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« 後藤健二さんを悼み IS(IL)を厳しく糾弾する | トップページ | 三善晃さん追悼コンサートby桐朋学園大学   第2夜はオーケストラの夕べ            皇后陛下と小澤征爾さんも臨席されて »

2015年2月 5日 (木)

三善晃さん追悼コンサートby桐朋学園大学   第1夜は合唱曲と歌曲の夕べ            ピアノ科学生による合唱の問題点について

三善 晃 先生 追悼コンサート
 ~合唱曲と歌曲の夕べ~桐朋学園大学音楽部生による
 ~ピアノ科学生たちによる合唱に、
   苦笑してしまった理由を分析する~

桐朋学園大学により作曲家で同大元学長でもあった
三善晃さんを追悼するコンサートが東京オペラシティで
2夜わたり開催される。

本日=5日は「合唱曲と歌曲の夕べ」。
明日6日は「オーケストラの夕べ」だ。

いずれも、同大学の学生やOBの音楽家、あるいは
卒業生ではないが現在同大学の准教授や講師という職に
ある音楽家による追悼コンサート。

2夜聴く予定だが、まず今日の「合唱曲と歌曲の夕べ」を聴いた。

前半だけでも多くの合唱曲が演奏され90分近くかかった。

後半は、卒業生でもある半田美和子さん、与那城敬さん、
卒業生ではないが現在同大学准教授の腰越満美さんが
それぞれ歌曲を歌い、
最後は混声合唱と2台のピアノのための交響詩 海で終える
という大規模なものだった。


演奏曲目と演奏者

1.小鳥の旅(1963年) 詩=勝 承夫

2.女声合唱とピアノのための「動物詩集」(1984年)

 (1)子猫のピッチ (2)ひとこぶらくだのブルース
 (3)ゴリラのジン
   詩=白井かずこ

  指揮=加藤洋朗 ピアノ=江村理沙(2年)、原嶋 唯(2年)
  女声合唱=大学2年ピアノ専攻生

3.女声合唱組曲「三つの抒情」(1962年)
 (1)或る風に寄せて   詩=立原道造
 (2)北の海       詩=中原中也
 (3)ふるさとの夜に寄す 詩=立原道造

  指揮=関田英二 ピアノ=五十嵐薫子(大学2年)
  女声合唱=大学2年ピアノ専攻生

4.男声合唱とピアノのための「三つの時刻(とき)」(1963年)
   詩=丸山 薫
 (1)薔薇よ
 (2)午後
 (3)松よ

  指揮=石川直人 ピアノ=稲島早織(嘱託演奏者)
  合唱=大学男声

5.女声合唱組曲「木とともに 人とともに」(1999年)
   詩=谷川俊太郎
 (1)木とともに 人とともに
 (2)空
 (3)生きる

  指揮=長尾康世 ピアノ=荻原萌子(嘱託演奏者)
  女声合唱=声楽専攻大学1年、2年

6.女声合唱のための組曲「月夜三章」(1965年)
  詩=中原中也
 (1)月の光 その一
 (2)月夜の浜辺
 (3)月の光 その二

  指揮=加藤洋朗 ピアノ=野間春美(嘱託演奏者)
  合唱=声楽専攻大学3年、4年

7.「詩(うた)の歌」より (女声合唱版=2001年)
  詩=まど・みちお
 (1)コスモスの歌
 (2)やどかりさん
 (3)サザンカ
 (4)かいがらさん

  指揮=加藤洋朗 
  女声合唱=声楽専攻生 女声全員

 (休憩)


歌曲より

1.白く(1962年)
  詩=左川ちか
 (1)白く
 (2)他の一つのもの
 (3)むかしの花
 (4)Finale

 ソプラノ独唱=腰越満美
 ピアノ=稲島早織(嘱託演奏者)


2.五柳五酒(1994年)
  詩=佐藤 信
 (1)その一
 (2)その二
 (3)その三
 (4)その四
 (5)その五

 バリトン独唱=与那城 敬
 ピアノ=片山裕子

3.抒情小曲集(1976年)
  詩=萩原朔太郎
 (1)ほおづき
 (2)少女よ
 (3)雨のふる日(兄のうたへるうた)
 (4)小曲
 (5)五月

ソプラノ独唱=半田美和子
ピアノ=土田英介


 合唱

4.混声合唱と2台のピアノのための交響詩 海(1987年)
  詩=宗 左近

  指揮=加藤洋朗  ピアノ=荻原萌子、野間春美
  合唱=声楽専攻生全員+男声合唱

前半の合唱は、まず、
①加藤洋朗さん指揮でピアノ科2年の女子学生により
 「小鳥の旅」と動物詩集(3曲)が演奏され、次いで

②関田英二さん指揮で同じくピアノ科2年の女子学生
 により有名な「三つの抒情」が演奏された。
 しかも①と②はメンバーが入れ替わり、
 それぞれ30名ほどいたのだから、1つの学年だけでも
 ピアノ科学生がとても多いことに驚いた。
 そして興味深かったのは、彼女達がどう合唱したか、
 ということだった。

①においても②においても感想は同じだったので
いっしょに論じたい。

合唱経験者はそれほど多くないことはすぐ判った。なぜなら、
残念ながら合唱としてはとても平凡なデキだったからだ。

①の「小鳥の旅」では、大きな振りの加藤氏に合唱が
 乗っている感じがしなかったことも先述の為だし、
 言葉のキレが悪く要するに音楽として「スィング」して
 いなかった。
 更にピアノの演奏が微妙にテンポズレしていたので、
 指揮者と合唱とピアノがそれぞれ別なことをやっている
 ような演奏だった。

そしてこれが、「動物詩集」の中の速いフレーズになると、
もう言葉と音との統一感が相当乱れることになり、
こうしたことから、レベルの低さが否が応でも判ってしまう。

1人1人は一生懸命真面目に歌っているし、音程は良いし、
響きだって決して悪くない。練習の成果はそれなりに判る。

けれど失礼ながら、それにもかかわらず
合唱としては「ヘタ」なのだ。

 なぜだろう?

NHKの合唱コンクール全国大会に出て来る高校生のほうが
10倍上手い。そのレベルの高校生はむしろ上手過ぎて
もう少し普通に歌おうよと言いたくなるくらいだが、
それはともかく、もし彼女達(高校生)がこの場にいて、
このピアノ科1&2年生による合唱を聴いたとしたら、
クスクス笑いだし、笑いを止められなかっただろうと想像する。

 それはなぜか?

比較してみよう。すなわち、
3番目に登場した男声の感想は後述するとして、
4番目には今度は声楽科の1年と2年生により
女声合唱組曲「木とともに 人とともに」、
5番目は声楽科3年生と4年生により女声合唱組曲「月夜三章」、
そして前半の最後として声楽科の1~4年の女子学生全員で
 「詩の歌」から4曲が歌われたのだが、声楽科とはいえ、
皆が合唱経験者ではないだろうし、
普段は当然ソロでの歌唱を学ばれているだろうから、
合唱としての完成度には不満はあったものの、
やはりピアノ科学生による合唱とは決定的な違いがあった。

 それは何か?

ピアノ科学生による合唱は正確な音程と美しい響きを目指す
という事で終わっていて、言葉が平坦でまるで詩に歌詞に
意味なんて無いかのように歌われていたのだ。

センテンス、フレーズの中での名詞や動詞や形容詞や、
とにかく各場面で強調すべき言葉が全く示されず、
ただ音程に一応言葉を乗せている程度、という印象だった。

声楽科の学生はさすがにその点は十分理解して歌っている
ので、まだまだ物足りないものの、それでも
合唱として最低限欲しい言葉の個々の意味合いが伝わってきた。

いわば、ピアノ科学生たちは
全てカタカナで歌っていたかのように聞えてきたのに対して、
声楽科学生たちはちゃんと漢字とひらがなとカタカナを
使い分けて個々の単語を大事にして歌っていた、
と言えばよいだろうか。

 そういう「決定的な違い」が見てとれた。

「三つの抒情」の3曲目(終曲)「ふるさとの夜に寄す」は
冒頭から非常に美しく印象的な開始なのに、
なんという平凡な歌い回しで始まったことか。

そして、例えば、
「とほくあれ 限り知らない悲しみよ にくしみよ・・・・」
のところは、少し誇張して書くと次のように歌ったのだ。

「ト・オーク ア・レー
 カ・ギ・リ・シ・ラ・ナ・イ カナシミヨ~ニクシミ・ヨー~」


ピアノ科学生は個々の自分の練習や師に指導を仰いで
ピアノを演奏するとき、こんなにも<非>音楽的に
弾いているのだろうか?
まさかそうではあるまい。
もっと「音楽的」に弾いているはずだ(と信じたい)。

なので、要するに合唱としての歌いに慣れていない
という単純な理由による「ヘタ」さであって、
そういう意味では深刻ではなく練習次第で上手くなる余地のある
演奏ではあったのだが。

ピアノ科学生たちは正確な音程
 (と、できればキレイなハーモニー)
で歌うことを目標にして、そこで終わっていた演奏だった
のだが、声楽あるいは合唱経験の長い人また
その団体にとっては、正確な音程で美しく歌うことは
「当たり前」のことであり、歌手を目指す人はもちろん、
既存の合唱団も「その先」を目標にしているはずだ。

むろん、各合唱団も練習において音程の修正を重ねて
いくが、それを最終目標にはしていない。

合唱経験者は例外なく正確な音程だけを目標には
していない。
美しい響きだけを目標にはしていないはずだ。

今回はとても申し訳ないが、こうした言及が大変失礼な
ことは承知なのだが、ピアノ科学生達が歌ってくれた
合唱がなぜ「ダメ」なのか?
「ダメな合唱演奏とはどういうものなのか?」を、
いわば「反面教師的に」提示されていて、
私にはとても勉強になった。

けれどもう一度おわびしはしておきたい。
こういう言及はとても失礼でゴメンナサイ、と。

前半の男声合唱は個性的ではないものの、まとまっていた。


 後半の3人の歌手による感想

腰越さんの豊麗な声と歌い回し、
与那城さんの凛とした格調、半田さんの繊細にして
透明感のある歌唱と、それぞれ楽しめた。


最後の合唱曲「海」は感動的で、しかも雄大に終わるのに、
すぐに拍手が起きず、長い沈黙の後、
盛大な拍手が起きたこともとても素敵だった。

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