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2014年11月 3日 (月)

野口剛夫さん~東京フルトヴェングラー研究会代表~佐村河内守のウソを最初に追及

私が東京フルトヴェングラー協会代表の野口剛夫氏と
直接面識をもったのはまだほんの1年くらい前のことだ。

昨年の11月4日、「フルトヴェングラー」(筑摩選書)の著者
奥波一秀氏と「フルトヴェングラーの風景」(現代書館)の著者
飯田昭夫氏が出席した会のシンポジウムに参加したときだ。

東京フルトヴェングラー研究会管弦楽団にも以前から
入団してみたいという関心はもっていたが、
最初に名を見たのはそのオケの指揮者としての名で、
会自体の代表者であることはむしろ後から知った。

それはともかく、そのときの懇親会では
フルトヴェングラーのことはもちろん、いろいろな事を
10数名と語らったのだが、その中の1つに、
佐村河内守氏の交響曲第1番のこともあった。

氏はその直前に発売された「新潮45」11月号で、
 「佐村河内守は本物か」を書いて、いろいろな矛盾点、
疑問点、交響曲第1番の世間とは違う率直な評価等を
書いていた。
さすがに、ゴーストライターがいたことまでは
野口さんも予想外の事だったのだが。

もっとも、この日の野口さんを含む各氏との会話時点では
その文を読んでいなかったのだが、
 「交響曲第1番が世間で言われるほどの作品ではないね」
という点で私と野口さんは一致していたのを確認したし、
私が 「エンディングも、あれなら既にマーラーの3番があるな」
と言ったのだが、野口さんも雑誌寄稿文の中で
マーラー3番云々ということを言及していた、と後で読んで
驚いたのだが、まあ、それは要するに交響曲第1番に対する
感想がほぼ同じだった、ということの念押し的事実に過ぎない。

そして、年が明け、2月にああいう騒動が起きたのだった。

野口さんは2日間くらいTV各社にひっぱりダコとなった。

それまで仮に「佐村河内はニセものだ」などと言おうものなら、
マスコミが一斉に無視したに違い無い状況~実際、
雑誌への寄稿文原稿は数社から断られ、
新潮45でやっと注目して掲載してもらえたとのことだった~
からの手のひら返しは、いかにもマスコミらしい。

その野口さんは、中央大学で哲学を学び、その後、
桐朋学園大学で音楽学を学んだ人で、
1995年に東京フルトヴェングラー研究会を立ち上げて
今日に至る中、研究会管弦楽団を創立して指揮者として
定期的に演奏会を行い、
また、翻訳や執筆、そして作曲活動もされてきたということで、

今年、50歳になることを自ら記念して~スピーチでは、
サラリーマンと違い昇格とか無いので、自分で区切りをつける
という意味で、と語った~「私の“音の言葉”」と題して、

前半はフルトヴェングラーの歌曲と野口氏自身の作曲作品
が演奏され、後半は訳詞活動の披露ということも含めて
フォーレの合唱曲2曲が演奏された。

なお、後半の演奏を担った著名な平松剛一氏と
平松混声合唱団は、旧知の間柄というのではなく、
ネットを通じて野口氏自ら幾つかの合唱団に企画を持ちかけ、
快く合意してくれたのが平松氏と同合唱団だったとのことで、
これも面白い逸話と言えよう。


 演目

1.野口氏のスピーチ「音と言葉によるこれまでの私の歩み」

2.フルトヴェングラー「歌曲集」より(校訂:野口剛夫)
 (1)哀しき漁師 (詩=アイフェンドルフ)
 (2)湖の上で (詩=ゲーテ)
 (3)兵士 (詩=シャミッソー)
 (4)かもめが飛んでいる (詩=マイヤー)
 (5)天使がハープをかき鳴らし
   (詩=シルヴァ、ルーマニアの女王エリザベート)

   メゾソプラノ=山口克枝 ピアノ=岡 珠世

3.野口剛夫 ピアノのための小品集(2007~2014)
 Ⅰ.Prelude(前奏曲) Ⅱ.Humorously(おどけて)
 Ⅲ.Vividly(生き生きと) Ⅳ.Misteriously(神秘的に)
 Ⅴ.Vigorously(快活に)

   ピアノ=生田美子

4.野口剛夫 ヴァイオリンのためのアダージェット(2014)
    ヴァイオリン=境谷睦美  ピアノ=岡 珠世

5.野口剛夫 弦楽四重奏曲(2008~2014)
    ヴァイオリンⅠ=境谷睦美  ヴァイオリンⅡ=長島陽子
    ヴィオラ=柴田幹彦  チェロ=青木祐介

 (休憩)

6.フォーレ レクイエム (訳詞=野口剛夫)
    平松剛一 指揮 平松混声合唱団  ピアノ=阿部佳津子

7.フォーレ ラシーヌ讃歌 (訳詞=野口剛夫)
    平松剛一 指揮 平松混声合唱団  ピアノ=阿部佳津子


奏者は皆さん巧みで、特にヴァイオリンの境谷さんは
これまで特にクラシックに注力してきたわけではない
ユニークなキャリアの人だが、全く問題無く立派に
クラシックの曲を演奏していたし、
そのニコやかな笑顔等、しぐさも印象的だった。

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