴィオラ、混声合唱と管弦楽のための

 (休憩)

3.ドビュッシー 海~管弦楽のための3つの交響的素描


 2曲目から書く。

「ステュクス」(Styx)とは古代ギリシャの、正者と死者の世界の
間に流れる川を意味する、とのこと。
作曲家のギル・カンチャリは1935年に今のグルジア共和国の
首都トリビシで生まれ、今年80歳の今はベルギーのアントワープに
住んでいるとのこと。

この曲の初演は、ユーリー・バシュメットのヴィオラ・ソロ、
ゲルギエフ指揮 マリンスキー劇場管弦楽団と
サンクトペテルブルグ室内合奏団により、1999年に行われて
いる、とある。
曲の献呈もバシュメットに捧げられている。

古代における何がしかをテーマに置いたオケと合唱の曲、
というと「カルミナ・ブラーナ」が思い浮かぶが、
「カルミナ」ほど劇的な内容や展開は無い。

強和音部分はむろん多々あるが、全般的には弱音を主体
とした抒情的な要素に特徴のある曲に想えたし、
工夫もユニークな点が多くて興味深かった。

ただ、曲想的というよりは、やはりグルジア語という世界的には
マイナーな言語が主体とされている点で、
今後「カルミナ」ほどの演奏実績の拡大普及という事は難しい
のではないか、と感じた。

なお、詩文中には、カンチェリの友人だった作曲家
 (いずれも故人)のシュニトケとアヴェト・テルテリアンの名が
刻まれている。

また、グルジア(という国名表記)は、2015年4月から、
より実際の発音に近いという英語式の「ジョージア」に
変更されるとのこと。

ヴィオラのソロは東響の首席ヴィオラ奏者の青木篤子さんが
務めたが、冷静によく弾いていたと想う。

合唱は、毎回の演奏会ごとにオーディションで選ばれて
出演する東響コーラスによる演奏だったが、
今回はこのような難しい言語による挑戦であっても、
これまで同様、暗譜で歌っていた。演奏もとても良かった。

なお、合唱の配列としては、サントリーホールのオルガン下
客席に座したわけだが、普通のならびとは全く異なり、
男女各個人が、入り乱れると言ったらヘンだが、
個々バラナラに入り組む座り方だったのが面白かった。


プログラムで解説している小倉多美子氏の文は良くない。
良くない理由は2つあって、

まず1つは、いくら紙面(字数)が限定されているといっても、
この日の演奏が日本初演なのか?そうでないのか?が
書いてないことだ。
書いてないから日本初演ではないのであろう事は想像が
ついたが(注記参照)、こんな初歩的にして重要な事に関する
記述が無いのは~日本初演したオケが他団でも~
いくらなんでも不親切だし、不適当だ。

もう1つは、グルジア語を主体としていながら、
曲の後半3分の1は、英語による詩により歌われることの
いきさつなり、意義なりへの言及が無いこと。

この2点(の言及が無いこと)だけでも、解説文としては失格だ。

 (注)
帰宅後、調べた。2005年10月に広上淳一氏の指揮、
神奈川フィル+バシュメットにより日本初演されている。


その他、この演奏会の1曲目は、1992年ロシア生まれの
男性ピアニスト ニコライ・ホジャイノフのソロによる
ショパンのピアノ協奏曲第2番ヘ短調が演奏され、
「ステュクス」は2曲目で、休憩後の第3番目(最後)の曲
として、ドビュッシーの「海」が演奏された。

前者では、1992年ロシア生まれの青年による演奏。
演奏後のソロアンコールで弾いた モーリッツ・ローゼンタール
による「ヨハン・シュトラウスの主題によるウィーンの謝肉祭」
が面白かった。

後者は久しぶりに聴いたが、
特に第2楽章「波の戯れ」のオーケストレーションは見事
だと思う。

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